チャンネル桜の『闘論!倒論!討論!』ですが、3時間近くもあるため、全て視聴するのは大変です。先日放映された『アベノミクスと消費税増税』に関しても3時間構成になっていますが、特に3時間目に注目すべき発言がありましたので、ご紹介します。
全体としては、現状の消費支出や実質賃金の急激な低下、またその低下が1997年の前回消費税増税時を大きく上回るものであること、さらには製造業において予期せざる在庫投資の増加を上げ、明らかに景気後退期に入ったとし、本年4月の消費税増税により経済が危機的状況にあることを参加識者全員の共通認識として論議が行われています。
そして、来年に予定されている消費税の再増税は凍結した上で、国土強靭化のための公共投資等の景気浮揚策を打つべしとの結論となっています。
この議論に関して異論はありません。皆さんも賛同されると思います。ただし、直近の安倍総理や麻生財務大臣の発言からすると、再増税は既定路線であり不可避であると、あきらめていた方も多いと思います(拙ブログの執筆陣も、正直半ばあきらめています)。
そのような絶望的な状況の中で、36分頃からの京都大学の藤井聡教授の発言を是非お聴きください。
消費税の再増税に関しては、1年半程度の延期の可能性もあると、はっきり発言されています。 背景として、経済指標があまりにも酷いこともあるでしょうが、それに呼応するように自民党議員からの反対の声が強くなってきているものと推測します。
結局のところ、「消費税再増税+補正予算での景気下支え」という可能性が高いとも推測しますが、再増税凍結の可能性も若干出てきたように思います。内閣官房参与でもあられる藤井聡教授の発言でもあるので、重く受け止める必要があるのではないのでしょうか。
また、もう一点、藤井聡教授の発言を聴いていただきたい。44分45秒頃からです。
「財政均衡主義含め全体主義は深まっているが、まだ完成はしていない。それぞれの組織に様々な意見がある、それらを繋ぎ合わせていくことで、あきらめないことが大事である」と。
<ここからはおまけの苦言>
最後の方(54分頃から)の議論で、法人税率の引き下げに対する批判として、ソフトバンク等の法人税の実質実効税率の異常な低さが、一部の識者によりしたり顔で語られます。「(実質実効税率に関して)ソフトバンクは利益の0.006%ですね」と。
この件に関しては、富岡幸雄という偉い先生が、『税金を払わない巨大企業』という著作で主張されていますね。良く売れているようです。
これに対しては苦言を呈します。ソフトバンク等の持株会社の法人税の実質実効税率が異常に低くなるのは、グループ企業からの株式配当金が利益不算入となるので、当然のことです。
法人が法人に支払う配当金の場合は、100%親子会社間では、二重課税を避けるために、課税されないことになります。法人税法23条で規定されている「受取配当金の益金不算入」です。
配当金がすでに支払法人側で法人税課税後の税引き後利益を原資としていることから、受取法人側で益金として法人税を課税すると同一所得に対して二重に課税が行われるので、このような二重課税を排除するために設けられています。不合理なものとは思えません。
結果、例えば、ソフトバンク社単体としては、この益金不算入で実質実効税率が0.006%となっていても、ソフトバンクグループ全体では、9323億円の利益に対して3462億円(約37%)の税負担が発生しており、実質実効税率が異常に低いというようなことにはなっていません。
藤井聡教授等の的確な経済分析、高尚な話が台無しです。もちろん、法人税率の引き下げには反対ですが、このような無茶苦茶な数値を示し、扇動するのは止めていただきたい。どうもS新聞のT氏や中韓批判が多いW氏は信用できません。
