「あー、先にお寺に電話せな、あかんな。」
<あら、先ほど、お電話なさっておられましたよね、
明日、朝一番に枕経に見えると話されていましたよね。>
「あ、そうそう、そうやった。
朝一番て、何時頃やろか。」
<お時間は、お寺さんおっしゃらなかったのですか?
お時間を言われなかったら・・・お寺さんは、結構朝が早いですからね。>
「まあ、ええわ。ずっと家におるし、待ってるわ。」
<では、お葬儀の・・・。>
「お布施は、高いんやろなあ。」
<それも含めて、ご案内しますので、まあ、落ち着いて座りましょか。>
「あー、食事はどうなるんやろか。」
<・・それは、お通夜とか、葬儀の当日の食事の事ですか?>
「それもあるけど、今のことや。朝から、何も食べてないねん。」
<それは、失礼しました。お疲れですものね。
何か召し上がられますか?>
「召し上がる。というほどでもないけど・・。まあ、あとでええわ。」
<それで・・。あの、葬儀のことですけど、
どこで、どんな風になさりたいか、伺わないと・・。>
「どこで・・って?」
<ええ、お家でなさりたいとか、ご近所の集会所や、公民館とか、
いや、葬儀会館でするとか・・です。>
「なるほど。 で、どんな風に。て?」
<ええ、身内だけでなさりたいとか、いや、ご近所も友人も、知り合いも
皆きてただきたいとか。この度は、お寺さんも見えるようですし、
お経はしっかり、読んでいただいて、仏式でなさるということですよね。>
「まあ、そやな。」
<それらのことについて、だいたいこれくらいの費用がかかりますよ。とか、
先ほど、お伝えしたように、食事はどうする、火葬場へは、タクシ―がいるのか、
バスで行くのか、とかいろいろと考えていただきたいのですが。>
「・・・そんなに、いろいろ考えなあかんの?
・・・ふーっ、・・・あんたにまかせるわ、適当にやっといて。」
(んな訳にはいかないでしょう。
奥さんのことですやん。しっかり、考えてあげてくださいよー。
お家の内容がわからないものでは、決められないんですよ。)
「・・・・、葬式て、面倒なもんやなあ。
お寺のことだけでも、チンプンカンプンやのに・・。
頼むわー。どれになにが要って、いくらかかるの?」
(だから、最初っから、言うてますやん。
説明するから、聞いてくださいって。)
<それでは、それを説明しますから、とりあえず、座りましょ。>
「あー、やっぱり、先にメシにするわー。」
そうですかあ。・・・・。やっぱり、まだ何も決まってませんよー。

✿ グッドアイデア
「そうしましたら、明日の夜がお通夜ですから、
今夜は、お家でご安置して。
枕経にみえたお寺さんもおっしゃってらした様に、
お疲れになりますので、昔のように、お線香や
ローソクの番を一晩中なさらないでいいですよ。
ローソクの火も結構あぶないですからね。」
「そうかあ、そうやな。
お寺も確かに、そう言うとった。
火もあぶないからなあ。
わかったー。」
「では、お疲れのでませんように。
今夜は、ローソクの火も消して休んでくださいね。
我々は、失礼します。」
・・・・・・・・・
次の日の早朝 6時。
リーン、リーン♪
「もしもし、ゆうべお世話になった○○ですー。
あのねー、あの枕もとのローソク。
無くなってしまったから、
持ってきてくれる?」
なんですと?
あれだけ、火を消して、休むように言ったのに。
やっぱり、気になって、起きてお傍におられたんやね。
「違うねん。
ゆうべ、電気の調子が悪くてなあ。
家中の蛍光灯があかんかってん。
親戚も泊まりにきてたやろ。
それぞれがローソク点けて・・・。」
それは、お役に立って、よかったです。
