あやしい宗教学 祈願と呪術 ② 呪いの藁人形、丑の刻参りも、これ呪術でしょう その効果は? | 日々の妄言、ざれ言、たわ言、世迷言

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思いつくことを適当に書き込んで行きます。まことしやかに書かれておりますが、何の根拠もありません。適当に読み流してください。

学術的(宗教学、人類学など)には「呪術」といいますが、一般的には「魔法」や「魔術」でしょう。

 

魔法といえば『ハリー・ポッター』が思い出されますが、西洋史における魔法といいますと、あまり良いイメージはありません。

こと、中世に大々的に行われた魔女狩りが有名ですねえ。

 

 

 

 

『ハリー・ポッター』

 

 

 

しかし、こういったものは、その運用次第というか、使い方次第で、有益なものを目指す場合は「白魔術」などと言う場合があります。一方、邪悪な目的で用いられるものを「黒魔術」といいます。こちらは悪魔の力を借りたものとされます。

 

 

 

 

ブラッツィ 『愛の魔術』

 

 

 

テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、ねずみ男さんが

あたしのことを好きになりますように 💛

 

 

 

なーんてやるのが白魔術です。

 

(※ 「テクマクマヤコン」 赤塚不二夫のマンガ『秘密のアッコちゃん』が魔法のコンパクトを使って誰かに変身する時の魔法の呪文)

 

 

 

このような白魔法は、開運成就、雨乞い、豊作祈願、悪霊祓い、病気治しにも用いられたとも言えます。

 

 

魔法、というか呪術には「まじない」や「占い」といった意味もありまして、先回に書きましたように「祈願」というものが消極的なものであるのに対し、こちらはより積極的なものといえます。

 

 

豊作祈願にしても、ただ皆で祈るというのではなく、何らかの、例えば男女の和合をシンボリックに模した道具などを用いての儀礼を伴います。

 

人類学者フレイザーは、この呪術を「模倣呪術」と「感染魔術」の二つに分けて論じております。

 

 

 

まず、模倣魔術というのは、例えば日照りが続いたような時は降雨儀礼(雨乞い)を行うことがありますが、口に水を含んで空中に霧状に吹き出す、あるいは神聖なる木の枝を水に浸し、その滴(しずく)を空中に振りまくなんてことが行われたとされます。

 

先の、男女和合もまた、それによる多産が期待されるということで、古くはメソポタミア(シュメール)に始まり、世界中で見いだせるものでしょう。畑の畝(うね)に女性が横たわる、なんてのもあったようです。女性は大地を示すものであり、天から落ちてくる雨を精液とすることもあります。

 

金精様信仰は、日本各地にみられ、これまた多産や、子孫繁栄、豊穣を願ったものでしょう。

 

 

 

遠野の金精様

 

 

 

続いて感染魔術ですが、これは前にも書いたことがありますが、アフリカの狩猟民が獲物となる動物の足跡を見つけると、そこに槍をさすのだとか。

 

こうしておけば、その動物の足に支障が生じ、そう遠くへは行けなくなると考えているとされます。

 

同じく、誰かの影に槍などを刺せば、これはその相手を殺すのと同じ意味がある、と考える部族もあるとされます。日本では「影踏み」という遊びがありますが、こちらはそれほど邪悪な意味はないでしょう。

 

 

 

ちなみにアーデルベルト・フォン・シャミッソーの『影を失った男』なんて小説があります。

 

金目当てに、そうとは知らずに悪魔にその影を売ってしまうのであります。

 

 

 

 

 

よく、「悪魔には影がない」なんて言われてますけどねえ。

 

あと、「鏡に映らない」とか。

 

 

映っても、こちらは真面目な顔をしているにに、映った顔がニヤリと笑っていた、なんてことになりますと、ちょっと怖いです。

 

 

 

 

ルネ・マグリット 『複製禁止』

 

 

 

こんなふうに映っても怖いですが。

 

 

 

 

日本の感染魔術としては、例えば丑の刻参りの、「呪いの藁人形」なんてのがありますねえ。

 

この藁人形の中に、呪う相手の髪の毛や爪などを入れておくのだとか。

 

 

 

 

 

 

京都は貴船神社が有名です。

 

 

 

おのれ、あのクソねずみ男。女心を踏みにじって

この恨み、思い知れ、キエーーーーーー!

 

 

 

 

なーんてやられたら怖いです。

 

んで、前にも書きましたが、この藁人形の股間に太い五寸釘が打たれているものをみたことがありますが、これホントに怖いです。

 

 

 

あ、あれ・・・、おっかしーなー、いつもなら、ちゃんと・・・

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・、役立たず!

 

 

 

 

しかしながら、思うに、女性の嫉妬、というか恨みの方向は、その男というより、その男を奪った(?)女に対してではないかと思いますがねえ。

 

踏みにじられようが、捨てられようが、どこかにその男に対する未練があって、それゆえに、別に奪ったなんて気もなかった、つまりは無実(?)の女を糾弾するのではないか、と。

 

 

 

えっ、そんなこたーない?可愛さ余って、憎さ百倍!?

 

 

なお、このような丑の刻参りですが、もし、そこに明らかな殺意(!)があったとしても、日本の刑法では、その行為からの結果の発生は、まずもってあり得ないということから「不能犯」といいまして、犯罪にはなりません。

 

 

 

 

その気にさせておいて、できない、なんてのは犯罪でしょ

あなたの場合、別の意味で不能犯じゃないの

 

 

 

 

 

 

 

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