10000m での変化。 | 酒井根走遊会のページ
11月29日(土)

八王子ロングディスタンスチャレンジにて和麻が自己ベストの28分56秒をマーク。

動画を見た際に気づいた点がいくつかあったので、研究していきたいと思います。


今回、動画を見てすぐに気になった点は、今までの和麻の10000mに比べて

『接地時間が短い』

といった点でしょう。

つまり、地面を押す時間が短くなったということです。

その結果、空中で進む(ストライドを伸ばして脚を入れ替える状態)が長く取れているということを感じました。

これはトラックを走ることにおいて最重要課題と掲げてもいい点だと私は考えますが、

なぜこのような動きに変化してきたのでしょうか?

その点に関して、私なりの見解を述べたいと思います。

私が今回注目したい点は、腕の引きです。

この疾走時の腕の引きが以前に比べてコンパクトになったように思います。

コンパクトになっていますが、肩を振ったり、引いた状態で止まったりしている状態は見受けられません。

つまり、ストライド・ピッチ頻度・腕の振り幅が極めて効率よくかみ合い推進力に変わっているということです。

以下の写真で見ていただけると確認できると思います。











ペースが上がったり、落ち着いたりする局面でも、ほぼ同じような振れ幅で動いています。

『腕を大きく振る→スピードを付ける』

こうしたアドバイスはよく聞かれますが、結果的に足のリズムにあわなければ、その大きな振れ幅は動きとリズムのロスでしかありません。

腕のスポットにハマる。まさにそれを体現している走りと言えます。


なぜこのようにレースペース、そしてスパート時の腕の振りと脚の動きをうまく合わせることができたのでしょうか。

まずは基礎練習。 ドリルでの動きのタイミングとリズムを体感していく必要があります。
どのタイミング、どの位置で体が効率良く動くのかを把握する必要があります。

そうした『いい動き』の感覚があって、それをレースペースに定着させる必要があります。

この定着に関して、レースペース、もしくはそれよりやや速いペースで体に覚えさせることが必要です。

例えばレースペース以下のペース走(LT値以下のペース)では、動きにゆとりがあるため、動きが崩れたり、空中で跳ねたまま接地を待つ時間が長くなるため、足や腕の振れ幅が無駄に多くなったりするなどの『抜ける』動作が多く見られるようになります。

以下の写真はペース走の様子です。腕振りが抜け、ストライドが伸びていません。




この状態ではペースが遅いため練習はこなせますが、『無駄をなくす』という観点においては練習に反して逆効果になりがちです。

結果的に

『動きを洗練する』
『無駄を極力なくす』

このためには、レースペースもしくはそれよりやや速いペースで、ゆとりがややなくなりかけるところで『正確な動きのみ』を追求する練習が、先に述べたような効率の良い動きにつながると考えられます。

しかしこのための前段階として、

・心肺系に刺激を入れても体と心が対応できること
・ドリル等で基本動作を確実に作っておくこと

これらを踏まえておく必要があります。

『レースをイメージする』、1000~2000のインターバルは自分の体の動きを隅から隅まで意識し集中力を持って行うことが、こうした自己ベストにつながるのだと思います。