[創作] 100プリ 3rd Anniversary ~おもてなし~ | てんじゅのひとりごと

てんじゅのひとりごと

主にイケメン王宮の呟き、自身の創作のブログになります。私自身、妄想好きなので創作は暴走するかもしれませんが、そのあたりは温かい目で見て頂けると光栄です。最近はイケミュをきっかけにRush×300の結城伽寿也君にもハマっていますwww

100プリ3周年おめでとうございます!!

実は私の100プリと王宮のプレイ歴はそれほど大差なかったりするw

王宮の方を先に始めたんだけど、ほどなくして現代版が配信。だたアメーバでの先行配信だった為にアプリで配信されるのを待ち続けた記憶があります。

その間にいろいろな噂を耳にして早く始めたいっ!!と何度思った事か。

アランが王宮アランと違う!!という噂が気になって仕方ありませんでした///
アプリで配信された途端飛び込んだよね、私wwwwwwww

アランっ♡みたいな(///∇//)

噂通り積極的なアランでございました(/ω\)

今でこそ2番目に好きなのはカインなのですが、当初は嫌いだった・・・。
言葉とか態度が乱暴で私好みじゃなかったんですよね(^▽^;)

それが変わったのはあの「光輝く5人組」の存在を知ってから(≧▽≦)
あのカインが意外に弄られ役だったとはね( ´艸`)
彼らの高校時代を知ってからカインを身近に感じるようになりました。

それ以降100プリの創作ではちょこちょこみんなでワイワイ系のお話を書くようになりました。

100プリの良いところは、みんなでワイワイ出来る雰囲気があるという部分かな。
人物は王宮とそんなに変わらないのに、あの和やかな雰囲気は誰が作りだしてるんだろう?と思うくらい王宮と違いますよね。

今回のお祝いにあたり皆さんでお祝いしましょ~と仲良し姫様のはるかさんが企画を立ち上げてくれました。

はーちゃん、企画立ち上げありがとう!!!
他の姫様方も参加されているのでぜひお立ち寄り下さい(*^▽^*)

総合案内所へ

さてさて、今回は甘さは全くありませんw
ギャグに走ったなwwwwwww

基本的にアランとカインの掛け合いが大好きなのでそっちに行っちゃったんだよね・・・。

楽しんで頂けたら光栄です♪

プリちゃんはエリナちゃん。アラン本編多少のネタバレありますのでご了承下さい。

設定的には100プリアラン本編恋する√だったかなw?期間限定のプリンセスを終えた後、ウィスタリアに留学する・・・って展開は(;^_^A←うる覚えwww

その頃のお話設定になっています。

ではどうぞ~(*^▽^*)


3rd Anniversary~おもてなし~


冬の間、一面銀世界に覆われていたウィスタリア。季節が移り変わり雪解けも進んであたりは彩りを増していた。鳥のさえずりが春の訪れを感じさせる。
ここで三度目の春を迎えるエリナは相変わらず日々学校からの課題に追われていた。

「はあ・・・。また季節が巡っちゃうんだな」

エリナは走らせていたペンを止めて机から立ち上がり、窓から外を眺める。少し前まで何処までも真っ白で寒々しかった景色も日々少しずつ柔らかな色で塗り変えられていた。

期間限定のプリンセスを終えた後、エリナは正式なプリンセスになる為にウィスタリアに留学生として滞在し国の事を学んでいる。今はプリンセスではなく一般人だがアランからの配慮でエリナは特別に城の滞在を許されている。

王位継承者としてアランも公務と本来の任務である護衛としての訓練にと日々忙しくしている。そのせいか二人の時間を持つ事もままならなくなり、ならばせめてすぐに会える場所に居てもらいたいというアランの小さな我儘でエリナはお城に居候するという形をとったのだった。

