俺はアルバムアーティストだ!! 「僕らの夏の夢」(2011.10.29記) | リーンのガラパゴスサロン~趣味や娯楽の広場

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 達郎 えー、前半の曲はほとんどですね、生ドラムと生ベースがほとんどでありましてドラムはずっと生が続くというですね、久しぶりのそういう作品にできました。小笠原拓海君という若いドラマーがもう3年ぐらいずっと一緒にやっていますが、いよいよレコーディングの世界でもデビューであります。彼が一番最初にこのレコーディングに参加してくれたのが次の「僕らの夏の夢」、2009年のシングルでありますけれども。先週もおかけしましたが映画『サマーウォーズ』の主題歌でありました。えー、この『サマーウォーズ』というのは素晴らしいアニメで、僕のところにオファーをいただいてありがたかったんですけれども、おかげ様でいい曲が書けたと思います。この曲は自分では気に入っている1曲で、あのう、山の中の夏の歌なので、なんといいましょうか蝉時雨が山の中では、特に信州とか行きますと蝉時雨が響いているんですけれども、それでも一瞬、そういう音が聞こえなくなる瞬間といいましょうか静謐さが山の夏に、日本の山の夏にはあるような気がいたします。そうした静謐さをなんか曲にしたくて作った曲であります。えー、このシングルは出たときに散々そういう説明はいたしましたけれども、このアルバムのなかでお聴きをいただきますと、また違う感じがして(聴いて)いただくんではないかとおもいます。「僕らの夏の夢」



  僕らの夏の夢



 「僕らの夏の夢」。こうしたシングルの既発曲といいますのはですね、アルバムで並ぶとまた違う感じになる、僕らはアルバムを主体に物事をつくってかんがえてきた人間なので、最近はシングル=レコード(というレコード業界の流行)の戻りつつありますので、既発曲が多いと文句をいわれるんですが、僕らはやっぱり既発曲がアルバムに入るとまた違うニュアンスになるという、それがすごく楽しみ、並べ方があります。だからバラバラに聴かれるとすごく困る。CDになるとそういう流れが作りにくくなる、ということもあります。でも、まあ、パッケージが続く限りはそういう、アルバムという僕たちの中のひとつの価値観というものを(かたち)作っていきたいな、といってアルバムを作っております。今回は特にシンガーソングライター的なアプローチがすごく多くて作家性が低いアルバムなので、特に今回は流れというものをすごく重視して製作しているつもりであります。



 リーン 山下達郎という方は東京・池袋生まれ、まったくの都会人ですが、意外にも自然現象を取り入れた曲が非常に多い。


 雨は夜更けすぎに

 雪へと変わるだろう


「クリスマス・イブ」の歌い出しにもあるように、絵が見えてくるような曲が持ち味です。ZARDの「負けないで」のように


 負けないで

 もう少し

 最後まで

 走り抜けて


 こんな血潮を感じる詩は出てこない。達郎さんがこんな曲を書いていたら早々に音楽シーンから消えていたかもしれない。今回のアルバム発売に関し、いろいろな媒体でインタビューに答えているが、日経新聞のサイトで父方の先祖が信州・高遠(たかとお)の出自であるとかたっていた。高遠は桜の名所として有名ですが、達郎さんに流れる血がそうした自然現象に興味を向かわせるのかもしれない。


 太陽の行方を

 向日葵が追いかける

 風の音さえ

 聞こえないほど

 僕らは見つめあう


 絵を見ているような詩が、激しいビートに滑らかなメロディーに乗ってうたわれる。冬の足音が聞かれる昨今ですが、一瞬の夏を思い出させてくれます。


 また、アルバムアーティストとしての矜持は御本人が存分に語っています。どうかじっくりお読みくださいませ。