『夏・冬 外で走れない時期は”ジム”へ行こう』 第三弾 故障予防!カーフレイズ | 酒井根走遊会のページ

みなさんこんにちは。

 

酒井根走遊会です。

 

今回は、

『夏・冬 外で走れない時期は”ジム”へ行こう』 第三弾 故障予防!カーフレイズ

 

でお送りします。

 

”カーフレイズ”というトレーニング種目を、みなさんご存知でしょうか?

 

ふつま先立ちでかかとを上げ下げするトレーニングです。

わたしは学生の頃“カー・フレイズ”と区切られると思っていたのですが、英語でのスペリングは

“Calf raise” つまり、“ふくらはぎの引き上げ”と呼ばれる種目です。

 

このトレーニングも、ハーフスクワット同様に陸上部に所属していたランナーの方々はおそらく一度は行ったことがあるトレーニングではないかと思います。

 

みんなで壁に向かって手を当てて、パートナーを肩車して、1・2・3・4・5・・・・

とふくらはぎが切れそうになるような疲労感の中で行った人も多いのではないでしょうか?

 

しかしよく考えると、短中長距離のトップ選手でふくらはぎが極端に肥大している選手を世界大会で見ることはほとんどありません。つまり陸上競技の走動作においては、主としてふくらはぎのパワーを強化するために行っているトレーニングではないことがわかります。

 

ではなぜこのトレーニングを多くの選手が行うのでしょうか?

その一つの大きな理由として故障予防が挙げられます。

 

 

膝下部位に発症する故障を予防する

①     ふくらはぎの肉離れ予防

②     アキレス腱及びアキレス腱周囲の故障予防

③     アライメントの偏重を予防

④     足底アーチのバランス

このような目的があり、ランニング後やジムトレーニングの種目の一つに取り入れられることがよくあります。

 

今回は③・④の足首のアライメント調整と足底アーチを中心にトレーニングを解説します。

これは結果的に①・②にもつながるので“適切なカーフレイズ”を意識してできる第一歩として読んでいただけると幸いです。

 

 

1、片足で立つ

まずは、裸足で片足立ちしてみましょう。

   

片足10秒 4セット

土踏まずのアーチが崩れている人は足の外側に体重が乗りやすい傾向にあります。

そういった人は、土踏まずの上(内側アーチ)に体重が乗るように意識して立ちましょう。

この時、じゅうたんなどの柔らかい場所ではなくフローリングや木の板の上などに立つことをお勧めします。

 

 

2、足底の筋肉を刺激する

次に片足ずつ、足の指を丁寧に動かし足底の筋肉を刺激します。

↓ 親指で地面を押し、他の四本の指を上にあげます。

↓ ゆっくりと上げている四本の指を下ろしていきます。

↓ 四本の指で地面を捕らえたら、親指のみ上げていきます。

↓ 親指をゆっくりおろしていき、再び地面を親指で押します。

片足 6セット

この運動では“足底の筋肉を刺激”することが大きな目的になります。そのため、地面についている指は“地面を押す”ということを意識しましょう。ここで一本一本の指を意識して動かせることがアライメントの調整に繋がります。回数や張り感よりも“丁寧に動かす”ことに集中しましょう。

例えば五本の指がすべて地面についている時に巻き込むような動きになると、足底の筋肉群を丁寧に刺激できません。一昔前は“タオルギャザー”という運動が足底の筋肉が弱くアーチの形が崩れている選手に推奨されていましたが、この指を巻き込む方法では、細かい筋肉群を刺激できず効果が少ないです。またふくらはぎが優位に働いてしまいます。

 

3、カーフレイズ両足あげ、片足下げ

 

↓ 両足でかかとを上げられるだけ高く上げます。

↓ 一番高いところで片足になり3秒ホールドします。※内側アーチに体重が乗るように。

↓  片足でゆっくりおろします。※体重が外側に掛かり、足首を巻き込まないように常に内側アーチに体重が乗っている意識で行う。

・     踵が下りてきたら両足で再び上げる。

 

片足10回 4セット 

片足の状態・両足の状態どちらでも常に内側アーチに体重が乗っていることを意識します。小指側に体重が掛からないように内側アーチに体重が乗った状態でかかとを上げ下げします。ここでの重要な課題はアライメント調整です。“ふくらはぎを鍛える”ことは意識しません。

 

 

 

今回は足首・足底のアライメントを調整するカーフレイズを紹介しました。これがまずできるようになってから、ふくらはぎからアキレス腱周りの故障予防のためのカーフレイズ(ウェイトトレーニングなど)を行うようにすることをお勧めします。

 

最近では足底の形が崩れれば、“テーピングで補正しよう”・“インソールで補正しよう”といった外的な道具による補正に頼りがちです。

もしくは、”タオルギャザーを毎日100回やる“といった質よりも量といった方法や、“裸足で走れば自然に治る“といったような意識しなくても治ると思われる方法に考えが行きやすいです。

 

大きな筋肉でも小さな筋肉でも、走動作やドリルなどでも明確な目的と動作に対する意識を持って取り組むことが、結果を得るために最も近道であることを覚えておいてください。

 

競技歴10数年の中で、“故障・回復・復帰・予防・強化”というサイクルを何度も繰り返してきました。

2017年から2週間以上休むような故障はしていません。これはWANAKA合宿の最中にいった病院の先生とのディスカッションと診断、処方されたトレーニング(私の体のバランスなどを考えた)がどれもうまく働いているためだと思います。機会があれば定期的に行きたいのですが、場所がWANAKAなのでなかなかいけません。今年はクイーンズタウンマラソンに合わせていこうと思います。

Wanaka Physiotherapy "Movement is key" https://wanakaphysiotherapy.co.nz/