MMT(modern monetary theory)に関して(主流派経済学との相違を中心に) | 真の国益を実現するブログ

真の国益を実現するブログ

真の国益を実現するため、外交・国防・憲法・経済・歴史観など
あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

拙ブログで何度か取り上げてきたランドール・レイ(Randall Wray)によるMMT(modern monetary theory)ですが、評論家の中野剛志が新著『富国と強兵 地政経済学序説』の中で彼の租税貨幣論を引用されていたこともあり、改めて記しておきたいと思います。

拙ブログでは、最近では『レイ「MMT入門」』という翻訳ブログを紹介させていただきました。
http://empyrea.blog.shinobi.jp/mmp_20160525

また、そのブログから抜粋したものもアップしています。
『自国通貨発行国に適用される財政政策等の一般原則(ランドール・レイ「MMT入門」翻訳ブログより)』

先のブログにもあるように、レイは「政府が制限を課している場合(中央銀行自身が運営上の制約を課している場合も含む)を別として中央政府からの借り入れは無制限に行える。」と述べています。

しかし、景気対策としてのいわゆるケインズ主義的な国債増発による積極財政論とは一線を画していますので、注意が必要です。

以下、MMTに非常に詳しく、筆者もブログ等で勉強させていただいているwankonyankoricky氏が主流派経済学との相違を中心にツイートされていましたので掲載しておきます。
https://twitter.com/wankonyankorick

(前者は主流派、後者がMMT)
「いくら国債残高が大きくなっても財政破綻しないのだから、財政支出を増やして景気を良くしよう」というのと「いくら国債残高が大きくなっても財政破綻しないのだから、景気なんかよくしなくたっていいじゃん」(第一世代)の違いがあって、、、、

「景気がよくなれば税収が増えて国債残高を減らせるのだから、財政支出で景気回復を」と言うか、「国債残高が減れば、民間資産に占めるリスク資産の比率が増え不安定性が増すので、景気がよくなっても国債残高は減らすべきではない」と言うのかの違いもあるし、

「景気がよくなったのに財政赤字なんか続けたら、ハイパーインフレになる」というか「景気がよくなっても(固有の意味での)完全雇用になるまで財政赤字を続けるべきだし、それでインフレにならないようにJGP(Job Guarantee Program) や税制の制度設計を行う」ってな問題の立て方の違いもある。

MMTにとって信用というのは、まあ、将来所得と現在所得の交換という意味もないではないけれど、それより重要なのは支払いの繰延べということで、で、その支払いの繰延のための負債が他者にとっては決済手段になって
で、支払の繰延のための負債というのは、単に負債と負債を交換することで発生するわけだから将来の所得と現在の所得の交換なんて意味はみじんもない。「予算制約」の意味も全く違ったものになる。

レイは、自国通貨発行国における政府の予算制約は否定しますが、政府が積極的に景気対策としての財政出動を行うべきという立場ではありません。ただし、政府が設定したある賃金で雇用を求めている人をすべて雇うという政府による直接的な雇用プログラム(JGP)を主張しています。

また、積極財政による景気回復に伴う税収増による中長期的な国債残高の減はむしろ危険(バブル及びバブル崩壊の危険性を孕む)だとし、景気回復しても国債残高は減らすべきではないとしています

こちらのまとめも勉強になります。
togetter『主流派経済学とMMTの対立点』



よろしければ、一日一回バナーのクリックをお願いいたします。