「あぁ……」
特別薄着なわけでもないのに、いつも以上に今日は寒いような気がする
何も考えず、ただ足だけが自然とある場所へと向かっていた
もしかしたら期待をしていたのかもしれない、アイツに会えるかもしれない……とか。
「さっみ、くっしゅ!!」
ポケットに手をつっこみ、カイロを探すが何時使ったわからない固くなってしまったものしか見つからなかった
こうゆう時……と頼れる奴とかいればな、と思っても誰も隣にいないので仕方なく坂の上にある自販機に向かってダッシュする
はぁ、はぁと息が乱れさっきより体温が上がり寒さが吹き飛んだような気がしたが、手はまだ凍るように冷たかった
だんだん足が重くなり、そろそろ限界かもしれないと思い歩調を緩め、3、4回目のカーブを曲がると目的地に着いていた
自販機はすぐそばにあり、ズボンのポケットを弄り小銭を探している間に後ろから覆いかぶさるようにして小銭をいれて来る人がいた
後ろを振り向くと中学からの幼なじみ、猿比古が勝手におしるこを購入して無言で俺に差し出した
戸惑いながらも渡されてしまったので、仕方なく受け取り冷え切った手を温める
「何でここにいんだよ」
そんな事が言いたいわけではなく、本当は違う言葉をかけたかったが素直になれず突き放すような口調になってしまう
美咲の態度に特にこれと言った反応はせず、いつもの舌打ちも聞こえなかった
「何となく、ここ落ち着くし」
その言葉を聞いて忘れたかったのか、思い出さなかっただけなのか、よくわからない昔のことが走馬灯のように脳内に流れる
見やすい改行難しい。゚(゚´Д`゚)゚。