窓際に立ち伸びをしているとノックの音と同時にユーリがお茶を運んで来てくれた。

「エリナ様、そろそろ休憩したら?紅茶持って来たよ」
「ありがとう、ユーリ」

もうプリンセスでもない私にユーリは以前と変わらず接してくれている。それはユーリのみならず他のみんなも同じ事だった。

「私もうプリンセスじゃないんだから自分でやるのに・・・」
「今はプリンセスじゃなくても継承者のアラン様の恋人だし。これは俺自身が望んでしている事だから気にしないで。って言っても気にするのがエリナ様だけどね・・・」

ユーリが紅茶を淹れるとふわりと部屋中に香りが漂う。

「でもやっぱりユーリの淹れる紅茶は美味しいな」
「もうエリナ様の好みは熟知していますので・・・」

ユーリはかしこまりながらもおどけて笑った。

「エリナ様がここに来てからもう三年になるんだね・・・早いな」
「本当だね。まさか自分が期間限定のプリンセスに選ばれるなんて思わなかったし。もしあの時の事が無かったら今の自分も無かったんだよね・・・」

エリナはカップの縁を撫でながら目を細めて感慨深い様子で遠くの景色を眺めていた。そんなエリナの後ろ姿をユーリはじっと見つめていた。



その日の夜。
ユーリの声がけで談話室にエリナ以外の全員が集められた。

「ユーリが招集かけるって珍しいな」

談話室に入るなりそう呟きながらカインがドサッと椅子に腰掛けた。

「今日集まってもらったのはエリナ様の事で・・・」

その名前にアランの眉がピクッと反応する。

「エリナがどうかしたのか?」

怪訝そうな顔でアランが尋ねるとユーリは慌てて取り繕う。

「いや、何があった訳じゃなくて。ほら、エリナ様がここに来てからもうすぐ三年でしょ?だから何かお祝いしてあげたいな・・・って。今はアラン様の隣に並べるようにって一生懸命頑張ってるしさ」

その言葉にアランは照れを隠すようにポリポリと頬を掻いた。

「日頃の頑張りも労うって事だね・・・」

レオが顎に手を添えて考え込む。

「俺は良いと思うよ~。エリナ頑張ってるしさ~」
「俺もそれは良い案だと思う。エリナの頑張りには感心するし」

ノアとルイが賛同すると脱力したようにソファーに深々と座っていたカインが面倒そうな表情を浮かべて反論する。

「そんなのアランと二人ですればいいじゃねえか。わざわざ俺達まで巻き込まなくても・・・」
「それってもしかして単にカイン様が面倒だからじゃないですか?」

ジロっとユーリが疑いの眼差しを向けるとカインは慌てて言葉を並べる。

「んなわけねーだろ。俺は二人の方が・・・って事が言いたかっただけだ」
「先輩、思いっきり顔に出てますよ。『面倒臭い』って・・・」

対面に座っていたアランがソファーの肘かけに頬杖を付きながら口元に笑みを浮かべて上目遣いにカインに視線を送る。

「バレバレだよ~カイン・・・」
「うん、確かに・・・」

アランに同感のノアとルイもコクコクと頷いている。
するとそれまで黙っていたジルが咳払いをして口を開いた。

「元プリンセスでいずれは本物のプリンセスになって頂く方ですからね、カイン殿」

向けられたジルの視線にカインは怯んで口を閉ざした。

「パーティーを開くなら俺は久しぶりにエリナにドレスを作るかな」
「クロード様、それ名案です。そしたら一人一つ、何かエリナ様におもてなししませんか?」

ユーリの提案に皆が頷くと次々に自分の案を口にし始める。

「そしたら俺はエリナちゃんに役に立つ参考書でもプレゼントしようかな」

レオが呟くとすかさずノアが口を挟む。

「じゃあ、俺はピアノ弾く~」
「伴奏があるなら俺はダンスの相手でもしようかな」

そう言いながらルイは顔色を窺うようにアランに視線を送ると、アランはどうぞと言わんばかりに目で頷いた。

「俺は必然的に料理担当だし。ルイが相手してくれるなら文句はない」
「で、カインはどうするの~?」
「な、なんだよいきなり・・・」

急にノアに話を振られた事に驚いたカインはガバっと背もたれから上体を起こして腕を組んで考え込む。

「俺は・・・」

しかし考えても全く案が浮かんでこない。

「じゃあ~・・・歌う?」
「お前、俺が苦手なの知ってるだろ」
「うん、知ってる~。そしたら楽器で演奏とか?」
「子供の発表会かよっ!」
「え~・・・じゃあ、あと何が出来るの?カインは・・・」
「それが分かってたらこんなに考え込まねえよっ!!」

