

マイ初日。
この日は一先ずお昼の部のみ観劇。
『義経千本桜・渡海屋~大物浦』お柳実は典侍局。
『直侍』直次郎。
と、菊さん(五代目尾上菊之助丈)のデビュー役尽くしです。(気合!)
舞台の昴りに呼応したり、盛り上げてくれる大向こうさん方の掛け声。
ああ、この空間。
好きだ。
この日はタイミングや声色心地良く、
殊に清々しかった。
『義経千本桜』。
この段は実は初見、パンフレットの解説丸写しで恐縮ですが、
「壇ノ浦で入水した平知盛が実は生き残り、平家再興の機会を窺っているというスケールの大きな物語」
まさにそのままの感想でした。
お安、ってそんな名前付けて、
実は安徳帝じゃないの?
バレるんと違うの?
と危惧していたら当たりだった(汗)。
安易過ぎるネーミング。
そんな事はともかく。
滅びの美学、主役・知盛はお兄ちゃん(松緑丈)ですが、
この方の荒事はもう、
ハマり過ぎるなんてものではなくて。
お役の「大きさ」は勿論。
満身創痍ながらの殺陣の迫力。
悲壮美。
勇ましくも平家大将としての品を備えた白い鎧姿の出は、
思わず歓声が湧いた。
菊さんの典侍局も迫真続きで、
大物浦の場では涙を流しておられる...。
見得とまばたきのタイミングだとか息継ぎ、
細かい心理描写が益々見事で、
悲愴感全開だったりしますが、
則ち再興にかけた意気込みの強さ、主への忠義の篤さ故と解釈。
アツいおなごです。
亀三郎丈、亀寿丈も二幕通して魅せ場があったり、
心に残る台詞も多く、
内容盛り沢山の演目でした。
朝から、ハード(笑)。
いや、充実。
このキャスティングで観れて良かったー!