こんにちは。
前回のブログから少し間が空いてしまいましたが、
今回は、染色体をテーマにお話をしたいと思います。
染色体の数の異常が起きると、
着床ができなかったり、流産となってしまうことにつながります。
さらに以前の投稿では、着床前スクリーニングは胚盤胞の染色体を調べて、
染色体に異常がないことを確認することというお話をしました。
そもそも、染色体とはどういうものなのでしょうか。
染色体は、1~22番までの常染色体、23番の性を決めている性染色体、
合計23対46本から成り立っています。
性染色体は性別を決めるもので、女性の場合はX染色体を2本、
男性の場合はX染色体とY染色体がそれぞれ1本となっています。
減数分裂により細胞数を増やし、精子や卵子はつくられます。
しかし、その減数分裂のときに間違いがおきてしまうことも多々あるのです。
染色体の分配がうまくできないと、染色体の数が多くなったり、
少なくなったり異常が起こります。
こうした染色体数が異常になることは「異数性」と呼ばれています。
卵子では通常、1~22番の常染色体と、女性のもつ性染色体Xが
1本ずつ卵子に入ります。
しかし何かの偶然で、同じ染色体が2本入ることがあり、
そこに精子のもつ染色体が加わると、
通常は2本のところが3本も染色体をもつこととなります。
こうした3本の染色体をもつ異常をトリソミーとよびます。
逆にどこかの染色体を1本しかもたないことをモノソミーとよびます。
受精卵にこうした染色体の異常がある場合、実際にはトリソミーでは多くが流産となり、
モノソミーでは着床しないというケースが大半です。
言い換えると、着床が難しくなったり、着床しない理由として
染色体異常が多く関わっているのです。
さきほど、常染色体は1~22番があるということを書きました。
そのなかでも、13番目、18番目、21番目の染色体にトリソミーが起きると、
流産とはならずに赤ちゃんが育ち、生まれてくる場合があります。
13番目、18番目、21番目の染色体上にある遺伝子の数は少ないため、
1本が多くなっていても、影響が小さいためと言われています。
と言っても、この3種類の染色体に異常が起きた場合でも、
子どもが産まれてくる確率は決して高くありません。
13番目や18番目のトリソミーの子どもが生まれるのは、確率として5%程度となっています。
そして21番目のトリソミーの場合には、8割近くの可能性で流産となってしまいますが、
生まれてきた場合にはダウン症をもった子どもとなります。
今日は染色体の数の異常について説明をしましたので、
次回は年齢との関わりについてお伝えしていきたいと思います。
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