所得収支で儲かればいい!←年金生活者の発想 | 真の国益を実現するブログ

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最近、「貿易赤字ならば、所得収支を増やせばいい!海外へ投資して、海外資産からあがってくる利子や配当金で儲ければいい!」という人がいますね。

所得収支とは、

・出稼ぎによる報酬
・海外投資から得られる利子や配当など


を指します。貿易収支と所得収支、経常移転収支を合算して、経常収支となります。

以下のサイトを見ていただきたいのですが、

我が国における所得収支の動向

日本の場合、所得収支の大半が証券投資から得ている収益です。

日本および日本企業は米国債を大量に保有しています。長い間、日本は貿易黒字でした。世界の基軸通貨はドルですので、輸出代金のほとんどはドルです。ドルを持っているだけでは利子はつかないので、米国債などへ投資して利子を得ることになります。

これが、所得収支のうちの証券投資収益です。

さて、極端なことを言いますが、「外国投資から得られる利子・配当で生活すればいい!」これは、年金生活者の発想です。

何十年も給料を貯めて、退職金でガッポリ稼いで、貯まったお金で配当の高い海外の株に投資したり、新興国の国債を買って配当を得る・・・そんな定年退職者のイメージですね。

米国債の利子で得られるお金は、ドルです。そのドルで、外国からモノを輸入して生活することはできるでしょう。それも生活する上での一つの知恵かもしれませんが、これって「労働者」ではないですよね?

利子生活者、つまり家賃や利子などの「レント」で生活している人ということです。

19世紀終わりごろから、イギリスの経済もこのような状態だったので、所得収支が増えている日本と似ています。

当時のイギリスも今の日本も、「お金が国内での設備投資へ向かわず、外国の債券購入などに向かっている」ということです。これは、国内が空洞化しているということです。

国内の工場やサービス業へ投資されずに、どんどんお金が外へ出て行くのです。これでは、普通の庶民の「働く場」がありませんよね?

それとも、所得収支で儲かればいいと主張する人は「国民全員が海外へ投資しろ!働くのは負けだ、投資家になれ!」と言いたいのでしょうか?

もちろん、所得収支は証券投資だけではありません。出稼ぎや直接投資から得られる所得も所得収支の黒字です。

ユダヤ人みたいに海外へ散らばって働けば、出稼ぎ所得で所得収支が増えます。海外へ現地法人をつくって、そこから所得を得ても良いでしょう。でも、日本人って英語が苦手ですよね?あと、日本人全員が経営者になれるのでしょうか?海外へ企業をつくれるのでしょうか?

そして、そうした活動で得られるお金は「ドル」なのです。円転すれば円になるかもしれませんが、海外へ投資が逃げて行く状況で、日本国内にまともな「お金の使い道」はあるのでしょうか?

経常収支の黒字というのは、国内で使いきれなかったお金が外へ出て行く、つまり資本輸出と同じことです。

つまり、国内需要が少なくて、国内でお金を使いきれないから、外へ出て行くのです。

「日本はデフレでいいんだ!需要不足でいいんだ!お金が外へ出て行っていいんだ!」
「日本人は華僑やフィリピン人、ユダヤ人みたいに出稼ぎでもすればいいんだ!」


所得収支論者は、このように考えているのでしょうか????


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