アンデルセンの童話の中に「ヒナギク」という話がある。


田舎の道端に一軒の別荘がある。
庭には花が植えられている。そのそばの土手にはヒナギクが生えていた。

「ヒナギクは、草のなかにうもれているじぶんに、目をとめてくれるものがないことや、じぶんがまずしいつまらない花だということは、すこしも気にしませんでした。
それどころか、心からまんぞくして、まっすぐにお日さまのほうを見あげながら、空でさえずっている雲雀の歌に、うっとりとききほれていました」
(註;山室静編訳、アンデルセン童話集「1」、偕成社、1978、48-49頁)


自分に満足するということは、「自分が今ここにいること」に満足しているということである。

「これでいい」と思っている人である。

「今ここにいること」を楽しいと感じる。

その体験を積み重ねていくことで「実際の自分に満足する」様になる。

このヒナギクの心理状態が自分が自分を受け入れている状態である。

実際の自分に満足している状態である。

新聞記者などでよくこのタイプが居る。

大政治家に「今日一杯いきますか」などと同僚のような口をきく。

そう言うときには必ず周囲に人が沢山居る。

馴れ馴れしさで周囲に自分をアピールしたが、イヤなやつと思われただけ。


お花を摘んでしまった子もこうした人々も皆満足していない。

このように自分が自分を受け入れていない人は、得意になっているが、嫌われる。

ある大学の同窓会である。

学長が出席していた。

遠くから若い同窓生がいかにも親しげに「○○さーん」と声をかけた。

彼は学長との近さを周囲の皆に誇示したのである。

皆から失礼な人と思われただけ。