本日は「イケメン王宮真夜中のシンデレラ」5周年記念日ですっ(≧▽≦)♡
イケシリも毎年新しいタイトルが増えていますが、そんな事には目も向けずひたすら王宮とアランが一番好きです///
今では戦国、革命、そして最近配信されたイケヴァンが今のイケシリ3大タイトルになるつつあるようで・・・。
去年までは王宮が入っていたはずなのにいつの間にか扱いが変わっていたというユーザーにとっては悲しき事態が起こっています。゚(T^T)゚。
最近のグッズでもトレーディングでアランが出ても「これ誰??」みたいな感じでトレードにアランが回されるとかっΣ(・ω・ノ)ノ! まっ、確かに最新から始めた方々は分からないよね。
私も手を付けていない、もしくは進めていないアプリの人物は知らないしwww
アラプリとしては全部こっちに回してくれーっ!!!ってなるね。
そこで今回も王宮を盛り上げたいと仲良し姫さまであるはるかさんが企画を立ち上げてくれました♪
はーちゃんいつもありがとう!!
私以外にも王宮愛に溢れた姫様方がお祝いされています。ぜひぜひ巡ってみて下さい。
総合案内所はこちらです
今回は二次創作に「真夜中の出来事」というテーマを設けました♪
そこで私のお話も当初書いていたお話を方向転換して半ば無理矢理テーマに近づけて書くことにしましたw 無理矢理感があってもスルーしてねwww
今回のSSは甘さはほとんどありません。私の願望みたいな感じかな。お話の内容、設定は私の捏造が含まれていますのでご理解下さい。
アラン&プリンセス&レオのお話です。プリンセスはアリサちゃんです。
ではどうぞ~♪
面影
「じゃあ今日はここまでにしておこうか。アリサちゃん」
アリサは執務室でレオの座学を受けていた。
「うん。ありがとう、レオ・・・」
「どういたしまして」
ふっと笑みを零しながらレオはパタンと本を閉じて片手で眼鏡を外す。こんなレオの何気ない一連の仕草に見入っていると不思議そうな顔で急にこちらに振り向いたレオと視線がぶつかった。
「どうかした?アリサちゃん」
「な、何でもないよ・・・」
きょとんとするレオの問いかけにさっと視線を逸らしたアリサは顔を赤くさせて机の上の物をごそごそと慌てて片付け始めた。
(アランの事を考えてたなんて言えない・・・)
恥ずかしさのあまりレオに顔を上げられないまま黙々と片付けていると頭上で吹き出すように笑うレオの声がした。
「何でもなくないでしょ?顔真っ赤にして・・・」
声がしたと同時に視界の隅でレオが机に手を付いたのが分かりアリサが顔を上げると悪戯な笑みを浮かべたレオの顔が間近にあった。真っ直ぐ自分を見つめてくるレオの赤い瞳の眼差しが恋人のアランと重なり囚われたように動けなくなる。あまりの近さに息を飲むとすっと伸びてきたレオの手に頬を撫でられ、やがて指先がすーっと滑るように顎に添えられ上向かせられた。
「何思ったの?言わないとこの口塞いじゃおうかな・・・」
あやしく微笑んだレオは顔を寄せてアリサの唇を親指でなぞる。レオになすがままにされているアリサが思わずグッと唇を引き結ぶとレオはふっと笑い顎から手を離した。
「冗談。そんなことしたらアランに怒られるよ。いや怒られるどころじゃないか・・・」
レオは笑いながらあっけらかんと呟いた。
「で、何を考えたのかな?」
レオの笑みが高圧的なものに変わる。
「・・・っ」
(レオには敵わない・・・)
どこか見透かすように見下ろしてくるレオに観念したかのようにアリサは少しの間を置いてから口を開く。
「当たり前の事だけど、やっぱりレオとアランは似てるって思ったの・・・」
「それは俺的には嬉しいね。アランはすっごく嫌がりそうだけど」
「ふと見せる些細な仕草とか雰囲気が似てるなって」
「へえ・・・じゃあ、それだけアリサちゃんはアランを見てるって事だね。何か妬けるな」
「・・・っ」
レオに指摘をされてはっとしたアリサは顔を真っ赤にして思わず口を噤んでしまった。
「相変わらず素直だねアリサちゃんは・・・」
レオがからかうようにクスクス笑うとアリサは子供のように拗ねて口を尖らせた。
「レオも意地悪な時あるよね・・・」
「アリサちゃんを見てるとついからかいたくなっちゃうんだよ」
「そんな所もアランと似てる気がする・・・」
アリサは小さく息をつき頬杖をついて上目遣いでレオを見上げる。
「ねえ、レオ・・・。何でレオは眼鏡かけるようになったの?」
「また唐突な質問だね。そんな事気になるの?」
「アランは眼鏡使っていないのに・・・って思って」
「俺は手元が見えにくくてね。それで眼鏡を使っているんだよ」
「そうだったんだ。初めてレオが眼鏡かけるのを見た時、少しびっくりしたな」
「そんなに驚くほどの事じゃないでしょ?」
そう言いながらレオは胸元にしまっていた眼鏡を再びかけて微笑む。
「眼鏡かけると雰囲気がガラリと変わるんだもん。先生って感じ」
「じゃあ、眼鏡かけていない時の俺は?」
レオに優しい眼差しを向けられて答えを迫られたアリサは視線を彷徨わせながらぽつりと独り言のように呟いた。
「チャラい・・・?」
(あっ・・・私何言ってるんだろっ!?)
