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映画ライターもどきの本音ブログ

映画ライターをしている20代後半の男です。好き勝手感想を書くために始めました。

 

【公開】
2019年(日本映画)

【監督・脚本】
新海誠

【キャスト】
(声の出演)醍醐虎汰朗、森七菜、吉柳咲良、平泉成、倍賞千恵子、小栗旬

 

【あらすじ】

「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、
怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。
そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。
彼女には、不思議な能力があった。

公式サイト

 

 

 

 

59点

 

「君の名は」は割と楽しんだけど納得できなかったところも多かった新海誠作品。

なので今回は馬脚を露したなという印象。賛否分かれる作品が作りたかったって言うのは分かるしその姿勢はいいと思うけど、でも何なんだコレは。

ちなみに物語として矛盾が多くて納得できない部分と、さらに倫理的に納得できない部分があるのでここまで荒れているのではないかと思う。

奇しくも現実の東京がかなり雨続きになるというのはさすが新海さんもってますね(笑)。

前半は結構楽しんだ。明らかに新海さんの性癖がわかる描写があって気持ち悪さもあったけど(少年時代に年上のお姉さんとイイ感じになりたかった願望が強そう。まあ割とそういう人多いけど)、あのRADの曲に乗せて目まぐるしく日常が流れていく様はなんだかんだあがる。

学校に行かずに、親元を家出して適度に放任主義のおっさんの下で下宿しながら、綺麗なおねーさんとネットニュースの聞き込みとかライティングに追われるって、かなり願望丸出しだけど、結構憧れる人いるんじゃないか。しかも住んでる場所も都心のうらぶれた場所って最高じゃん。

ていうか俺が12年若返ったらあの生活めっちゃしたい(笑)。

新宿のリアルさも相変わらず凄かった。マンボーに泊まる心理とかもわかるわ~。

そしてあのマックは俺もたまに利用します(笑)。

相変わらず音楽の使い方と絵の異常な作りこみはスゴイ。まあこれだけでも見に行く価値はある。

ただ、陽菜さんに会ってから能力で金稼ぎをしていく描写のあたりからだんだん違和感が。

まあリアルっちゃリアルだけど、子供もいっぱい見に来るだろうにあんな札束をビラビラ何回もドアップにして「感謝はお金で!」みたいな描写はどうよ(笑)。

それに何で帆高と陽菜と凪が親元にいないのか、物語中で徐々に語られていくのかと思ったら、そこは無視すんのかよ(笑)。いったい何が不満だったのか。それは重要じゃないってことなのか。

実は15歳だった陽菜が賃貸借りられてる理由も良くわからないし、あんなボロアパートでも山手線沿線なら割と高いんじゃないの?



君の名はの時は瀧の家族の事とかもう少しは薄っすらわかるようになっていたと思うんだけどな。

敢えて描かないようにしたんだろうか。特別なバックボーンを背負わせたくなかったとか。

そして大人たちから帆高が追われるようにするためだけに出してきた銃の扱いも微妙。
まずあの序盤でヤクザに向かって撃った段階でもうアウトだったと思うけどね。

特別な力をどう使うかってことのメタファーで陽菜の力との対比になっていたのかな?

そして君の名はの巫女の話と比べても陽菜の家系の人柱の話はとってつけた感が凄い。

その陽菜の自己犠牲に対しての帆高の「晴れなんてなくてもいい」って結論自体はいいと思う、そういう考え方があっても。

自己犠牲で世界を救うことを否定するのは他のフィクションでも割とあるしね。

ただそれを決意して線路を走っていくシーンはなぜ線路上の作業員とかが止めに入らないのか全く分からない。

色んなキャラが話の進行のために不自然な行動をとっていたがこのシーンが一番きつかった。

その後の積乱雲に飛び込んでいくところだってもっとサービスシーンとしてたくさん見せてほしかったんだけどな。
空の魚とかもっと見たかった。

そして新海さんが好きな3年経ったという設定の後の水浸しになった東京という状況にもびっくり。まあたしかにセンスオブワンダーのある絵だったけど、それにしてはみんな普通に暮らしすぎだよね。絶対首都機能は大阪に移ってるだろうな。

そして最後の「僕たち“は“大丈夫だ」ってセリフもどうよ。

セカイ系の悪いところ出てるな~。

他の人たちは大丈夫じゃないよ(笑)。

君の名はで色々世間向けにチューニングしてたけどそれじゃ不満だったんだろうな。

でも世界の在り方を変えてでも相手に会いたい。世界よりも相手が大事。っていう正しくないメッセージを出すのは実を言うと嫌いじゃない。ここまではっきり提示されると清々しい。
認めたい自分と認めたくない自分がいる(笑)。


君の名はで隕石止めたし、俺ら役に立ったでしょっていってセカイ系の痛さをチューニングしてたのが今思うと言い訳がましく思える。

まあこの映画は大ヒットするけど次回作は動員減るだろうな。まあでも元々そういう作家だよね。


個人的にはメッセージ性よりもストーリーテリングが気になってしまった。