ノアとカインのテンポ良いやり取りに他の皆は言葉を失っていた。

「まあ・・・そしたらカイン様は当日までに考えといて下さいね」
「そういうお前は何するんだよ?」

ギロっと少し不機嫌なカインは睨むようにユーリを見つめる。

「え?俺ですか。俺は当然エリナ様のエスコートですよ。発起人ですから」

ユーリの即答に面白くなかったのかカインはムッとすると今度はジルに噛みついた。

「じゃあ、ジルはどうするんだよ?」
「私は日程の調整と会場の取り仕切りです」

当然の事のように答える二人が面白くなかったのかカインは頭を掻き乱す。そして今度はロベールに視線だけを送るとその意図を汲み取ったのかあえてロベールは余裕を感じさせる様な笑みを浮かべて答える。

「私はいつもの事ですが特別な紅茶を用意するつもりですよ」

それを聞いた途端、カインは肩を落として項垂れた。

「あーくそっ!!どいつもこいつも・・・」
「じゃあカイン様、当日までに宜しくお願いしますね」
「ああ、分かったよ・・・」

ユーリの念押しにカインはぶっきらぼうに答えた。


―パーティー当日―

「クロード、ドレスありがとう。とても素敵。色合いも綺麗だね」

エリナは部屋でドレスに着替え終わると姿見の前でくるりと回って久しぶりに着たドレスを見回している。春をイメージというドレスは胸元から裾にかけて白からピンク色へと薄いグラデーションになっていてレースが何重にも施され全体的にふんわりとボリュームのある仕上がりになっている。

「エリナのドレス姿は久しぶりに見るな」

ドレスを整えながら鏡越しにエリナを見てクロードが呟く。

「そうだね。プリンセスを辞めてからはドレスを着る機会すらないもん」
「それよりエリナ、少し痩せたな。ウエストが緩くないか?」
「そ、そんな事ないよっ!ちゃんと食べてるし・・・」
「もっと食べないとな。アランの為にも・・・」
「・・・っ」

顔を赤らめてエリナが俯くと側にいたユーリが冷めた声で一言呟いた。

「クロード様、それセクハラですよ」
「そうか?そんなつもりは全くなかったんだが・・・」
「エリナ様、顔真っ赤じゃないですか・・・」
「エリナ、気分を害したらすまない。俺はちゃんと食べてるか心配だっただけだ」
「分かってるよ、クロード」

エリナは鏡に映るクロードに微笑んだ。

支度を終えクロードに見送られながらユーリと部屋を後にしたエリナは会場へと向かう。

「何だか私だけの為にみんなの時間を割いてしまったみたいで・・・」
「そんな事ないよ。今日はみんなにとっての記念日みたいなものだよ。エリナ様がここに来てくれてプリンセスが誕生した日でもあるんだから・・・」

会場に向かう廊下でそんな会話をユーリと交わしながら歩いて行く。

扉の前に着くとユーリはエリナに振り返り微笑んだ。

「さあエリナ様、今日は久しぶりのプリンセス気分を味わってね。扉の向こうでみんなが待ってるよ・・・」
「うん。この緊張感も久しぶり・・・」

エリナは胸に手を当て一呼吸するとユーリが広間の扉を開いた。

「わっ!!」

開かれた先には優雅な世界が広がっていた。ノアが奏でる優しいピアノの旋律、そのピアノの側でルイが微笑みながら佇み、奥のテーブルはアランが料理で華やかにしてくれている。そんな光景に見とれていると、ジルとレオが迎えてくれた。

