2.24脱原発の日:院内集会報告 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

2/24(木)15時~ 参議院議員会館の院内集会の報告    

文科省研究開発局原子力課核燃料サイクル室調整調査員 白鳥さん
    同       課長補佐 吉田さん
    同       立地地域対策室専門職 立元さん 

主催;市民(たんぽぽ舎、脱原発の日実行委員会等) 20人参加 
以下発言内容に関してはABCDで表記いたしますのでご了解ください。



トップバッターの西村(トシ子;西村裁判原告)さんの質問に続いて、
もんじゅ中継装置落下事故の担当課長の死(先週2/13/日)という大きなニュースを受けた形で、
発言者Aさんが続けて
「発表が機構でなくメディアの取材、時間もかかりすぎ疑問は西村さんの事件の時に共通するものを感じざるを得ない。繰り返してはならない」「事故はメーカーの責任で、その初期的設計ミスを幾多のチェックで見逃した機構と文科省の問題であって、現場の担当者に責任はない」として具体的に機構から文科省への連絡はいつだったのか?等、この場で「~と思う」ではなく、事実関係の回答を求め、次回院内集会までに内部調査を求めました。

西村トシ子さんの話。
「自殺でなく死体遺棄」←発表の自殺時刻の早朝からさかのぼって、前夜ホテルにチェックインした時刻には既に死亡していたことになる;トシ子さん側の深部体温による死亡推定時刻
「遺書でなく、書かされた始末書」←しかも発表死亡時刻の後に書かれた日付とは、どう考えればよいのか。

など核心に及んだ時に、「そういうことなら警察に行ったらどうか?」には多くの人が誠実に対応するように促す発言をしました。この'96年のビデオ隠しと西村さん自死事件を知っているのは文科省3人のうち、白鳥さん以外は世代的にも若く、もう一度要望書を手元に渡しました。しかし主調は「裁判の判断にゆだねる」の一本槍で、証拠隠滅の疑いについても、西村さんの投げかけている疑問がなかなかきちんと理解されません。

この辺りから以下、もんじゅの技術者であるBさんほか、市民全員で適宜自由発言。

「もんじゅがこれほどの損傷を押して未だ1日5500万の維持費と莫大な修理費で税金の浪費をしながら再開に向ける必要があるとは思えない」という当たり前の感覚からCさん。文科省もひとつひとつの要点に回答し、それについて追求がありました。「プルトニウムが増える」というもんじゅの存続の根拠を情報公開せよ、

常陽の実験では1,2倍になるのが10~15年なので「2倍に増殖するまで90年と聞くが?」の質問にもおおよそそうであると回答。具体的には「プルトニウムの増殖計算は公開された情報を見てもらえば…」と答えたが、文科省の回答を次回にと求められました。

基本的な文科省の態度は、もんじゅが常陽の運転で得た経験値を生かして作られた原型炉であって、ほとんど同じ形で実用炉を作る。もんじゅの再開に決して無駄はない、その方針には確信を持っている、といものに変化はありません。

次に原子力ポスターコンクールの停止を求める。
「文科省としては、参加を押しつけていない」「どんな批判があるのか?」が文科省の回答です。

そこで、文科省の<新学習指導要領>を議題としました。
文科省が「希望者に副読本として配布」(2010年1億5200万円予算:3万3000校)している「小学校;わくわく原子力ワールド」「中学校;チャレンジ!原子力ワールド」がありますが、そのうち批判が1枚にまとまった「チャレンジ!原子力ワールドへの幾多の大疑問!」を資料として質疑。

Dさんから中立、公正な情報を教育現場で使用するように、
の例として高木学校テキストから
「人体への放射線の影響図」「DNAを切断する放射線図」を提示。
対しては「小中学生に理解出来る範囲であれば採用も」という答え。

EさんからNUMOの地層処分資料にある「深部流体」図、
ヨーロッパの古い大陸内陸部の安定的な地層とは全く違う日本列島の特別な事情。
また「ウランは準国産、長期・再利用できる」の記述は、ガラス固化が失敗し、
放射性廃棄物地層処分も未定である、実証出来ない不完全な状態を
確定的であるかのような表現は非科学的。「予定」に留めるべきではないか。

原子力教育に集約されているのは結果で、テクノロジーが産業化する過程では
学術の省である文科省内で研究実験論文が重ねられたはず。
推進に都合のわるいデータや論文が採用されずに偏向した結果ではないか。

Fさんから最後に「内部被ばく」は「外部被ばく」とは全く違うという
「ペトカウ理論」について、特に「フリーラジカル」の知見、むしろ高レベル同士では打ち消し合う性質、
低レベルほど体内細胞に留まってからの、長時間に渡る放射線被曝が与えるダメージが
飛躍的に大きいという報告。

この研究を知っているか?
内部被ばくを認めた原爆訴訟の経緯と、低レベル内部被ばくの疫学的データの採用が
国内法上も当然という声が高まっている、採用を要望しました。

研究についての日本語訳
「死にいたる虚構ー国家による低線量被ばくの隠蔽」を出版した
「PKO法雑則を広める会」さんがご参加下さっていて、発言しました。


以上です。

記憶に頼った振り返り範囲ですが、ビデオからの書き起こしまでしばらくかかりますので、ざっと報告いたしました。

解散時、2冊の「死にいたる虚構」が文科省に贈呈されました。提供して頂きました。
資料のコピーとタイムキーパーをGさんが担当し、コピー機の使用と用紙等は福島みずほ議員室から提供して頂きました。石川秘書によるコーディネイトに感謝します。

喫緊のニュースで「もんじゅ」追求のボリュームが自然と大きくなり、後半に回った皆さんには時間不足をお詫びします。予定していたのに全く話せなかった事もいっぱいあります。

後半できなかった質疑を次回は十分に議論できるよう、決して文科省の言うような確信を持てる状況ではないことを理解してもらう努力を続けます。皆さんにご意見資料等沢山の応援を頂きありがとうございます。

追記;福島議員に国会議論要望をしました。
「文科省が放射線影響協会に委託している原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査3点の疑問」は、石川秘書が「質問主意書として提出できる」旨、了解でした。

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