話しがなかなかすすまない 月に1度の地域支援者のためのコミュニケーション講座 | 伊達ヒューゴブログ

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行政サービスの届きにくい地域の課題や問題を、その地域に暮らすみなさんが共に考え、解決案をつくり出し、まずはやってみる。そのような地域交流のための場づくりと、その地域を下支えするNPO法人で、ぼくは、月に1度のペースで、対人関係活かせるようなコミュニケーションの話をさせていただいています。

 

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初めて講座のご依頼をいただいた時には「さて、講座はどれくらい続くかな」と思ったのですが、早いもので、気がつけばあっという間に1年が経っていました。昨日の夜はそのNPO法人での講座でした。

 

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毎回の参加メンバーはほぼ女性のみなさま。さすがですね。それもお姉さまが多数を占めます。ぼくは愛情を込めて、こっそりお姉さまたちと呼んでいます。



 

毎回ご参加いただくお姉さまたちの特徴はというと…、たとえば、子育てや家事が一段落している。お子さんがみなさん大きくなった。それと、ご主人の懐が広いこと。講座は19時からなので、夜に奥様が出歩くことを許容できる人じゃないとね。


 

そして、お世話焼きね。だれかれ構わず困っている人がいれば、何とかしてあげたいと思ってしまうような、まるで宮沢賢治の“雨にも負けず”のような人たちね。そして、暮らしているこの地域が大好き。なので、率先して社会参加を何らかの形でしています。

 


あとはね、身も心もありのまま。そのありのままで何とも素敵。もちろん、身も心もありのままとはいってもね、きちんとお化粧はしていらっしゃいますよ。身なりだって大したものです!

 

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このようなお姉さまたちに向けて2時間お話しをするのですから、当然、講座が予定調和で終えることなどありません。というか、できません(笑

 

だって、みなさま、次から次へとお話してくださるのですから。

 

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ぼくの講座では、始めに、最近あったちょっとしたいいこと、ほっとしたこと、はっとしたこと、など、身近にあった出来事、印象に残っていることを、みなさん1人ずつ1分程度で話してもらっています。もちろん、お姉さま方は、話が始りだすと、これが到底1分では終わらないのです(笑


 

たとえばGWは、「岩手県久慈市にこどもたちと保護者で伺って、人形劇をして来た」「いわゆる更年期になったので、こころ穏やかに何ごともなく過ごしていた」「やっぱり家族が一番」「健康診断に行って来て、下剤を4L飲み干せたので自信がついた」、「秋田県や山形県の桜を巡る旅行に行って来た」「孫が初めて一歩踏み出して、その瞬間を動画におさめることが出来た」

 

とかね、このようなお話にさらに枝葉がつくわけですから、そりゃ、6、7分で終わるところが、40分ほどかかるわけなのです。

 

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でもね、実はこれがいいんです。

 

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講座をはじめた1年前は、みなさんとってもおしとやか過ぎて、確かに最近あったちょっといい話は、参加者全員でも5、6分であっという間に終わっていたのです。

 

それが、ひと月ふた月と講座を重ねるごとに、10分が20分、20分が30分となって、そしてついには40分と、みなさんの話が続くなんて、ちょっと嬉しいじゃないですか。

 

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人前で話が続くということは、どういうことなのかをせっかくなので考えてみたいと思います。ささっと考えてみただけでも、きっと、以下のことくらいは思いつきますよね。

 

 

①人前で話ができるようになっている 

②ちょっとしたいいことにアンテナが立っている 

③人の話を聞けるようになっている 

 

 

講座参加メンバーには、少なくともこの3つのことが、ちょっとずつ身についているということだと思います。それも知らず知らずのうちに、ほんのちょっとずつ。これを変化といってもいい。初めは話が全然できなかったのですから、ほんとに驚きなのです!