「エリナ様、どうぞ楽しんでいって下さいね」
「ありがとう、ジル」
「エリナちゃん、今日のお祝いに俺からのプレゼント。役に立つと良いんだけど・・・」

レオから渡された厚い本はウィスタリアに隣接する諸外国の歴史書だった。

「これからはもっと広い目で知識を身につけてもらわないとね。未来のプリンセス・・・」
「さすがレオは厳しいな。でもありがとう、今の勉強でも使えそうだよ」

満面の笑みをレオに向けると、靴音を響かせて背後から近付いて来たルイに声をかけられる。

「そんな所で立ち話もどうかと思うけど?エリナ、俺と踊って頂けませんか?」

ルイはすっとエリナの手を取り、手の甲に唇を寄せた。

「わお!恋人の前でも堂々とやってくれるね、ルイ・・・」
「アランから許可は貰ってるから・・・」

レオに冷やかしを入れられてもそれに全く動じないルイ。

「踊る許可は貰っていてもさすがに今のはねえ・・・」

そう言いながらレオがちらっと視線を向けるとアランはこちらには気にも留めずテーブルの配膳している。

「エリナ踊ろう・・・」
「うん」
「エリナ様その参考書は後で部屋に届けておくよ」
「ありがとう、ユーリ」

ユーリにレオからの参考書を預けるとエリナも迷う事なくルイの手を取り、ルイにエスコートでされながらピアノの近くまで歩いて行った。

「アランも成長したって事か・・・」
「お二人の絆は私達が思っている以上に深いのかもしれませんね」
「俺だったら絶対耐えられないけどな・・・」

遠目にルイとエリナのダンスを眺めながら三人は思い思いの事を口にしていた。

気心知れた人達だけで過ごす時間は楽しかった。
ノアのピアノの腕は相変わらずで曲に合わせて踊るのも楽しかったし、オリジナルでいろいろな曲もたくさん聴かせてくれた。ルイとのダンスは少し緊張しつつもやはり完璧なリードで久しぶりにも関わらず踊りやすく、何より自分の体が動きを覚えていた事に驚いた。

「少しレッスンをすればまたすぐに勘は戻るよ」
「そうかもね。その時はまた宜しくね、ルイ・・・」
「エリナ、久しぶりのダンスなのに踊れてたね~。ドレスもヒラヒラしてて綺麗だった~」
「ありがとう、ノア。ノアのピアノの音も変わらず綺麗だったよ」
「ありがと~」

アランはテーブルに料理を並べながらチラっと視線を上げるとルイとノアに挟まれて笑い合うエリナの姿が映り込んだ。
楽しそうにしているエリナを見ているだけで自然と自分も嬉しくなる。そして辺りを見回せばこの場にいる全員の顔に笑顔が零れている。そこに存在しているだけで場の空気を変えてしまうエリナに恋人としても誇りを感じてしまう。

(どんなに頑張ってもあいつには敵わねえかも・・・)

