『七月大歌舞伎』2025 松竹座 四 | D-DST

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『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』


夜の部開幕。


直前にサプライズ事件がありまして!

心臓ドキドキばくばく、顔は表情筋の緩みが止まらず。

正直、半分くらい心此処に有らず状態でしたすみません。


浄瑠璃とお三味と付け打ちと、
直実の芝居との絶妙なグルーヴを感じながら、

必死にクールダウン、
集中力を高めておりました。



熊谷陣屋は、決して狙っているわけではなくとも結構何度か観劇しており、

今まで観てきたキャスティングの役者さん方は鬼籍に入られている方も多く、
至極当たり前のことなのですが、

舞台観劇も一期一会、
毎度毎度が奇跡の巡り合わせだったのだなぁと。

今回も、直実役は仁左衛門丈。
夜の部お席は花道真横、
涙しながらの三重送りの場面を真下から観劇出来、
その迫真の直実像の造詣と、

改めてこの作品に込められているメッセージ性に、
大変心痛みました、
後日(当日は、上記しました様に半ばそれどころではなかったので)。

個人的に、平家物語は一種の反戦もの(かなりの広義でですが)ではないかと捉えております。


それでも、

桜の枝の注意看板に真意を込めるだとか、
皇胤を護るだとか恩義に報いるだとか。

きれいな台詞や所作、音楽、色彩、様式美に則って堪能する「心」。

改めて美しい文化、世界だなあと、
やはり痛いくらい感じます。



藤の方は壱太郎丈。

午前中、浮かれながら大根切ってた娘とは思えないほどの、

皇族出身やんごとなきオーラが凄かった。

怒れる母親。
体格まで異なって見える。役者って凄い。

壱太郎丈は、十年前の新橋演舞場公演で初めて観劇、
この時は若手で出番も少なく、綺麗な子が出てきて嬉しいなあくらいの感想でしたが、

今回の一連の襲名公演で割とたくさん拝見出来、
もう、すっかり主力若手でなんて頼もしい。


主力若手と言えば、同じく今回襲名公演でご活躍隼人丈も、立ち姿、声も綺麗で(←重要)今後も期待大です。

幕間にて、わたくしの前のお席の、私より少しお若いくらいの殿方御一行様、
「隼人、イケメンやなあ」
「隼人はイケメンや」
「ええよなあ隼人」

男性から大人気の隼人丈。


お二人とも、続く『土蜘』にも登場するので楽しみ。