朝、田圃に出てみると一面は雪景色。伊勢三山の白猪山も真っ白。お稲荷さんを祭る丘のソメヨシノは枯れ野原で殺風景。
春の野草も雪に埋もれて寒そう。つい先ほどまで雪の結晶が見えていたのに、朝日が上がると一気に結晶は溶けていった。
ホトケノザが咲いている。真っ黒な畦シートに北風から守られて、お日様の温かさでここだけが春。細かな羽毛が生えているのはやはり寒さから身を守っているのか?
無風だった晴れ間は、たちまちのうちに雪雲に覆われて風が吹き出した。風車がカラカラと音を立てて回る。
かと思えば、雪雲は東の空に吹き去られて、青空がのぞいた。菜の花と青空はよく似合う。一見、春。でもこれは疑似天候。すぐに冬空にもどっしまう。
トタン屋根のつらら。日差しは春。一気に温かさがトタン屋根を暖める。すると氷柱は溶けて滴を垂らす。
一つだけ残ったカボスの実。確かこの黄色は春の日差しだと分かる。風が凪ぐと春模様。しかし、西風が吹くと雪雲とともに冬に戻る。冬と春のせめぎ合いはどちらもゆずらない。