災害廃棄物問い合わせとドイツ・ブフルークバイル博士の講演資料@由布市 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

ゆふいんの浦田龍次です。

東日本大震災の災害廃棄物受け入れ調査について、
大分県庁、生活環境部、廃棄物対策課を訪れて
お話を伺いました。

訪ねたのは、昨日、10月21日 15時頃。
17時の閉め切りを2時間後に控えた15時に、
アポなし、突然の来訪でしたが、
別室でお話をうかがうことができました。


大分県廃棄物対策課 
名前は内尾さん
(…って言ったような。最後に確認しようと思ってたけど、
 そのまま再確認を忘れてしまいました)

以下、こちらからの質問に対する答えです。

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・環境省からの質問を受け取って、皆さんが感じているような(不安な)
印象をもたれてもしょうがないなあと私たちも思う。

・これまでの経過は、震災が起きて2200万トンほど災害瓦礫発生。
とても被災自治体だけで処理できない。国が全国で処理しましょうと方針を
示し、4月に第一回目の調査があった。このときの調査では、それぞれの自
治体の処理能力から見て受け入れ可能かどうか、入ってくる災害廃棄物は,
普通の家屋とかの瓦礫であり、放射性物質を含んでいるという想定はなかっ
た。それで、全国の自治体で被災地をなんとかしてあげようということで、
多くが回答していったが、その後、だんだん、放射能の汚染の拡大の情報が
入ってきて自治体も慎重になってきた。それ以降、調査はずっとおこなわれ
ず。今回あらためて、東京都が受け入れ表明をしたということもあり、今回
の調査では、放射性物質を含んだ災害廃棄物について受け入れ、どうでしょ
うか?ということで、2回目の話がきている。

・4月の調査では、通常の災害廃棄物。放射性物質については、一切触れら
れてない。今回は想定が違っている。放射性物質を含むことが前提。東京都
が受け入れ表明したと言うことで、もうそういうものを含んでいるというこ
と。環境省も放射性物質を含んだ廃棄物のガイドラインとか、処理方針とか
を示した後の状態。それで、全国の自治体に対して、もう一度聞き直したか
たち。

・それをうけて県の方から各市町村に同じ調査を出している。施するのは環
境省。県はあくまでそのお手伝いをするだけ。照会して、とりまとめて、環
境省に報告するだけの処理。事務的なことしかしない。

・各自治体に対する文面は、環境省から来たものと同じ。実質調査するのは
環境省なので、私たちが加工することはできない。

・(受け入れない場合は、選択肢はどれも選ばずに、空欄で答えてもいいと
されているのか?との質問に)そのように国から指示があり、各市町村に対
しても同じように伝えている。

・災害廃棄物というのは、家庭から出るゴミと同じ「一般廃棄物」という分類。
そういったゴミはそれぞれの市町村に処理、回収する責任があり、その決定に
ついては市町村が判断する。県ではない。県はそれについて、市町村を応援し
たりとか、広域で取り組むときは一緒にやりましょうというときは調整します
が、それについて、イエス、ノーということは県はまったくいうことはできな
い。あくまで取り次ぐだけで、実施主体は市町村。県はどう考えているんだ?
と質問を受けるが、これは言えない。私たちが言ったら、まずい。

・(「結果については公表しない」ということを国がいっているが、県も準じ
て公表しないということになるのか?との質問に)あくまで国の調査。国がど
う判断するかについて、私たちは手を加えようがない。ただ、国の方はそれな
りの公表はすると聞いている。各自治体がどういうふうに返答したかについて、
公表するかどうかは、それぞれの自治体に任されている。由布市が回答した内
容について、由布市に尋ねて、由布市が答えるのは結構です。それについて、
「公開しないように」というような内容の指示は出してない。あくまで、それ
ぞれの自治体の判断。

・今回は、調査項目が非常に難解なので、答える方が、どれに自分のところが
あてはまるのか、難しいだろう。いったん答えたとしても、もう一度精査する
必要があるので、国はまた再調査するのではノ。