ふっと自嘲な笑みを浮かべていると後ろからカインに頭を小突かれた。

「痛って・・・」
「恋人遠目に眺めながらニヤけてんじゃねえよ」

アランの肩に腕を回し低い声で耳打ちするようにカインは呟いた。

「先輩、気持ち悪いんで離れてもらえません?」

そう言いながらアランは鬱陶しそうにカインの腕を払い除けた。

「そんな事より先輩はプリンセスへのおもてなし考えたんですか?」
「あ・・・あれか。まあ、見てろ・・・」

カインは怪しげな笑みを浮かべると談笑しているエリナに声をかけた。

「おい、エリナ。料理出来たらしいぞ・・・」
「うん、分かった。ありがとう、カイン・・・」

満面の笑みを浮かべながらエリナはドレスの裾を揺らしてこちらに寄ってくると他のみんなもつられるようにテーブルに集まり始めた。

「さすがアラン様ですね。どれも美味しそう・・・」

ユーリはどの料理から手をつけようかと皆に取り皿を皆に配りながら目星を付けている。

「俺はやっぱりイチゴサンドだね」

レオが嬉しそうに呟くとノアが懐かしそうな表情を浮かべる。

「イチゴサンドって言えばさ~。アランが弁当にイチゴサンド持ってくるとみんな密かに狙ってたんだよね~」
「そんなの初めて聞いた。言ってくれれば作ってやったのに・・・」
「そうなの~?なら言えば良かった~・・・」
「でも、俺は何度もアランにリクエストしたんだけどな」
「あんたの為には作らねえよ・・・」

アランの返しにレオは苦笑いを浮かべた。

「ねえ、そろそろ食べない?お腹空いた・・・」

ルイがねだる子供のように呟くとタイミング良くジルがグラスに注がれたシャンパンを運んで来た。

「ではこれで乾杯致しましょう。エリナ様、一言お願いします」

エリナは間を置いてみんなに感謝の気持ちを述べる。

「今日は私の為にありがとう。プリンセスを降りた後でもこうして温かく見守ってくれている事に嬉しい気持ちでいっぱいです。この感謝をいずれみんなに返せるように頑張ります」

皆でグラスを持ち上げてシャンパンを口に含む。
グラスを置き、皆が料理に手を伸ばそうとした時だった。

「待てっ!」

急に強い口調でカインが全員に静止をかけると一斉に視線がカインに集中する。

「どうしたんですか?カイン様・・・」
「今日の主役はエリナだ。その主役を差し置いてお前達が先に料理に手を付けるのはおかしくねえか?」

腕を組みながら偉そうな態度で説教染みた事を言い出したカインに一瞬みんなが唖然とする。

「何今更そんな事言ってるんですか、カイン様・・・」

呆れながらユーリは鼻で笑う。

「そうだよ、カイン。今までだってそうしてきたし、私は気にならないよ?」
「お前は良くても俺が嫌なんだよ・・・」

そう言い張るカインからどこか必死さが伝わってくる。
カインのこの必死さは何なのだろうか・・・。それはその場にいた全員が感じていた事だったがその原因にピンと来たのかユーリがニヤリと笑みを浮かべた。

「カイン様がそう仰るなら、エリナ様から手を付けてもらいましょうか・・・」
「あ・・・うん。じゃあ、お先に頂こうかな」

そう言ってエリナが料理に手を伸ばした時だった。

「待て、エリナ。まず俺が味見してやる」
「え?」
「はあ?」

エリナとアランの驚いたような声が重なりきょとんとした眼差しでカインを見つめる。
レオとジル、ロベールは含み笑いをし、ノアとルイは目をパチパチさせている。

「味見って。だって作ったのはアランだよ~。全部美味しいに決まってるよ~」
「いや、万が一って場合もあるだろ?お腹壊したりしたら・・・とか。まあ・・・毒味だ、毒味っ」

ぶっきらぼうに言うカインのその言葉にムッとしたのかアランが睨むような目つきで低い声で呟いた。

「先輩、それ俺に喧嘩売ってません?そんなもの使うわけねえし。だいたいそんな事、料理する上で一番重要だし」
「もーカイン様は素直じゃないな・・・。俺がはっきり言いますよ!これ以上こじれるのも嫌なんで」
「くそっ・・・」

