ジムに入門するときに、誠は入門申込み用紙にあった「選手希望・フィットネス希望」欄のところは選手希望に丸をつけた。
勘吉はフィットネス希望に丸をつけた。
勘吉は視力が悪かったため、選手としての道を断念していた。
しかし、ジムのスタッフの人たちは、
「程度によるが、視力悪くても何とかなるよ。」
と勘吉に伝えた。
自己責任だが、健康診断の結果の改ざんはいくらでもできた。
勘吉は、フィットネス希望から選手希望に変更をした。
しかし選手希望に待っていたのは、会長によるシゴキであった。
今でこそ、体罰に対しては厳しいが当時は体罰に関してまだ寛容な時代であった。
「パワハラ」や「〇〇ハラスメント」という言葉もなかった。
あっても「セクハラ」ぐらいだった。
今では何かあるたびに〇〇ハラスメントと騒ぎたてられる。
誠と勘吉にとってジムに尊敬する先輩、小塚先輩の他に小塚先輩と同学年で別の高校に通っていた森影先輩がいた。
森影先輩は、いつも優しく誠と勘吉にボクシングの技術のアドバイスをしてくれた。
その2人の先輩も会長からシゴキを受けていたが耐えていた。
その2人以外の先輩たちも同じようにシゴかれていた。
そのシゴキに耐えることが選手としての第一歩であるかのように。
ある先輩は、会長に投げられ先輩が床に叩きつけられた。腕が骨折か、ヒビがはいった。
誠が先輩をおんぶして病院へ連れていった。
ある時は、会長が怒って、先輩に鉄アレイを何個も投げつけた。よけた先輩の後ろにあった暖房器具が少しへこんで、
会長が、
「よけるな!」と叫んだ。
しかたなく先輩はキャッチしていた。
選手にはジムの清掃が義務づけられていたが、掃除道具等はなく、全て素手だった。
床の掃除はまだいいが、トイレの中も素手だった。ビニール手袋、ポリエチレン手袋を使わないとかではなく、生の素手で便器をこするのだ。
会長曰く
「みんながきれいに使うことを心掛ければ問題ない。」
とのこと。しかし、トイレを使うのは選手だけでなく、フィットネス会員も使う。
みんながみんなきれいに使ってくれるとは限らない。
後で調べたら、お笑い芸人のダウンタウンの浜ちゃん松ちゃんの通っていた高校(日生学園)のきまりでもトイレを素手で洗うとのこと。
実際にそのようなことを推奨している人が他にもいることに驚いた。
現代なら完全にアウトである。
以下は日生学園の動画(02:00から)↓