・県内の市町村の皆さんと9月12日に意見交換の会を開いて、その時点で、
すべての自治体が放射性物質を含んでいるものは受け入れないと、いう話し
合いがあった。住民の皆さんの安全と環境汚染に対する手当というものをし
っかりとできていないと受入は難しいです。少なくとも、県内の市町村も私
どもも、一番、安全と環境を最優先にしている。安全対策が十分でない以上
は、難しいものだと思う。

・もともと放射性廃棄物は、県の扱いというのはできない。国がやることに
なっている。おっしゃるとおり技術者もいない。そうすると実際問題として、
仮に市町村で受け入れるところがあったとしても、放射能が濃縮された場合
の対応をどうするかといった実務的な突き合わせが必要となる。もし、受け
入れる自治体があった場合には、県とそことの話し合いになってきます。ど
れだけの汚染具合になるか、そのときにどういう管理をしなければいけない
か、そういとを全部詰めないといけない。ただ持ってきて焼けばいいという
話ではない。

・県内の市町村の回答については、まだとりまとめ中。

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その後、今度は私の住む由布市の環境課に電話して、
由布市がどう回答したのかについて、尋ねた。

・県からメールで調査の依頼が来た。
・「該当施設は由布市内にない」と回答。
・3つの選択肢は空欄のまま
 

(「空欄回答も可」と県、あるいは国からの指示がきているか?との質問に)
・そのような指示はない

(*県は「全市町村に「空欄回答も可」と伝えていると言ってましたよ」と
  担当者に再確認してもらったが、県から届いたこの調査に関するメール
  にその記載はない、とのことでした)

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以上、大分県と由布市にボクがあたってみての報告です。


なお、
由布市は「該当施設は由布市内にない」回答してますが、
実際には、隣接する大分市の、最も由布市寄りの場所に
福宗環境センター(清掃工場)というのがあり、
由布市内のゴミはここで大分市と一緒に
一部事務組合を結成して処理をしています。

もし大分市が、今回の放射能ゴミを受け入れて、
それを福宗で処理するというようなことになった場合は、
隣接する由布市も影響はまぬがれないと考えられ、
その場合は,事務組合の構成員である由布市に
相談しないで決めることは許されないはずです。

大分市の動きにも注目しています。


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浦田龍次 Ryuji Urata〔e-mail〕harappa@oct-net.ne.jp

     特定非営利活動法人 ムラづくりNPO 風の原っぱ
     tel&fax 0977-85-5003
     http://www.jca.apc.org/~uratchan/harappa/
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ご了解を得て掲載しました。

また、浦田さんのブログには
ドイツ放射線防護協会・会長のS.プフルークバイル博士講演会
資料が掲載されています。

<転載>
1)セバスチャン・プフルークバイル博士(Dr. Sebastian Pflugbeil)の
 の講演用パワーポイント資料
(「放射能の専門家」と呼ばれる人たちが、いかに事実をねじ曲げ、
放射能の危険性を軽視し、原発を容認する世論操作に協力してきたのか、
このPPT資料を使って博士は講演しました。湯布院では時間不足で説明
できなかった映像資料も含みます)



2)あらかじめ計算された放射線による死:EUと日本の食品放射能汚染制限値
フードウォッチ・レポート(PDF)、
トーマス・デルゼー、セバスチャン・プフルークバイル(ドイツ放射線防護協会)編
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部との共同作成 2011年



セバスチャン・プフルークバイル博士
 (Dr. Sebastian Pflugbeil)プロフィール
 (物理学者、ドイツ放射線防護協会・会長)
 1989年以前、旧東ドイツの学術アカデミーで医療関係物理学を仕事分野に。
 1989年以後、ドイツ統一の過程の中、暫定政府であった「円卓会議」で大
 臣として入閣。統一直後、ベルリン市議員。チェルノブイリ事故の諸結果
 についての専門家。数年間にわたり現場調査。大部分において「恥知らずの」
 公式報告の再検査。