『春興鏡獅子』尾上菊之助 #001 | D-DST

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2012年9月23日
尾上菊之助特別舞踊公演
@ルネこだいら

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何故この小平市で鏡獅子かというと、


国立劇場ロビーに展示してある六代目尾上菊五郎丈(以下、六代目)モデルの鏡獅子像を彫った平櫛田中氏が最終的に住んでらした土地が小平市で、
今年が小平市制施行50周年で、

という、
ご縁やタイミングが重なっての事だそうで。


私といえば、
土日に菊さんワンマンショウ(舞踊公演は結構平日が多い)、
鏡獅子、
開催地は訪れた事の無い所でわくわく、

な、

相変わらず至極単純動機だった訳ですが、



第一部のトークショーが既に濃密な内容で。

全編通して非常に意義深い公演でした。





国立劇場の鏡獅子像は、
モデルが菊さんの曾祖父・六代目であること以外では、

単に「国立劇場の名物」くらいの薄っぺらい認識しかなかったのだが、



コレが彫られるまでのドラマ。

ココに展示されるまでの経緯。



実に長い時間と多大な情熱のもとに、
今、
存在していることに、

目頭が熱くなってしまいました。



菊さんご自身も以前、この像がある為に

「国立劇場は六代目から常に厳しい目で見られている場」

と語っておられたし、


本当に沢山の人たちの様々な想いが宿っている事を今更ながらよりリアルに感じる事が出来、

次に国立劇場を訪れる時は、
僭越ながら私自身も、今迄とは全く違う気持ちでわくわくしてしまうのかも知れない、と。




事前に彫られた同じ見得の裸像の意義、

「像」として完成させる為のバランスの難しさは、


「造形」に於ける不可欠なプロセスとして、
こういった巨匠ですら蹉跌を踏むことに勇気を貰い。



それからこちらも「踊りの神様」とも称されている六代目の稽古の付け方について、

ジャンル問わず「ダンス」総てに共通する内容に、
激しく奮い立たされ。



どのお話も興味深いものばかりで、

このトークショーだけでも一冊、パンフレットが出来上がってしまうくらい(笑)。


本編の菊さん舞踊を観る以前に、
すっかりおなかいっぱいでした。



トークの後、
休憩時間があって助かりました…。