 

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もう少し掘り下げてみると、たとえば…、

 

①“人前で話ができるようになっている”ということは…

 

1.何を話そうか話す話材が明確にある

2.話材の一番のポイントを押さえている

3.過度に緊張していない

4.聞き手の様子を自分が話しながら感じ取っている

5.開き直っている

 

とかね、少なくともこのようなことを意識無意識関係なく考えることができているということですよね。


たとえば、

 

1の“話材が明確にある”って、ちょっとしたいいことをいつも意識できている、あるいは選択できている。無意識的にでもいいのですが…、つまり、②のアンテナが立っている状態であるということですよね。もっと言えば、いつもスルーではなくて、何かがアンテナに引っかかるということです。

 

 

2の“話材の一番のポイントを押さえている”とは、「どうしてこの話をしようと思ったのか」「その時の自分はどんな体験をしてどんな感情が動いたのか」「この話は相手が聞きたいことだろうか」あるいは、「聞いてよかったと思ってもらうためには、どんなことを話せば相手の心に届くのか」など、このような要素を話す前に考えているということです。


そして、

 

3の“過度に緊張していない”とは、緊張する人の特徴を思い浮かべるとわかりやすいのですが、たとえば、緊張する人は自分好き。それも過度の。あるいはフォーミー。自意識過剰。ご自愛系し過ぎとかね。

 

 

普段、私たちは人前で話すときには、確かに緊張はします。ぼくも研修や講座の前には必ず緊張します。ただね、度が過ぎるくらいに自分のことばかりに意識が向いていたり、気にしたりしていると、過緊張になってしまうことがあるのです。


これは以前のぼくのことですが、「笑われたらどうしよう」「うまく話せなかったらどうしよう」「評価が悪かったらどうしよう」とかね、だいたいこんな感じでした。

 

そしてね、あまり自意識が過ぎてしまうとね、今度は不安が立ち上がってくるようになるのです。不安になりやすいということと、自意識が過ぎてしまうことには深い関係があるのです。緊張の裏返しは不安感、不安感の裏には大きな自意識のかもしれませんね。

 

 

ですから、人前で話すときには、「どういう話だったら相手が喜んでくれるだろうか」「どういう話を相手は求めているのだろう」「相手が満足する話はどのような話だろうか」と、自分のことから離れてね、話を聞いてくださる相手のことを徹底的に考えることです。相手のことを考えるとは、相手のことを想像すること、相手に興味関心を抱くこと、相手を尊敬すること、感謝すること。フォーミーではなく、フォーユーの関係になることです。

 

 

4の“聞き手の様子を自分が話しながら感じ取っている”は、更に相手に意識が向いている状態ですよね。自分自身が話をしながらでも、相手の反応を観察して、相手の反応に応じて話題を変えたり、言葉を変えたり、スピードやトーン、強弱をつけたり、時には話を手短に切り上げたり、相手に対して質問をしてみるなど、ぼくも思わず唸るような、勉強させていただきたくなるような、まるで、素敵な研修講師の域に達するような話し方です。

 

 

5の“開き直り”は、「もうどうでもいいや」といったものなのですが、これができるようになるには、実はコツがあるのです。それは準備です。

 

 

「準備が9割」

 

 

実は、話す“準備”ができていないと、いざという時に、なかなか開き直れないものなのです。ですから、みなさんは毎回毎回、ちょっとしたいい話をするための準備ができているということなのです。

 

 

もうひとつは、話すところが開き直れる“場”であるということも大切です。「この場は、万が一失敗しても大丈夫なのだ」という場であることです。

 

 

失敗してもいいんだよ、失敗するのが当たり前なんだよ、誰も笑ったり責めたり評価したりはしないんだよ、といった環境がそこにはあるということです。このことを安全といいます。

 

実は、こういった“場づくり”や、安全につくられた環境があるからこそ、私たちは人前で話しをすることが出来るようになるのです。

 

そして、私たちは話すことによってのみ、自分は何を考えて、何を大切にして、何をしようとしているのかを知ることができるのです。

 

