こんにちは、デイヴです
ご訪問ありがとうございます<(_ _)>
2020年3月半ばに脳出血を発症。
左片麻痺の後遺症があるも、リハビリに勤しみながら
五体満足の身体に戻すべく奮闘中💪
日々の暮らしの中で起きた小さな出来事や
半年間の入院中のエピソード、
自分の歩んできた半生、
好きな鉄道ネタを気ままに綴っています
よろしくお願いします
画像はネットからお借りしていますm(__)m
2025年3月15日のJRグループダイヤ改正。
トリはJR貨物の巻。
国鉄時代の末期は、トラック輸送に押され
かなり苦戦していた物流分野は、
分割民営化によって貨物部門はJR貨物という会社になり、
全国一元で鉄道貨物を運行する会社に変わりました。
民営化後は、コンテナ輸送に注力、折しもバブルの好景気で
業績が大幅に改善された経緯があります。
バブルがはじけたあとは低迷期が長く続いたものの、
青函トンネルの開通で北海道と本州が地続きになり、
玉ねぎやジャガイモ等、北海道産の農作物を
大量に安定的に輸送できるようになり、
首都圏や京阪神などの大消費地とのパイプは強固になりました。
今改正においても、東京−仙台間にコンテナ列車を増発したり、
所要時間を短縮する微調整を行ったり、
機関車を追加新造するなど、
物流の信頼度を高めていく工夫が見られます。
また国際標準規格の20フィートコンテナを
そのまま運べる貨車を増備して、
荷役の省力化を進める施策が深耕されます。
地球温暖化防止やトラックドライバー不足によって
トラック輸送から鉄道輸送に振り替えるケースも出てきており、
JR貨物にとって一見「追い風」のようにも見えますが、
当社にとっては悩ましい課題が横たわります。
JR貨物は自前の線路を持っておらず、
貨物列車は各旅客鉄道会社に使用料を払って
JR各社の線路を走らせています。
JR貨物の経営体質が脆弱という事情から、線路使用料は
低く抑えられているのですが、
貨物列車は旅客列車に比べて重量がかさみ、その分、
線路設備を劣化させる度合いが高いことから、
線路のメンテナンスコストと使用料の安さが見合っていません。
JR各社から使用料の値上げが求められているものの、
物流費に反映しづらい(荷主に値上げしづらい)向きもあって、
JR貨物は値上げに納得していません。
また北海道新幹線が札幌まで開業すると、並行在来線はJRから切り離されて
地元の自治体が運営することになっていますが、
JR貨物が利用する函館本線は、
地元が面倒を見ることに各自治体に否定的な空気があり、
国の方針として「物流の重要輸送ルートは無くさない」としているものの、
経営がどこに移るのか、ハッキリと決まっていないジレンマがあります。
さらに利用者が少ない函館本線の通称「山線」(ニセコや倶知安を経由)は
廃線になる予定ですが、近い将来、有珠山噴火の予測があって、
噴火した際の代替ルートとして「山線」がアテにできない問題があります。
自然災害発生時の代替輸送路が無い問題も深刻で、
数年前の西日本豪雨で山陽本線が不通になったときに、
日本海側の山陰本線や山陽−山陰間のJR線で、
貨物列車の運行を取りやめてずいぶん期間が経っている区間があり、
すぐに代替輸送ルートにはならず、
やむなくトラックに積み替えて運んだ、という
本末転倒な話があります。
昨今、地震や豪雨などで鉄路に被害が生じる事態が相次いでいるので、
これも由々しき課題です。
それからたびたび脱線事故に見舞われていることです。
今年(2024年)夏、下関で、貨物列車を牽いていた
機関車の車軸が走行中に突然折れて、脱線しました。
また最近でも鹿児島県内で機関車ごと貨物列車の脱線事故が起きています。
重い機関車を線路に戻すには長時間を要しますし
それぞれの事故原因は今も判明しておらず、
少し気持ち悪い話です。
事故が起きると、貨物が目的地に予定通り到着できないので、
荷主に迷惑がかかり、信頼を失ってしまいます。
輸送業において、時間通りに運ぶことはむろん大切ですが、
何にも増して「安全に運ぶ」ことが最も重要。
さまざまな大きな課題があるものの、
日本の物流を担う「花形企業」として、
引き続き変革を極めてほしいものです。