元原子力安全基盤機構検査員藤原節男の証言について、原子力規制委員長田中俊一が回答 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

9月20日午後9時から、NHKニュースウォッチ9番組にて「原子力規制委員会の課題は?
 田中俊一新委員長に聞く」という放映があった。“再稼働” “独立性”につい
て、規制委トップに質問した。

原子力安全規制を担う新たな組織「原子力規制委員会」。
そのトップに就任した田中俊一委員長がNHKのインタビューに答えた。田中
委員長がこだわったのが独立性。

しかし、原子力ムラの出身という経歴への懸念は払拭できるのでしょうか。

NHKは、独自に、原子力安全基盤機構のずさんな検査実態(1)(2)を取材して、委員長にぶつけた。

(1)大飯3/4号で定期検査対象を見落としていた。原因は、大飯1/2号では検査対象が4つ、
大飯3/4号では検査対象が5つ。なのに、同じ検査要領書を使用した。

(2)BWRの9×9燃料体検査において、燃料メーカの検査要領書丸写しで、原子力安全基盤機構の検査要領書を作成した。

また、藤原節男元原子力安全基盤機構検査員の証言

【内容:
どうしても、検査を受験する側、電力会社とかメーカーが一番ものごとをよく知っ
ている。規制側検査員は、なかなか、電力会社とかメーカーの能力、力量のところま
で達しない。電力のいうことをそのまま信じてしまう検査員が大半】

をビデオ録画して、委員長に見せた。委員長は、これらを事実として認めた上で「がんばる」としか回答せず、何の具体的な対策も示せなかった。委員長として不適格と認定せざるを得ない。

以下のURLは番組映像。
http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/?date=120920_1

追伸)
検査員の課題「事業者のいいなり、力量不足」に対する具体的な解決方法としては、
例えば、以下の事項がある。
(1)検査員が品質マインドを持つように教育をする。検査員の品質マインドとは、い
わば「国民が顧客」の心構え。国民からの付託(原子力安全)を受けて検査員の職務を
行っているという意識である。官僚マインドとは、いわば「上司が顧客」。サラリー
マン意識、上意下達意識であり、現状組織維持の歯車意識(すべて命令どおり)であ
る。官僚マインドから、品質マインドへの変更が必要。
(注)これは、政治思想、宗教思想を変更すると同じくらいむずかしい。知識、見識、
胆識が必要となる。
(2)品質マインドを持った検査員を保護し、推奨する組織体制とする。例えば「公益
通報推奨法」「公益通報推奨内部規程」等を制定し、品質マインドを持った検査員が
自由に言動できるものとする。
(3)「天網恢恢疎にして漏らさず(天が悪人を捕えるために張りめぐらせた網の目は粗
いが、悪いことを犯した人は一人も漏らさず取り逃さない)」の理想を達成する規制
組織とする。品質マネジメントシステム(QMS)が、これに相当する。PDCA、スパイラ
ルアップ手法を厳格に適用する。
(4)品質マネジメントシステム(QMS)は、過去の失敗を教科書として、二度と同じ失敗
を繰り返さない手法である。前例のない事故に対しては、なかなか効力を発揮しな
い。従って、予防保全を行う信頼性工学手法も同時に追求する必要があり、予算、人
材を豊富に付けて、事故を未然に防ぐ。
(注)
規制側検査員の力量改善以前の問題として、プルトニウムサイクル破綻がある。路線
変更(例:トリウムサイクル研究開発へ変更)を検討する必要がある。

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藤原 節男(Fujiwara Setsuo)
単行本「原子力ドンキホーテ(藤原節男著、ぜんにち出版)」絶賛発売中
元原子力安全基盤機構検査員
元三菱重工業原子力技術者

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