元映画ファンがテレビドラマを見ると、こんなにめんどくさい(2010.12.30記) | リーンのガラパゴスサロン~趣味や娯楽の広場

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 テレビドラマは放映が終了すると泡が弾けるように忘れ去られるもので、映画よりも賞味期限がとても短い。人生の一時期、映画ファンだった私はドラマを娯楽として考えていませんでした。それが今や、ドラマのブログを立ち上げるなんて、人生はわからないものです。


 ところで、映画ではディレクターのことを監督と称するのですが、テレビドラマでは演出とクレジットされる。この違いはいつから、またどうしてついたのでしょうか?映画ファンは必ずといっていいほど好きな監督をかたるのに、ドラマ好きはキャスト(俳優)とコンセプトでにぎやかす。おなじ映像作品なのにこの違いはなぜ?。ドラマの場合、演出家は放送局やプロダクションに所属しているので会社の影響が大きいのでしょうか?


 かつて私は、十数年前に一日4本映画を掛け持ちしてみる映画フリークでした。有楽町界隈の映画館をまわり、上映時間を縫うように見ていました。(ちなみに思い入れのある映画館は、有楽町マリオンの東宝側と、シネスイッチ銀座)しかし、仕事が忙しくなり映画を見る時間が削られ、また通うのが億劫になるにつれて、数年前からテレビドラマを視聴するようになりました。


 そんな元映画ファンからすると、ドラマの演出はオタクの匂いが少ない。映画監督はS.スピルバーグもそうであったように、カメラを幼い頃からいじってきた人が長じて監督になるケースが多い。ところがドラマの場合、たとえば『龍馬伝』の大友啓史氏は幼い頃はドラマをほとんど見なかった(朝日新聞の土曜版でかたっている)。映像をおもちゃにしてきた子は、長じて映画界に就職したケースがおおいのでしょう。ドラマを作る人はサラリーマン的なのかも。ただし、ドラマの製作スケジュールはタイトなので演出家が複数いるケースがほとんとで、それもドラマがオタク化から遠ざかる理由でもある。

 

 自分の人生の都合でドラマフリークになった今でも、映画に耽溺した時代をひきずっています。それは演出家と脚本家の名前をおぼえてから作品を見るか見ないかを決めること。この見方をテレビでおこなうと、おなじ演出家のドラマでも当たりはずれが多くなって何度も失敗しています。ドラマをみるときは別の見方が必要ですかね。



 映画を見るときは、カットの編集、台詞の熟成度、俳優のしぐさ、などを見ます。やはり批評をしながら見るのが楽しくもあるのですが、その反面、枝葉末節をみるあまり楽しんでみることからは遠ざかる。そこは世界が映画からドラマに移っても変わらない。そして、筆者の趣味の性向は、エンターテイメント性のつよいものより、やや問題作といわれるものが好みです。いわゆるへそ曲がり。娯楽性作品はそのとき夢中にみても、後からふりかえると「まあまあかな」と、冷めた気分で思い出す。『華麗なる一族』はDVDをもっているのに今やお蔵入り。下記でコメントする、おなじクールでも他局の作品のほうが今でも見ます。そこで、過去に見たドラマで“1位タイ”のドラマを2本上げておきます。


 

 『ハゲタカ


 このドラマで録画率という分析方法があることをはじめて知りました。仕事をしていてリアルタイムに視聴できないサラリーマンが録画してみたドラマですね。

 このドラマを見ていた時期は私は一日12時間労働が当たり前のころで、その疲労感や徒労感を鷲津政彦(大森南朋)や柴野健夫(柴田恭兵)に重ねてみていました。金融社会の果てしない欲望に飲み込まれながら歯を食いしばって生きる、社会情勢が変わっても人の生き様を見る上では格好のドラマです。

 青みがかった映像処理、せわしないけれど迫力ある音楽、キャスト変更やご病気で撮影延期の事態にも負けずにがんばったスタッフと俳優陣、などが組み合わさったアンサンブルです。そして、映画版で中国資本が進出してくるさまは、今になって切実な問題に思えます。



 『結婚できない男


 これはTSUTAYAからDVDを借りてこの3日で全部見返しました。抱腹絶倒してみました。こんなことは『踊る大捜査線』以来でしたね(ちなみに今年の映画はだめです)。

 桑野信介(阿部 寛)が毎回、クラシックを聞きながら指揮の真似事をするのは、脚本の尾崎将也氏の実体験だと雑誌(日経エンタテイメントだとおもいます)でみたことがあります。自分のことをかけば誰でも小説を書けるといいますが、それは自分のことをかくことが人間を掘り下げる最良の方法になりえるから。結果的にそれが一番ひとを感動させる方法になるし、そこから出発すれば他人のことも書ける(かもしれない)。最良の脚本とキャストのはまりのよさ、そしてKENちゃんの演技のうまさ、どれも天下一品です。このドラマのおかげで、阿部寛がでていればどんなドラマでもチェックするようになりました。ドラマをみて俳優をおぼえる、ひとと逆の見方をするようになった端緒のドラマです。余裕でたらDVDを買わなきゃ。


 

 しかし、なんでこんなに趣味が正反対なんでしょう。結局、脚本重視で難しいもの好きってことです。


 今年のドラマで好きなのは『ゲゲゲの女房』『チェイス~国税査察官』『10年先も恋して』『咲くやこの花』『心の糸』『フリーター、家を買う』です。苦手なのは『鉄の骨』『チャンス』『99年の愛 Japanese Americans』、好悪半ばなのは『龍馬伝』『獣医ドリトル』、最終回だけ見て面白かったのは『流れ星』、こんなところです。

 

 さて私が選ぶ今年のドラマアカデミー作品賞は、過去に見たドラマ1位タイに並びます。きっとこれからも見続けますね。それは別項で。


 どうでもいいことですが、私のネーム“リーン”は1962年の映画でアカデミー賞7部門受賞した『アラビアのロレンス』の監督、DEVID LEAN からいただいてます。黒澤明よりこっちですよ。