誠の階級のエントリーは2人だけであった。




誠ともう1人、それは同じジムである田所であった。




本来であればもっと人数がいるはずだが、田所は強いことを他の高校生や監督は知っていたので、そこのバンタム級という階級はみんな避けてしまった。





それにより、この階級には誠と田所のみのエントリーとなってしまった。




ジムは同じで同門であるが二人しかいないので戦うしかない。




今のようにキッズの試合がたくさんある時代ではない。


ボクシングをする高校生は少数派であり、スポーツ人口は少ない。




今が旬の井上尚弥や中谷潤人もキッズの大会出身である。



まさか現代にこのような何十億も稼ぐ日本人選手が出てくるとは誰も予想しなかったに違いない。









そして書類上は、帝進高校の誠、天風高校の田所というあくまでも別の高校に通っている者同士の戦いであった。




同じジムの狭い練習場で、誠と田所が練習している。



もう少ししたらこの二人が戦うわけだが、誠にとっては田所は雲の上の存在なので、胸を借りる立場である。





田所にとってこの県予選は眼中にはなかった。



自分より一年遅く入門してきた誠をさっさと倒して、インターハイという全国舞台に駒をすすめ、より強い選手たちと戦うことに集中するだけだった。


もっというとこのインターハイ予選が終わったら、田所は次の国体予選に照準を合わせるわけである。



誠、勘吉、進之介、田所は練習に励んでいた。



大学生になった小塚先輩と森陰先輩も後輩たちを見守っていた。