二年前PHP新書、斎藤環さんの本に出合った。
WHO(世界保健機関)の定義によれば、健康とは「病気ではない状態」ということのみを意味しない。
一九九九年に、健康について以下の定義が提案されている。
「健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」
重要なポイントは二つ。
一つ目は、「霊的」、スピリチュアルな面の追加。これは必ずしもオカルト的な表現ではなく、精神的なものの延長上にある人間の尊厳、意味、希望、平安といった、主観的な要素と考えられる。
二つ目は、「動的状態」だが、こちらはひところ流行「動的平衡」とほぼ同じイメージ。
精神科医として、これまで十分には「健康」について、考えてこなかった。むしろ、「健康」の存在を積極的に疑ってきた。
精神医療は、診断や治療の精度を上げることに汲々とするあまり、独自の「健康」観を育んでこなかったのではないか。私たちの考える「健康」とは、「適応」や「成熟」がせいぜいではなかったか。そればかりか場合によっては、「社会参加」や「就労」「経済的自立」のみをもって健康の指標としてはこなかったか。
しかし、現代の「健康」観にとって、それらは前提条件でしかない。
たんなる健康乱賛本ではないし、健康や幸福のはらむさまざまな逆説的にも言及している。
それでも、私たちは折に触れて、健康や幸福について内省的に考えてみることが必要だ。
それが本書の結論の一つだが、これから読者の皆さんとともに、健康について考えてみたい。
健康生成をめぐる旅へようこそ!(PHP新書斎藤環著書より)
3ページから、5ページのはじめにと、目次をみてのめりこんだ本です。
ライブフーズアカデミー科目や授業の実施で、再度読み返している。
簡単で、難しい言葉が出てくる内容、アカデミー推進のエネルギーを与えてくれる。
プロジェクト推進に疲れた時、おわりにのページを見る。
健康概念が資本主義的な欲望の対象になることは、必然的に商業資本の流入や市場原理の前景化につながってしまう危険性もある。これは、万人が平等に享受できる「健康」概念から、健康を格差化につながるおそれがあるため、好ましいこととはいえない。
健康を静的な「状態」ではなく多様な「過程」と捉え直すことで、たんなる「幻想」という理解に新しい
分析の光を導き入れる可能性が開かれるかもしれない。
ライブフーズアカデミーが実践し、いつか斎藤氏に検証していただきたいものです。
ライブフーズアカデミー&食エコミュージアム事業構想、頑張ろう!