言ってすぐに口を手で覆ったが呟いた言葉を撤回出来る訳がない。はっとした顔で口を覆ったままレオの顔色を窺うようにそっと視線を上げると目を丸くしたレオの顔があった。
レオとアリサの間に少しの沈黙が流れる。その沈黙を先に破ったのはレオだった。
「疑問形に疑問形で答えるのはおかしいでしょ?しかもハッキリと。まあ、間違ってもないか・・・」
レオは苦笑いを浮かべて頬をポリポリと頬を掻いた。
「自分で認めちゃうんだ・・・」
アリサが吹き出すように笑うとつられてレオも笑い出す。
「要するにアリサちゃんはアランに眼鏡をかけさせたいってところかな?」
レオはアリサの心の中を探るような怪しい笑みを浮かべながら尋ねた。
「図星・・・。さすがレオ」
「これでも伊達に先生やってないからね」
得意気に微笑むレオにアリサは思案気な表情を浮かべてふっと笑った。
「どうやってアランに眼鏡をかけさせようか・・・って感じだね」
「もーっ!!怖いよ、レオっ」
「だってアリサちゃん考えてる事がすぐに顔に出るもん。本当に分かりやすい」
「それもアランによく言われる・・・」
笑うレオを目の前にしてアリサは小さく息をついて机に突っ伏した。
「作戦会議が必要だね・・・」
レオのその一言にアリサは勢いよく顔を上げた。
「一緒に考えてくれるの?」
「うん。良いよ。ただし上手くいく保証は出来ないけど・・・」
そして二人は執務室でコソコソと作戦を立て始めたのだった。
時間を忘れてレオと話し込んでいるとドアが叩かれる音がした。ノックの仕方でレオはピンと来たらしくアリサに微笑んだ。
「アリサちゃんのお迎えじゃないかな?」
「え?」
目を丸くしたままドアを開けに行くレオの背中を目で追っていると視線の先にアランが立っていた。
「ほらね」
そう言ってニコっとアリサに微笑むレオにアランはムッとした視線を一瞬向けて執務室に入ってきた。
「もうとっくに終わってるんだろ?さっさと部屋に戻るぞ」
不機嫌そうな声音で呟き座っていたアリサの手を引いた。
「ちょっ・・・アラン待って」
アリサは慌てて片手で机の上の本をかき集めて腕に抱える。
「行くぞ」
アランはレオと目を合わす事無くアリサの手首を掴んだまま目の前を足早に通り過ぎ部屋を後にして行った。
「レオありがとっ・・・」
強引に手を引かれながらもすれ違い様にそう呟いたアリサの姿をレオは苦笑いを浮かべて小さく息をついて見送った。
部屋まで続く廊下をアランに手を引かれたまま無言で歩いて行く。大股で歩くアランの靴音とそれに必死について行こうとするアリサの小刻みな靴音だけが廊下に響いている。
結局アランに一度も振り向いてもらえないまま部屋の前に着いてしまった。
(アラン怒ってるのかな・・・)
何となく声をかけにくくてアランに手を取られるまま部屋に入った途端、強く手を引かれ背後でパタンと扉が閉まると同時にアリサはアランの胸の中に収まり抱きしめられていた。一瞬何が起きたのか分からないアリサは目をパチパチさせて体を硬直させる。
「悪い・・・」
切なそうな声と共に肩に顔を埋めたアランの吐息がアリサの耳に触れた。
何に対しての言葉か分からない。けれどアランのその声音にアリサは無意識にアランの背中に腕を回していた。
「アラン・・・?」
まるで拗ねた子供をあやすような柔らかい声音で名前を呟くとアランは伏し目がちに顔を上げる。その表情は何処か寂しそうにアリサの目に映った。
(アランにこんな顔をさせるなんて・・・)
申し訳なく感じたアリサはアランの胸元に視線を落とすと、頭にポンポンと優しい温もりと少し呆れたようなアランの声が降って来た。
「何でお前がそんな顔するんだよ・・・」
「だって・・・」
アリサが窺うように上目遣いでそっと顔を上げるとアランは笑みを浮かべていた。
