【ボクシング】

 

いつも通り、暇な高校生活を送っていた誠であった。

 


高校で一番最初にできた親友、勘吉に聞いてみた。

 


「なぁ勘吉。前、ボクシング部やっているって言ってたよな。」

 


「おう。」

 

「ボクシングってやはりきついの?痛いの?」

 

「なんだ誠、興味あるのか?」

 

「やはり男のスポーツって感じで魅力があるよな。ただ殴られているのを見てると怖いけど。」

 

「明日、ボクシング漫画貸してやるよ。」

 

そう言うと勘吉は、翌日、通学カバンの中に大量のボクシング漫画を入れて学校に来た。

 

「まぁ読んで。」

 

誠は借りた漫画本を夢中になって読んだ。

 

はじめの一歩

ろくでなしブルース

天上天下唯我独尊

などなど。

 

そこの漫画に描かれた世界は自分の生きる世界とは全く違っていた。


リングの上で一瞬の輝きを放つ青春で、あった。

 

時には漫画に出てきた主人公の技を真似してみた。

 

誠のボクシングに対する興味は強くなる一方だった。

 

ある日、勘吉に質問した。


「なぁ勘吉。お前、ボクシングジムに行ってるって言ってたよな?」



「おぅ。」


 

「俺もちょっとやってみたいんだけど、どうかな?」

 


「おっいいじゃん。一緒にやろうぜ。」

 


続けて勘吉が言った。

 


「ただ俺はこの前ジムを辞めた。」


 

勘吉もまた長くは続かない性格らしい。


いや正しくは規則に縛られるのは続かないようだ。


高校でも遅刻早退を繰り返していた。

 

早退も勝手にバックレてしまう生徒だった。

 


ヤンキーではないが生活習慣が身についておらずよく先生に叱られているのを目にした。

 

叱られても懲りずに、ヘラヘラしてまた先生に叱られてもいた。

 

この高校ではそんな生徒が多かった。


また、勘吉の家庭環境も少し影響していたのかもしれない。