
『京鹿子娘道成寺』
菊さんと玉さまの二人道成寺は、それはもう、
過去、劇場でもシネマでも、かぶりついて観劇したものですが。
この度は菊之助さんも交えての三人花子。
まず、やはりどのような演出になるのか。
◇
そして、なんと言ってもさすが襲名披露の歌舞伎座公演、
妙に濃い面子の所化御一行さま。
豪華すぎる。
このメンバーだけで一作お芝居できそうです。
つい先程泥棒してた人もしれっと出家なさっていて。
現れた花子の正体は白拍子でした!
で、
兄(彦さま)弟(亀蔵丈)で素でがっかりしすぎの図(笑)。
数十分前までのお色気だだ漏れキケンな男はどこへ行った(笑)。
ツッコミつつも、その役者魂に畏怖で震えました。
◆
菊さん親子の花子さんは七三より、
まるで見えない力で引き上げられるように登場。
懐紙に炊き込めた御香が香ってくるほどの距離。
菊さんは澄んだ穏やかな表情、
菊之助さんはうっとりと恍惚気味。
え、齢11歳で、既に己の舞踊スタイル確立してしまっているのではあるまいな。
おそろしい子!
そりゃあね、まだ、ぎこちないところ、粗いところもありますよ(←何様)。
しかしあの表情観たら、持っていかれそうになってしまいます、
まさに清姫が憑依している様な⋯。
道成寺は女心、恋の詩、踊りですが、
十代が踊る花子。
コレはコレで深み、奥行きを感じます⋯。
そうこうしていたら、かみてから玉さま登場で、
こういう時、お席が前すぎると、
どちらを向いたら良いのか挙動不審状態になります。
頭きょろきょろしてしまい、後ろの席のかた、ごめんなさい。
◇
菊之助丈の、裄が短め?
手首が結構見えてしまっていたのが少々気になったのですが、
敢えて短くしているのかもしれませんが、
もしかしたら、
採寸して、仮縫いして本縫いして、本番。
きっとその間に成長しちゃったのだろうな、このお年頃なら十分あり得る。
そんなところも、
歌舞伎、歌舞伎役者、舞踊、の「成長」「未来」が感じられて。
日々、どんどん背も伸びお衣装もどんどん小さくなって。
そうしてもっともっと研鑽を積み、様々なものに触れ、
大きくなられるのだな。
裄の丈ひとつで、
親戚のおばちゃんみたいな心境になってしまった。
◇
クドキは菊さん。
以前は玉さま担当でした。
菊さんのクドキだ⋯しっとりと艶っぽく。
でもそののちに玉さまも登場して、お二人で可愛らしかったり陶酔美炸裂していたり。
もう、ただただ美しいです、息もぴったりで。
何も考えず、この美を享受していたい。
⋯と、
私、そういえば、この菊さん玉さまの二人道成寺ばかり観劇していて、
ノーマル道成寺って、一度、故勘三郎丈の勘九郎時代に観たきりかもしれない。
一人でこれだけの大曲を踊るのも凄まじいが、
観慣れてしまったこともあるが、
複数人での道成寺が好きだな、とおもった、
ユニゾンや踊り分け、役者さんそれぞれの個性の違いも楽しい。
◇
鈴太鼓から鐘入りの、緊張感と疾走感。
あの流れはたまりません。
しかも今回は三人で鐘入り。
ぞくぞくし放しでした。
鐘の上での見得。
始終優雅だった玉さまが、
静謐だった菊さんが、
グッ!と蛇の目付きに変わるの。
舞台で観劇しているはずなのに、一気に画面がクローズアップする錯覚に陥る。
鐘を見上げ、幕が引かれるまで目が離せない(感動涙目)。
この先の菊之助さんの花子も、期待しかない(感動涙目)。