「アラン・・・さっきの『悪い』って・・・どういう・・・」
アランの機嫌を損ないたくなくて戸惑い気味にアリサが尋ねるとアランはすっと視線を外して小さく呟いた。
「あれは・・・」
アリサはじっと見つめたままアランの言葉を待つ。
「やっぱ何でもない・・・」
そう言ってアランは抱きしめていた腕を解いてドアノブに手をかけると何か思い出したのかくるりとアランが振り返った。
「お祝い、何がいい?」
「お祝い?」
唐突に聞かれたアリサは意味が分からず首を傾げるとアランは悪戯な笑みを浮かべて一言呟いた。
「アリサがこの城の城壁をツタで登ろうとした日だろ?」
「・・・あっ・・・」
一瞬アランの言う意味が分からず言葉が出なかったアリサだったが、意味を理解したと同時に今度は顔を赤らめてムッとした表情を浮かべる。
「その事は早く忘れてよっ!!」
「忘れる訳ないだろ?あんな事する奴、後にも先にもアリサだけだ」
「・・・」
クスクス笑うアランに言い返す言葉がなくてアリサは黙り込んでしまった。
「行きたい所でも良いから考えとけよ。じゃあな・・・」
ポンとアリサの頭を一撫でしてアランは部屋を出て行った。
結局最後はアランのペースに巻き込まれてしまった。しかしアリサはアランがぼそっと呟いた「悪い」の一言が気がかりだった。
(でも・・・今、また聞き返しても教えてくれるはずがないよね)
小さく息をついてベッドに腰をかけて日が傾いた窓辺に目をやりながら最後にアランが言い残した言葉を思い出す。
(行きたい場所か・・・)
その時ふと執務室で話していたレオとの会話が頭をよぎるとアリサは思わず短い声を零し、自然と口元が緩んだ。
(そうだ・・・これならレオが言ってたあの方法が使えるかも・・・)
―数日後―
互いの公務の休みを合わせてアリサはアランと湖畔に来ていた。木陰に二人で並んで座りキラキラ光る水面を眺めながらアランが口を開いた。
「こんな場所で良いのかよ」
「うん。だってここの湖畔は・・・」
「別に構わないけどな」
アリサが言い切らないうちにふいっと横を向いたアランがぶっきらぼうに言葉を被せてくる。ここは二人にとってとても大切な場所・・・。
アリサは湖畔でゆっくりしたいからとアランに連れてきてもらったのだ。そしてここに来た理由はもう一つある。
それは前に執務室でレオに「あの事」を相談していた時の話。
「どうやってアランに眼鏡をかけさせるかって・・・そんなの簡単だよ」
「そうなの?だってあのアランが素直にかけてくれるわけないでしょ?」
「だからそこは強引にいくんだってば、アリサちゃん」
レオは怪しい笑みを浮かべて楽しそうに話を切り出す。
「強引って・・・あのアランに通用するのかな?」
アリサは疑いを込めた眼差しをレオに向ける。
「まあ・・・そこはアリサちゃんの腕次第かな?」
「レオ先生、その方法を教えて下さいっ」
アリサは顔の前で手を合わせて拝むようにレオを見上げる。
「じゃあ、可愛いアリサちゃんに免じて教えてあげようかな・・・」
そうして切り出したレオの話にアリサは目を丸くした。
(本当にこれで上手くいくのかな・・・)
今のアランとの状況は恐ろしい程にレオが立てた計画通りに事が運んでいる。
言葉を変えればレオはアランの考えや行動を全て熟知していると言う事にもなる。そんなレオが提案した方法は単純な事だった。
―アランに昼寝をしてもらえば良いんだよ・・・アリサちゃんの隣なら少しは気が抜けるだろうしね。どうやって寝かせるかはアリサちゃんの腕の見せどころだよ・・・―
そう言いながら楽しそうにニヤリと笑ってウィンクするレオの顔が思い浮かぶ。
(昼寝って・・・そんな簡単に行くわけないよね・・・)
隣に座るアランにチラっと目をやりながらアリサはバッグから本を取り出そうとしているとそっぽを向いていたアランが振り返る。
