『2021/05/06(木) 審議もしてないうちから......』にてしれっと可決に持ち込まれた国民投票法。
予定通り今日5月11日に衆院通過してしまいました。
現与党が2012年5月から出している改憲草案の内容を知らないためか、その草案が鎮座してる状態でこの国民投票法改正案を通してしまうことのリスクに気づいてない人がかなり多そうなのが頭の痛いところです。
このページ単体でいえば、日本語だと「資料」としてPDFへのリンクが貼られているだけなのですが、英語版で2012年5月7日にNews(ニュース)として告知されていたページを見ると、「ここを改正しますよー」という部分について短い要約が英語で書かれています。
例えば第1章については「天皇は日本の国家元首であり(the Emperor as the head of the State)」なる文言があり、第2章については「It also prescribes that Japan has the right of self-defense and shall have the Defense Forces. It also newly prescribes the maintenance of its territorial integrity.(また、日本が自衛権を持ち、国防軍を持つことを規定しています。また、新たに領土の保全を規定している)」とも書かれています。
さらに、「Chapter IX Emergency (new chapter)
This chapter prescribes that in the case of national emergency, including armed attacks by foreign countries and large-scale natural disasters, the prime minister shall declare a state of emergency and take appropriate measures in response.(第9章 緊急事態(新章) 本章は、外国からの武力攻撃や大規模な自然災害などの国家的緊急事態が発生した場合、内閣総理大臣が緊急事態を宣言し、これに応じて適切な措置を講じることを規定する。)」などは、「日本が今でも国連の敵国条項適用国」の状態におかれたままだと知っている目線で見ると、「攻撃されることの想定」ではなく「自らが能動的に攻撃したい」と考えているように思えて怖くなります。
何せ先の太平洋戦争開戦も、当時の天皇が「戦ではなくなんとか外交で事を納めろ」と言っていたらしいにも関わらず、「開戦だー開戦だー」と推し進められてしまっていた...という御前会議の記録が残っているとか(↓参照)。
「(開戦したいから)改憲したい〜」と与党が唱えているうちに、なんだかなし崩しに「そっかぁ改憲したほうがいいのか〜」と改憲草案の内容を知りもしないままに何となく国民が思ってしまって、うっかり賛成に票を投じたり「別に関係ないし」と投票に行かなかったら「改憲して開戦したい人たちが有権者の一部を買収して票を買っちゃってました〜」なんてことになってたりするかもしれないので、本当にそうだったらさあ大変。
.......という事態になってもおかしくありません。
「別に後で覆せばいいじゃん」と思うかもしれませんが、法律は一度決まってしまうと覆すのはそう容易ではないので、事前に防ぐ努力をしないと「後で大変」ということになります。
上記の自民党改憲草案は2012年5月にWeb上で公開されてたにも関わらず、丸9年が経過しても内容を知っているのはごく少数。
公開はされているので、
「ちゃんと公開してたのに見なかったのはあなたたち国民でしょ」
と言われかねません。
その内容についての説明はほとんどなく、「他国に押し付けられた憲法」という刷り込みばかり繰り返され(実際は大正デモクラシーの時代に立志した人たちが戦後に議員になって現行日本国憲法の制定に尽力している)、「まあいいんじゃないの?」というムードに持っていかれる気がして仕方ありません。
この調子だと、今般の国民投票法改正案、参院通過も「しれっとあっさり」なんだろうなあ、とただただ頭が痛いです。
無関心でいるって怖いな、と...無関心は知らず知らずのうちに自分を危機的状況に運んで行ってしまうこともある........
と思わずにはいられません。
我々人類は、油断すると過ちを何回でも繰り返しかねない種でありますゆえ.......