２０１２年作 「赤い階段の向こう」
人は自分の事を他人に
話するのに、快感を覚えるらしい。
俺がブログを書くのも
それなら、納得できるぜ。
気持ち良いことは、好きだから。
誰でもじゃ！
爺婆に、生い立ちから今までの人生を
聞いてごらん
大抵は喜んで、熱く語るぞ。
この間も、徘徊途中
カフェで珈琲を飲んでたら
隣の席の婆と目が合ったから
「暑いですね・・・」と挨拶かわりに
声を掛けたのが間違い。
婆、語る語る・・・喋る喋る
曰く、東京から一人で遊びに来た。
昔は大阪の新聞社に勤めていた。
この中之島界隈が懐かしい。
今は、詩を書いている。
有名な詩人の弟子だ・・・・etc
そんなの、俺、まったく興味ないし
俺の知ったことじゃない。
それからも、俺が珈琲を飲み終えるまで
お話されていた。
「お先に失礼します。」と席を立とうとすると
名刺を渡そうとするので丁重にお断りして
「また、ご縁があれば、どこかでお会いしましょう。」
と、さっさと退散したぜ。
ご縁が無いことを祈るぜ。
きっと話をしてる最中は快感だったんだろうね。
俺はシラフじゃ喋れないから
こういう快感は味わうことは、無理だな・・・
でも一杯飲めば、大丈夫だから
試しに俺に生い立ちから
今日までの事を聞いてごらん
嘘八百、１００パターンは喋れるぜ。
だから、誰もお前の話を
信用しないんだ！
キャンキャンキャン
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