そのことを知れた時にだけ、私たちは自ら主体的な行動を取ることができるようになっていきます。自ら主体的に行動を取ることができれば、そこからやる気が生まれます。モチベーションが上がるって、そういうことなのではないでしょうかね。

 

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初孫の初歩きを幸運にも動画におさめることができたおばあちゃんのお話を聞かせていただきましたが、孫は歩けば歩いただけ、また歩こうとする。孫は転んでも転んでも再び立ち上がって、歩みを自ら止めることなく、やっぱり進んで歩こうとする。

 

 

赤ちゃんは、まだ自分で言葉を発することはできませんが、もしかすると、こうして自ら主体的に進んで歩くという行動が、次の行動を生み、更に次の行動を生んでいるのかもしれませんね。自分で主体的に行動が取れるということは、赤ちゃんだって、やる気につなっているのかもしれません。

 

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さて、話がだいぶ長くなりましたが、①②③のうちの①の1~5のことは、このようにして参加メンバーのみなさんは、知ってか知らずか、すでに身についているのです。

 

もちろん、1~5のことを、このように文章にまとめて、参加メンバーのみなさんにお伝えしたり、あるいは、スピーチトレーニングとして取り組んだりはしていません。

 

人前で話をする、目の前の相手の話を聞く、ということは、特別な知識やトレーニングなどをしなくても、“安全な場”と、その場を取りまとめる人さえいれば、ある程度のことは、誰にでもできるようになるものです。

 

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講座の始めの30分~40分には、予定調和などはありません。だってただの雑談なのですから(笑 

 

けれども、予定通りの調和ではないからこそ、実は、不調和の部分に相手と自分の違いを知る機会が生まれたり、違いがあるからこそ、相手に興味関心を持つことができたり、興味関心を持つことで、相手や自分自身を許容できる範囲が広がったり、あるいは、勇気を持てたり、相手とのかかわりの中で起こるかもしれない自分の変化に対して恐れなくなります。

 

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自分が変わること、変化することに対しての恐れや抵抗が小さくれば、人前で緊張せずに話すことができるようになってくるのです。だって、自分が変わること、変化することって、圧倒的な自分好きから離れること、距離を取るということなんですから。

 

自分が変わること、変化することを恐れない人は、いつだって素敵なものです。圧倒的な自分好きは、自分が変わること、変化することを特に恐れるのではないでしょうか。

 

変わるもので恐れるものといえば、たとえば、私たちの容姿でしょうかね。いつまでも若々しく…、とはいうものの、年月が経てば自然の摂理で変化するものですよね。

 

ですが、それを受け入れられない人もいます。そのような人たちは、自分の容姿にいろいろと施しをして変わるまいと、自分の変化を認めません。あまりにも極端な人をみていると、やはり圧倒的な自分好きということがよくわかると思います。

 

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それにひきかえ、毎月講座にご参加されるメンバーのみなさんは、実に潔い。変化をこれっぽちも恐れていない。変化をご自分の成長としています。もちろん、オシャレだって、お肌のお手入れだってしていますよ。とっても愛おしくなるお姉さま方なのです。

 

 

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残っている、

 

②ちょっとしたいいことにアンテナが立っている 

③人の話を聞けるようになっている

 

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②と③はまたの機会につづく

 

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第39期コーチングスクール土曜日クラス

5月11日(土)10時-13時 連続講座スタート

【空席あり】引き続き受講生募集しています

 

第40期コーチングスクール火曜日クラス

5月14日(火)18時30分-21時30分 連続講座スタート

【満員】次回の夜間クラスを準備中です

 

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第3期コーチングスクールアドバンスクラス

毎月1回第3日曜日10時-16時

【空席あり】受講生募集しています

 

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コーチングセッションクライアント募集します

6月3日(月) 1名

6月9日(日) 1名

 

【時間】

午前10時~午後9時までのいずれか2時間程度

 

【会費】

15,000

 

【申込】

info@dreamfield.jp

 

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