夫「豆を播くぞ」

カルデラ「おぉ!」

ぽんぽん「……。」

夫「ほら、豆だ」

ぽんぽん「播かない」

 

ぽんぽんが小学5年生のときにはどんな節分を過ごしていたでしょうか。あの頃は日常の些細なことも何故かみな中学受験に結びついていました。節分も例外ではありませんでした。ぽんぽんと私は大真面目に豆を播いたのです。

 

 

 

 

大真面目に豆を播くと、節分の夜にあると聞かされた百鬼夜行も、なぜだか信じられるような気分になったのは不思議でした。

 

ぽんぽんはまだ反抗期ではなくて「豆を播こう」といえば一緒に播いてくれたものです。今年は豆に目を向けることすらしませんでした。

 

ぽんぽんが次に一緒に豆を播いてくれるのはいつのことでしょうか。そのとき百鬼夜行を信じられるくらい大真面目に豆を播くことが私には出来るでしょうか。あれは中学受験がもたらした夢だったような気がするのです。