二月花形歌舞伎『義経千本桜』 | D-DST

D-DST

日記や、沢山の好きなことへの、
独り言。

2012年2月12日@御園座


D-DST-IMG_0285.jpg
D-DST-IMG_0288.jpg


マイ初日。
この日は一先ずお昼の部のみ観劇。


『義経千本桜・渡海屋~大物浦』お柳実は典侍局。
『直侍』直次郎。

と、菊さん(五代目尾上菊之助丈)のデビュー役尽くしです。(気合!)




舞台の昴りに呼応したり、盛り上げてくれる大向こうさん方の掛け声。

ああ、この空間。

好きだ。


この日はタイミングや声色心地良く、
殊に清々しかった。




『義経千本桜』。

この段は実は初見、パンフレットの解説丸写しで恐縮ですが、


「壇ノ浦で入水した平知盛が実は生き残り、平家再興の機会を窺っているというスケールの大きな物語」

まさにそのままの感想でした。



お安、ってそんな名前付けて、

実は安徳帝じゃないの?
バレるんと違うの?

と危惧していたら当たりだった(汗)。

安易過ぎるネーミング。


そんな事はともかく。



滅びの美学、主役・知盛はお兄ちゃん(松緑丈)ですが、

この方の荒事はもう、
ハマり過ぎるなんてものではなくて。


お役の「大きさ」は勿論。
満身創痍ながらの殺陣の迫力。
悲壮美。


勇ましくも平家大将としての品を備えた白い鎧姿の出は、
思わず歓声が湧いた。



菊さんの典侍局も迫真続きで、
大物浦の場では涙を流しておられる...。


見得とまばたきのタイミングだとか息継ぎ、
細かい心理描写が益々見事で、

悲愴感全開だったりしますが、

則ち再興にかけた意気込みの強さ、主への忠義の篤さ故と解釈。

アツいおなごです。



亀三郎丈、亀寿丈も二幕通して魅せ場があったり、
心に残る台詞も多く、


内容盛り沢山の演目でした。



朝から、ハード(笑)。
いや、充実。



このキャスティングで観れて良かったー!