マドリッド手稿Ⅱ80r 元素の重さ | レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの活躍を紹介していきます。

古代ギリシアの哲学者達の文献を読んだレオナルド・ダ・ヴィンチは、実際にその説が正しいのかを実験する方法を書きとめている。例えばこの元素の重さについて。


古代ギリシア以降、西欧ではデモクリトスが唱えた原子論よりも、ピタゴラスやアリストテレスが体系付けた四大元素論が主流で、万物は土・水・空気・火で出来ており、土・水・空気・火の順に軽くなっていくとされていた。



レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-マドリッド手稿Ⅱ.f80r_元素の重さ
マドリッド手稿Ⅱ80r 元素の重さ


元素の部分は、同じ元素内では重さを持たないが、他[の元素]と接する場所において重さを持つか、または他の元素に重みをかける。だからそれは、より軽いものからは落ち、より重いものからは追い出される。


証明

天秤の両腕の先端に、等しい重さと等しい容積をもつ二つの器をおいてみる。一方の器には水を満たし、大気中におかれている。他方の器もまた水を満たしているが、しかしそれは水中におく。大気中の器は下に下り、そのときの速度は、前述の水が器に抗するのではなくて、からの器に対して、大気は行なわないが、水は示す抵抗と丁度同じだけ少なく抵抗するからである。大気から逃れてくる水は、逆円錐の形をなして落下する。また火は、正常な位置の円錐の形をなして大気から脱出する。水は器の中に土を入れると、それに追われて上から溢れ出る。また、空気も器に水を注入すると、その器から追い出される。空気をそのままか、あるいは適当な容器に入れて水の中に浸すと、水は上から、または横からそれ[空気]を囲み、直ちに重力を持ち、この重力によって(ここで文章は中断している。)


四大元素論はロバート・ボイルが原子説を唱える17世紀まで続いた。

現在の私たちは原子番号1の水素から、まだ発見されていない番号118のウンウンオクチウムまでの原子があることを知っている。「これ以上単純な物質に分けられないもの」を意味する原子にも、さらに微小な陽子や電子、さらに微小なクォークがあることも知られている。



レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-周期表



この原子の周期表、学校で習ってもなかなか憶えられるものではない。

iPad用アプリ「元素図鑑 The Elements」の元素の歌 をおすすめする。


追記:新元素2個命名!


元素に命名権を与える国際純正応用化学連合(IUPAC)が、天然に存在しない新元素を認めたそうだ。どちらも人工的に核融合で作られたものだ。


原子番号114はフレロビウム(ロシアの研究所の創設者に由来)、

原子番号116はリバモリウム(アメリカの研究所名に由来)という名前になるそうだ。


日本では理化学研究所が2004年に原子番号113の新元素を発見、日本にちなんだ命名が期待されている。