「どうした?」
「あ・・・せっかくだから静かな所で本でも読もうかな・・・と思って」
「ふーん・・・」
ペラペラと本を捲る振りをしながら横目でそっとアランを窺い見るとアランはぼーっとした眼差しで湖畔の水面を見つめていた。
(やっぱりさすがに寝ない・・・か・・・)
本を広げて読む振りをしながらアリサが違う方法に思考を巡らせていると視界の隅にあったアランの姿が急にこちらに傾き肩に重みを感じるのと同時に頬にアランの髪が触れた。
「アランっ!?」
アリサが慌てた様な声音を上げるとアランは小さく呟いた。
「眠い・・・」
子供のように甘ったるい声のアランにアリサはふふっと笑いながらアランの髪に頬を寄せるとほのかに香るアランのシャンプーに匂いがアリサの鼻を掠めた。
「アラン、膝枕してあげる・・・」
「ああ・・・」
そう言ってアランはゴロンとアリサの膝の上に仰向けになると再び目を閉じてしまった。
サラサラしたアランの前髪が僅かな風に靡く。あどけない顔で長い睫毛と筋の通った鼻、形の良い唇。見慣れているはずのアランの寝顔に今もこうしてドキドキさせらせてしまう。
アランの事が好き・・・。
こうしているだけで自分の気持ちを再確認する。大切で愛おしくて・・・守りたい人。
そしてずっとそばにいたい人。
優しい眼差しでアランの寝顔を見つめているとアランは僅かな寝息を立て始めた。
(本当に寝ちゃった・・・)
その場を動けないアリサは何とか手を伸ばしてバックを引き寄せて忍ばせていたものを取り出す。
(顔の前で当てるくらいなら大丈夫だよね・・・)
眼鏡を持ってそっとアランの顔の前に当てようとした時、ぱっとアランの手が伸びてきて手首を掴まれてしまった。
「えっ!!」
アリサは驚きのあまり声が裏返り目を丸くしてアランを見下ろす。
「お前な・・・」
寝ぼけ眼で気だるげな声を出して見上げてくるアラン。アリサは返す言葉が見つからず口をパクパクさせている。
「寝てると思ったわけ?」
アランがムッとした表情を浮かべるとアリサは慌てて掴まれていた手を振りほどいて眼鏡を後ろに隠し顔を俯かせた。
「ご、ごめんなさい・・・」
「ってか、こんな所で騎士がうかうか寝れるわけねえだろ・・・」
アランは呆れた様な顔で頭をポリポリ掻きながら体を起こした。
「で、後ろに隠したものは?」
催促するようにアランが手を差し出すと、観念したようにアリサが後ろに隠した眼鏡を掌に乗せた。それを見たアランは首を傾げて目をパチパチさせる。
「眼鏡?」
「うん・・・。アランにも一度かけてもらえたら・・・って思ってて」
「何でだよ?」
「レオが使っているから、アランも眼鏡をかけたらどんな風になるのかなって思って」
「何だよ、それ・・・。もしかして前に執務室に長居してたのはこれが理由?」
そう言った途端アランの表情が曇る。それに気付いたアリサは言おうとした言葉を飲みこんで黙ってしまった。
(やっぱりレオとの事が絡むとダメなんだ・・・)
そこまで思いアリサははっとした。この前のアランの「悪い」の意味はきっと自分の苛立ちをぶつけてしまった私への謝罪だったのではないかと・・・。
アリサが城に来て五年が経つと言うのにレオとアランの関係はいまだ修復されていない。二人には二人にしか分からない事情があるのは当然でそこに他人が踏み込む余地もない事も分かっている。時が解決してくれる・・とは言うけれどもはや二人の問題はそんな次元ではないのかもしれない。
しかし二人には少しずつで良いから歩み寄る努力をして欲しいと願うのは無理な事なのだろうか・・・。
ここは隠さず正直にアランには話すべきだと思ったアリサは伏せていた視線を上げてじっとアランを見つめたまま口を開いた。