ユーリは盛大な溜め息をついて呆れ顔で話し始めた。

「要するにこれがカイン様のエリナ様の対する『おもてなし』って事ですよ。そうですよね?カイン様・・・」

嫌味を滲ませながらカインに冷たい視線を送るユーリ。

「だって仕方ねえだろっ?何も思い浮かばねえし。あーっ、くそ恥ずかしいっ!」

恥ずかしさを誤魔化すようにカインは髪を乱暴に掻き乱した。

「カイン・・・こんな事なら歌を歌った方が良かったんじゃないの~?」
「誰が歌うかよっ!!まだ味見の方がマシだ」
「俺だったら歌う方を選ぶな・・・」

ルイがぼそっと呟くとみんなが頷く。

「まあ・・・その『おもてなし』も悪くはないと思うけど・・・言葉が悪いね」
「確かにそうですね・・・カイン殿」

レオとジルが見つめる視線の先には不機嫌極まりないといった顔をしたアランが腕を組んで立っていた。

「ったく、別に構いませんけど。そうそう、ロベールの用意した紅茶に合わせてデザートでアップルパイも用意してあるんだけど、残念な事にリンゴが足りなくて人数分無いんですよね・・・」

上目遣いで口元に怪しい笑みを浮かべながらカインに視線を送るアラン。

「それがどうかしたのか?それとこれに何の関係があるっていうんだよ・・・」
「大ありですよ。そんなに俺の作ったものにケチつけるなら先輩の分のアップルパイは没収しますね」
「おい、ふざけんな!俺が好物なの知ってんだろっ!!」
「だからですよ、先輩。せっかくみんなの好物も料理に組み込んだのに毒味だとか。こっちは胸クソ悪いですよ」

そしてアランはお皿にあった薔薇の花型のアップルパイを一つ摘まんで口に放り込んだ。

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「おいっ、お前っ!!」
「上出来。あとは先輩以外のみんなで食べて・・・」

ペロっと指先を舐めながらしてやったとばかりにアランはニヤリと笑った。

「アランっ!!食べ物の恨みは怖いんだからなっ」
「そーゆとこ、昔からカインは変わらないよね~。で、味見はオッケーなの?」
「そんなの知るかっ!食いたきゃ勝手に食えば良いだろっ!!」
「じゃあもう食べよう。待ちくたびれた~」

皆が料理に舌鼓を打っているそばでカイン怒りを露わにしてアランに詰め寄っていた。

「ねえ・・・あの二人止めに入らなくて大丈夫かな?」

食べながらも心配そうに壁際に立っている二人を見つめるエリナにレオがクスッと笑った。

「昔からあーなんだよ、カインは。俺達からしたらまたやってる・・・ってとこかな。それにアランは言いくるめるのが上手いからそのうち収まるよ」
「カインもカインだけど、アランもアランだね・・・」

エリナは苦笑いを浮かべながら二人を見つめていた。

楽しい時間の中に少しだけ昔の五人組の姿を垣間見たような気がした。


これからもこんなみんなとずっと一緒に居たい、ここを守っていきたい・・・。

自分を好いて求めてくれている人達がここにいる。支えてくれる。
そんな場所と、そんな人達を・・・。そしてその人達が大切にしているウィスタリアを守れるようになりたい。

みんなに囲まれながらエリナは決意を新たにしたのだった。

~END~

カイプリ様ごめんね。カイン弄りすぎたwww

やはり5人が集うなら・・・と思ってコメディチックにしてみました。
楽しんで頂けたら嬉しいです♪

王宮だとこんなお話は絶対書けないし、そもそも想像つかないし成立もしないですよね。
みんなでワイワイのお話が書けるのは100プリならではだと思います( ´艸`)

アラン×カイン、カイン×ノア。この組み合わせは本当に好きです。

また何か思いついたら書きたいな~(≧▽≦)


薔薇のアップルパイ、ちょっと失敗したんだよねwwwリンゴの皮の色が抜けた・・・。
なので綺麗な赤い薔薇とはならず。形もいびつでもう少しちゃんと巻けば良かったな(_ _。)


企画に参加されている他の姫様方のお祝いも楽しみヾ(@^▽^@)ノ
後ほどじっくりゆっくり回らせて頂きますね。


で、今回はリアイベないのかっヘ(・o・Ξ・o・)ヘ

ちょっと期待しちゃってた・・・(-"-;A

でも去年は外れて行けなかったし。年々リアイベ参加が難しくなってるよね。
人気があるのは嬉しいんだけど、複雑でもある・・・。

お読み頂きありがとうございました!!