山本太郎参議院議員が、タブーに挑戦しました。「いつまで没落まじかの大国のコバンザメ(植民地・属国)を続けるのですか?」というような発言をしたのです。
確かに、日本は、完全な独立国とはいえません。防衛のかなりの部分を米軍に依存し、基地を提供し、イラク戦争などアメリカの侵略戦争にもお付き合いせざるをえない状況です。
私は、日本は「植民地」だとは思いませんが、アメリカの「属国」であるとは思います。
誰もが薄々感じているが、言えなかったタブーに踏み込んだ勇気は、たとえ彼が左翼であったとしても評価して良いと思います。
ところが、彼ら左翼は、重大なことを忘れています。
「自分たち国民の血を流す覚悟が無ければ、独立は守れない」ということです。
アメリカに守ってもらおう・・・自分たちの血を流したくない・・・そういった意識があるからこそ、今まで対米従属、沖縄の基地などの問題を放置してきたのではないのですか???
例えば、、、シーレーンは誰が守っているのでしょうか?中東からインド洋、東南アジア、南シナ海を経て日本に運ばれる石油タンカーは、アメリカ海軍の協力がなければ海賊などに襲われてしまいます。
沖縄県も、米軍基地がなければ、中国が有利な軍事状況となって、中国に侵略される危険性が高まります。そして、沖縄県が中国の支配下になれば、それこそシーレーンのクビ根っこを中国にとられることを意味します。本土への航空機による爆撃も可能になってしまいます。
実際にやるかどうかではなく、「やるかもしれない」という恐怖が、外交成果につながるのです。北朝鮮がよくやっている手段です。
左翼は、アメリカからの属国脱却、反米を主張する前に、中国とのパワーバランスを保つ方法や、「自国民の血を流す」覚悟を持つべきでしょう。
武藤貴也議員のSEALs批判を完全に支持するわけではありませんが、武藤議員が言いたかったことはこういうことだと思います。
そして最後に・・・確かにアメリカは徐々にパワーバランスを落としてきていますが、それ以上に中露が相対的にもっとパワーを落としている現実は直視するべきです。
そして、日本はさらにもっとパワーを落としています。名目GDPは軍事力を維持するためのエネルギーだからです。日本の名目GDPは97年から伸びていません。
よって、「アメリカが衰退する」というが、「中露はもっと衰退するし、日本はさらにもっと衰退する」事実を直視すれば、日米同盟は堅持するべき・・・という結論になってしまいます。
だから、「アメリカが衰退する」ではなく、「日本の誇り」のために、コバンザメをやめよう・・・と主張するべきなのです。