「そうだよ。あの日はレオとこの事を相談していたんだよ・・・」
「楽しそうに笑うお前の声が廊下まで聞こえてた。正直ムカついた。それで俺はお前に・・・」
「分かってるアラン。私もごめんね・・・」
お互い無言になり沈黙が流れる。暫くしてアリサが口を開いた。
「ねえ、アラン・・・。アランはレオが嫌い?」
「はあ?」
唐突すぎるアリサの質問にアランは目を丸くしてアリサを凝視する。アリサが真剣である事は目を見てすぐに分かった。
「別に・・・そーゆ訳じゃない。ただあいつとは考え方が違うってだけ」
「じゃあどうしてそんなにレオを避けるの?お兄さんでしょ?たった二人の家族なのに・・・。私が何処までアランの事に介入して良いのかは分からない。でも・・・レオとはこのままでいて欲しくないって思ってる」
「・・・」
アランは押し黙ったままじっとアリサの話に耳を傾ける。
「私から見たらアランとレオはやっぱり兄弟であり家族だなって思うよ。眼鏡の件の理由はくだらないけど・・・。でもレオと一緒に居てもアランと面影が重なる時がたくさんある。言われる事、考えていることだってアランと同じだって感じる事がある。きっとアランとレオは似た者同士だよ」
必死に語りかけてくるアリサに圧倒されたのかアランは小さく息をついてクスっと笑いを零した。
「あいつと一緒にするなよ・・・」
ボソっと一言だけ呟いてアランは木の幹に背中を預け項垂れると、すぐそばに生えている草に手を伸ばし触れながら続きを口にする。
「でもお前の気持ちは分かった。心に留めておく・・・」
「うん・・・」
そっぽを向いているアランの顔はアリサからは見えない為、アランがどんな顔をしているのかは分からない。でも自分の気持ちを聞き入れてくれた事が嬉しくてアリサは満面の笑みを浮かべて頷いた。
―その日の夜―
アランはなかなか寝付く事が出来ず中庭に出ると見知った背中を見つけてこの場を引き返そうと踵を返した所で後ろから声をかけられた。
「こんな時間に同じ場所に足が向かうなんて、俺達気が合うと思わない?」
「・・・思わねえな」
アランがチラっと横目で振り返りぶっきらぼうに言い放つとレオが乾いた笑いを漏らす。
「つれないねアランは・・・」
レオの声を背にアランはこの場を離れようと足を踏み出した所でピタリと足を止めた。
自分の問いかけに足を止めたアランを珍しく思ったレオが不思議そうな眼差しでアランの背中を見つめていると、こちらに振り返ったアランと視線が重なった。
アランはレオを真っすぐ見据えて一言呟いた。
「アリサに変な事を吹きこむな・・・」
アランが何の事を言っているのかすぐに分かったレオは口角を上げてニヤリと笑みを浮かべる。
「吹きこんだ訳じゃないよ。アリサちゃんがどうしてもって言うから助言してあげただけ。その様子だと失敗しちゃったかな?」
「・・・」
アランはすっとレオから視線を逸らし夜空を仰ぎ見ながら口を開いた。
「あんたと俺・・・似た者同士だってアリサに言われた・・・」
その言葉にレオはピクっと眉を動かして空を仰ぎ見るアランに目を向けた後レオも同じように視線を夜空に投げた。
「それでアランは何て答えたの?」
「別に・・・」
「どうせまた『あいつと一緒にするな・・・』とか言ったんでしょ?」
「うるせえ・・・」
レオがクスクス笑うとアランが不貞腐れたように横目でレオを睨む。
「そんなに怖い顔しないでよ。でもまあ・・・アリサちゃんが言うならその通りなんじゃない?アリサちゃんはアランの事を凄く見ているよ。兄として妬けちゃうくらいにね」
「そーゆーの気持ち悪いからやめろ」
「でも自分が大切にしている人を他の誰かが大切に想ってくれているって家族として俺は凄く嬉しいよ」
(家族・・・ねえ・・・)
「家族」という言葉で昼間にアリサと交わした会話がアランの中で蘇ってくる。
