誠のデビュー戦の日がきた
そしてそれは、インターハイ県予選の決勝でもある
試合会場は、県内のボクシング部のある高校の練習場である
そこの高校には公式サイズのリングがあり、ここでアマチュアの大会が行われる
プロみたいにどこかのホールを使用するわけではない
東京だと後楽園ホールでプロの試合もあるし、アマチュアの試合もある
しかし地方ではリング常設の施設はない
どこかの高校や大学のボクシング部の練習場で公式試合が行われる
全国大会になると、その都道府県にあるホールや〇〇体育館にリングを設置して試合が行われる
誠たちも以前、リング設置のお手伝いとして作業したことがある
その時は、リングのある高校に集まって、リングを解体してトラックに積み込み、ホールの搬入口からバラバラにしたリングの部品、機材を運びこみ、リングを組み立てる
試合中もスタッフとして試合の運営のお手伝いをして、全試合終了後にまたリングをバラバラに解体して搬入口からトラックに積み込み、また元の高校に集まり、再びリングを組み立てる
誠たちもそのような経験を通して、スポーツは選手だけでなく多くの人の働きがあってこそ成立するのだと学んだ
インターハイ決勝が始まった
下の階級から順番に試合である
この日の中条ジムの最初の試合は、ライトフライ級(48キロ)の勘吉の試合であった
会場には誠の担任の先生も責任者として来ていた
対戦相手は、別の高校に通う3年生の大城という選手だ
この選手は3年間ボクシング部に所属をしていて経験もある
今年から急に出てきた勘吉に負けるわけにはいかない
インターハイ出場にかける思いは、勘吉以上にある
勘吉と大城の試合の開始のゴングがなった