大阪四季劇場
4月26日
ミュージカルも幼少時から連れて行って貰い、長年観劇しておりますが、
実は『オペラ座の怪人』は観たことがありませんでした。
一番古い記憶では、小学生低学年時代、
名古屋は栄、現在のオアシス21に、
特設会場だったか、当時存在していた愛知文化なんとかセンターだったか劇場があって(そこで幼稚園の卒園発表会が開催されていた)、そこだったかに、
劇団四季のオペラ座がやって来ていて、大きな看板が立っていた。
恐らく日本初演の頃だったと思う。
当時から、『劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい』というコピーで、
『凄い』→『すごい』と読むんだ、
普段使いまくっている何気ない『すごい』に、漢字があったんだ、という鮮烈な記憶がありまして。
↑本編とどうでもいい前置きが長くなりすぎましたが。
その後もなんだかんだ機会を逃しまくり、この日の観劇に漸くたどり着きました次第です。
◆
2004年公開の映画は、限定生産のDVD BOXを予約して、
特典映像含め盛大にリピートしておりましたが。
映画も演出が少し変えてあったのですね!
シャンデリアが落ちるタイミング!
そういえば特典ディスクで解説されていたわ!最後に落ちてきた方が映画としては盛り上がるしとかなんとか。
媒体によって、演出の効果が異なる事も往々にしてあると思うので、納得です。
舞台、映画、それぞれに、佳い。
それから、
上記の様に、私の場合、映画鑑賞の方が先だったので、
映画の、映像加工などで処理してある場面は、
舞台だと果たしてどうなるのか、
わくわくしておりましたが。
え。映画とまったく同じじゃないか。
CG、加工無しで、生身の舞台でここまで出来るの!
『Think of me』リハーサルから本番への転換。
地下への道のり。
イル・ムート上演中のファントムとブケーのチェイス。
墓地で暗示にかけられてゆくクリスティーヌ。
特に、
オープニングの、綺羅びやかな過去へ戻ってゆく様。
ここからハンニバルのカルロッタのアカペラ歌い上げまで、
ココだけでご飯三杯いけます。
惹き込まれる!
舞台演出の工夫、知恵に感動、喝采!
これだから舞台観劇はやめられない!(←言い訳)
結論、
劇団四季のオペラ座の怪人は、本当に凄かった。
◆
作品自体がオペラハウス、オペラ歌手たちの物語なので、
キャストの歌も聴き応え抜群です。
力強くも色気のあるファントム。
クリスティーヌはザ・ヒロインのソプラノだが、見事にカデンツァもしっかり伸び伸びと聴かせてくれる。
映画版や、他の『ファントム』などではカルロッタは意地悪なキャラクターになっていたが、
いうてもプリマ張れるオペラ歌手ですから。
(『ファントム』ではコネ遣いでしたが)
本作品のシナリオ上、
クリスティーヌと敵対する設定にはなってしまっているが、
ただの歌巧姉さんでした。
コロラトゥーラも聴き惚れてしまいます。すごいです。
対し、子爵は少々頼りなかった感想なのですが。
その分、世間知らずの色ボケぼんぼん感(←言い方…)があって、
役作りとしては正解かと思われ、自然に聴けます。
個人的な好きなポイントとして、
『Angel of music』クリスティーヌとメグのハモリで、
メグが下パートを歌うのが、
恍惚としてしまっているクリスティーヌを、
正気に戻そうと諭そうとしているメグ、という、
一発で分かるこの譜割りが素晴らしい。
アンドリュー・ロイド・ウェバーの楽曲って、
一見そんなに複雑さは感じないのですが(譜面上は←個人の感想です)、
シンプルに見えて、非常緻密に計算されまくっている畏ろしさがあり。
や、そもそもミュージカル楽曲とはそういうモノなのだけれど、
改めて、じわじわと圧倒され通しでした。
◆
大阪公演の千穐楽も決まり、
そして、丁度ブロードウェイ(確かMajestic Theatre)がクローズしてしまう悲報があった直後でしたので、
カーテンコールも熱く。
平日マチネ公演でしたが、拍手鳴り止まず、
何度も何度も、常に出演者全員で出てきてくれました。
ファントムの、
かみての際で手を胸に当て、紳士らしいお辞儀、
という締めで、幕。
カーテンコールですと、
「中の人」が出てきてしまうケースもあったりしますが。
以前WICKED観劇時のマダムモリブル八重沢真美さんがカーテンコールでも一切笑わず、
ああこの方はきっと、家に帰るまでマダムモリブルなのだな、と、この日一緒に観劇したMさんと畏怖と敬意を表したものでしたが。
(ミシェル・ヨーのマダムモリブルも超絶楽しみだ!)
本日のファントム飯田洋輔氏も、
帰りの電車やバスでご婦人方に席譲っちゃったり重そうな荷物持ってあげちゃったり、
家に帰るまで紳士なのであろう。