海底軍艦轟天号は今日も行く | dvconのブログ

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未来が常にバラ色だったのは1970年の大阪万博の時だったろうか。

後は古い少年雑誌の口絵の世界ぐらいか、その口絵ではテクノロジーの進歩による夢の未来が繰り広げられていた。そんな口絵の第一人者として小松崎茂の名があげられる。

小松崎の描く未来には夢と希望があふれていた。21世紀とはなんと素晴らしい世界になっているのだろうと、口絵に魅了された少年は思い描いていた。

 

しかし現実に21世紀になってしまうと、20世紀の負の遺産により暗黒の世紀に突入していた。確かに口絵の技術は実現している物が多いが、あの希望にあふれた未来はどこに行ったのであろうか。

絵には描くことのできなかった、それこそEXPO70のテーマである人類の進歩と調和が、先走りしたテクノロジーに追い付いていないからなのだろう。

 

小松崎は太平洋戦争中に当然ながら軍事を鼓舞するような絵や物語を書き、敗戦後の惨状に方針を転じ、子供たちに夢を与える希望の未来を、絵物語や雑誌の口絵で描き続けた。

その後は活躍の場を「サンダーバード」に代表されるプラモデルのボックスアートという新ジャンルに移していった。

その小松崎は東宝のSF映画「地球防衛軍」「宇宙大戦争」「海底軍艦」にもデザインで参加していた。とりわけそのメカデザインは小松崎ワールド全開の楽しさだった。

 

「海底軍艦」ではテーマとなる轟天号のレトロフューチャーなデザインが魅力で、映画自体は謎のムー帝国の侵略に対する超兵器轟天号の活躍を描いた勧善懲悪的な作品で、突っ込みどころ満載、単純そのもの、しかしそこが楽しい作品だった。こういう映画は細かい所は構わない、面白ければ良いのである。伊福部マーチとともに轟天号の雄姿にワクワクするのが正しい見方なのだ。

そして轟天号はその後、宇宙船になったり対ゴジラ兵器になったりと東宝SF超兵器として活躍している。今後も進化していくのであろうか。