「なあ・・・。俺達はこのままで良いと思うか?」
「それってこれからは二人仲良くやっていこうって意味?」
少しの間を置いて、虚ろな表情を浮かべたアランが話を続ける。
「昼間アリサに言われた。たった二人の兄弟であり家族だろって。なのに何でそんな人の事を避けてるんだって・・・」
「やっぱり俺、アランに避けられてたのか・・・。兄として悲しいな」
「だからそーゆーのがウザいって言ってんだろ・・・」
「はいはい。分かってるよ」
おどけるように笑うとすぐにレオは表情を変えて真剣な眼差しをアランに向ける。
「アランにはアランの。俺には俺の考え、やり方がある。子供の頃はただ一緒にいて楽しければそれで良かったけど成長と共に兄弟であっても見る世界が変わり、物事の捉え方も変わってくる。そうなると必然的に考え方も変わってくる・・・。だから俺達の今の兄弟としての在り方は間違ってはいないと俺は思う。もちろん仲が良ければ良いに越した事はないのかもしれないけど、俺達の中では根本的な部分は変わってないでしょ?」
「そう・・・かもな・・・」
「まっ、もうちょっとアランが子供の頃みたいに素直になってくれたら良いんだけどね・・・」
「そーゆーあんたはそのチャラさをどうにかしろ・・・」
「それアリサちゃんにも言われたな・・・」
自分の軽い冗談にアランが乗ってくれた事が嬉しかったのかレオは嬉しそうな顔をアランに向ける。
「それって俺が直せば素直なアランになってくれるって事??」
「は?何でそうなるんだよ。ってかあんたには絶対直せない」
「そこまで断言するなら俺頑張っちゃおうかな?」
「ぜってー無理だからっ!!」
気がつけば時は真夜中・・・。
満天の星空の下、珍しくクロフォードの二人が肩を並べている。二人のこんなやり取りを城の誰も知る由は無い・・・。
~END~
お読み頂きありがとうございました~。
読まれた方でピンときた姫様もいるかもしれませんが、このお話の元になったのは間違いなくイケミュの影響ですwwwwwwwww
もう勝手に頭が変換してしまいアランが大海君でレオが伽寿也君になってしまう(/ω\)♡
最後の双子の絡みは大海アランと結城レオをモチーフに書きました。あの双子のアフターが堪らなく好きで実際観てるのに何回も見ています( ´艸`)
私がレオを書くのも珍しいんだけど、これも完璧に結城レオのせいっ///
冒頭のレオとアリサちゃんのシーンはレオを伽寿也君に変換して書いてたもんね・・・(^▽^;)
結城レオだったらこんな事言うかな~?こんな仕草をするかな~とか。とにかくたくさんレオの事を考えて書きました。
まさかここまでイケミュ影響が及ぶとはねwwwwwww いや、もはやRushか!?
もう五年も経つんだからそろそろ二人交わっても良いんじゃない?と思って最後に双子を絡めてみました。
100プリはちょこっとシナイベで双子の絡みは出てくるけどやはり王宮ではないよねσ(^_^;)
そろそろこれくらいの絡みはあっても良いような気がするんだよな~。
って事で最後は私の願望でお話を締めさせて頂きました!
それとTwitterのカウントダウン企画にも参加させて頂きました。こっちは珍しくイラスト参加w
せっかくなので載せておきます(*v.v)。 Twitterではフィルターかけちゃったんだけど実際はこんな感じです。
我ながら今回のアランは上手く描けたかな~とかwwwwww
これプリちゃんの構図に悩んで何度も描いては消しを繰り返してました・・・。
でも何とか描き終えられて良かった・・・。本当にどうなるかと思ったσ(^_^;)
お付き合い頂きありがとうございました~(*^▽^*)
これからも王宮がたくさんの方々に愛され続けますように・・・♡♡♡