【アーカイブ映像&資料】緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RABモデルとは | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

<原発短信> 【アーカイブ映像&資料】緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RABモデルとは?

みなさま(重複失礼、拡散歓迎)

FoE Japanの満田です。
昨日開催した「緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RAB
モデルとは?(8/19)」にはたくさんのみなさまのご参加をいただきまして、あ
りがとうございました。

龍谷大学政策学部教授の大島堅一さんに、経産省が検討しているという、原発建
設のため一般市民から資金を徴収する新制度(RABモデル)についてわかりやす
くお話しいただきました。
アーカイブ映像および資料、以下のサイトからご覧いただくことができます。
ぜひ拡散にもご協力ください。
アーカイブ映像:https://youtu.be/tkj_0GjZ7C8?feature=shared
(↑大島さんのお話は04:00あたりからです)
資料:https://foejapan.org/issue/20240813/19899/

RABモデルとは、規制当局が認可した投資の回収を、利用者が支払う規制料金を
通じて行う仕組みだそうです。利用者というのは、この場合は原発以外の電源を
選択している人たちも含め、電力利用者すべてを指します。
大島さんも解説されていましたが、みそは、「稼働していない原発の建設費用を、
建設中から一般市民から徴収できる」ということ。
原発の建設コストは今や数兆円にのぼり、建設期間も遅延する傾向にあります。
投資リスクが増大しているため、合理的な経営判断に従うならば、「原発なんか
つくれない」ということになるでしょう。しかし、RABモデルを導入すれば、建
設コストを一般市民に負わせることにより、投資リスクを回避できるというわけ
です。
「コストとリスクは一般市民へ、利益は原子力事業者へ」というとんでもないこ
とに…。
RABモデルというのはイギリスでかつては公共事業なんかの資金調達で使われた
手法のようです。
イギリスで2018年に着工されたヒンクリーポイントC原発には、差額契約型固定
価格買取制度(FIT-CfD)という制度が適用されたのですが、その買取価格が非
常に高く、加えて洋上風力なんかが劇的に安くなったことにより、原発のコスト
の高さが際立ちました。イギリス政府は新規原発建設コストをねん出するために、
FIT-CfDに替わる制度として、規制資産ベース(RAB)モデルを取り入れることを
検討し、コンサルテーションを経て、2021年10月「原子力資金調達法案」を公表。
2022年に制定したとのこと。
※こちらも参照しています⇒服部徹「英国における新設原子力発電所の資金調達
手法の「規制資産ベース(RAB)モデル」の導入をめぐる議論」電力経済研究
2022.1)
https://criepi.denken.or.jp/jp/serc/periodicals/pdf/periodicals68_03.pdf

もはや終わっている原発と原子力産業の生き残りのために、いままでも説明のつ
かない税金やら公的支援やらが行われてきましたが、さらに広く一般市民から、
強制的にお金をしぼりとるなんて、ホントとんでもないとしかいいようがありま
せん。

また、「電力の安定供給のためには、大規模電源が必要」という幻想が社会に蔓
延しているような気がします。
「いま必要なのは需給調整の仕組み。原発のような大規模固定的な電源は、むし
ろ不安定化を生む」ことを強く打ち出していく必要を感じています。

★「ご意見箱」のご意見を!
いま、第7次エネルギー基本計画の策定がすすんでいますが、経産省のサイトに
「ご意見箱」なるものがもうけられています。ここに提出された一般市民からの
意見は、一応、エネルギー基本計画を議論している基本政策分科会の資料として
委員に共有されるそうです。
ぜひ、みなさんからもご意見を!
エネルギー政策に関する意見箱
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/opinion/2024.html

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★「福島の今とエネルギーの未来 2024」発行ーー廃炉と復興の現実、原発の稼
働状況を、図と文章でわかりやすく解説
https://foejapan.org/issue/20240313/16408/

こちらの「図でみる原発とエネルギー」に原発の建設期間の長期化や、原発のコ
ストについても図で紹介しています。

 

https://criepi.denken.or.jp/jp/serc/periodicals/pdf/periodicals68_03.pdf