今日は防災の日です | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 2024年1月1日に能登半島で大きな地震がありました。今日は9月1日、防災の日で101年前に関東大震災があった日です。この時は、相模トラフが動きました。首都直下地震もいつ起こるか分からないと言われています。

 

 二年前には地震・津波で助かった命がどのようにしたら行き続けることができるか、このサイトで提案しました。キーワードは携帯トイレ寝具(シュラフ シュラフカバー マット)、食料と水衣服と靴です。

 

 今日は、地球規模の億年単位で起こった地殻変動や巨大噴火から考えてみたいと思います。資料は京都大学の鎌田教授の受け売りです。実は長尺歴史から学ぶことは多いのです。これを知れば、本当に備えが必要なこと、対策を講じないと生き抜くことはできないと実感できます。

 

 この地図は日本列島で想定されている巨大地震の規模を表しています。直下型地震も大きな災害を引き起こしますが、海溝型地震は規模が大きくなり、被害は甚大となります。

 

 今、想定されている巨大地震は何と言っても、東海地震・東南海地震・南海地震です。これが起これば、6400万人が被災し、29万人の方が犠牲となります。被害総額は100兆円で日本が先進国でなくなる可能性があります。

 

 1707年、江戸時代に宝永地震が起こりました。ここで東海・東南海・南海地震が三連動で起こり、地元伊勢市では街が海に沈みました。大湊にある灯台まで街並みが続いていたのですが、今は海の中です。

 

 1854年、安政地震が起こりました。江戸時代末期です。この時も東南海・南海地震が起こりました。さらに、太平洋戦争中1944年に東南海地震・南海地震が起こりました。

 

 南海トラフが起こす地震は、この年表から読み取ると100年に一回起こっていることが分かります。この年表で少し可笑しいと感じられ方もいらっしゃるのではないかと。東海地震が170年間起こっていません。つまり、駿河トラフでは100年毎にひずみを解放することなく、2倍のパワーが蓄えられていると言うことです。パワーが大きければ、地震の規模は大きくなります。

 

 南海トラフが起こす地震は、だいたい東南海地震から起こり、他の地域が連動します。それは数ヶ月後だったり、数年後だったり様々です。170年もの間沈黙を破るのが、東海地震なのか、それても東南海地震なのかは分かりません。

 

 ここで注意してほしいのは、貞観地震では富士山が噴火しました。青木ヶ原樹海を作った富士裾野で粘度の低い溶岩が噴火しています。宝永噴火では富士山中腹から噴火が起こりました。マグマが巨大地震で揺さぶられると、マグマの中に含まれていたガスが炭酸水を揺さぶると気泡が生じるように噴火します。富士山が噴火すれば、東海道が寸断され、火山灰は東に流れ関東地方の機能は失われてしまいます。もともと富士山は三十年に一回噴火していました。平安時代の竹取物語では、富士の山は不死の山で山頂に竹取の翁が不死の薬を焼いたので、今でもその煙が立っていると記しています。鎌倉時代の十六夜日記でも富士山が噴火いている情景が出てきます。

 

 この表はカルデラ噴火の年表なのですが、阿蘇山は4回噴火しています。火山の寿命は百万年なので、5回目があるのかは分かりません。7300年前に起こった鬼介カルデラ噴火では、南九州を火砕流が襲い、南九州の縄文人を絶滅に追いやりました。南九州では縄文文化が空白なのです。阿蘇山の4回目のカルデラ噴火では火砕流が山口県まで及びました。

 

 最後の表は、生命が絶滅した時代があります。古生代の終わり、三葉虫が栄えました。彼らは一億年に一度起こるペルムブルームという巨大噴火で絶滅しました。2億5千万年前のことです。地球は10枚ほどのプレートでできていますが、これが地球を一周するのに一億年掛かります。つまり、一億年毎に地球規模の巨大噴火が起こりました。生命の95%が死に絶えます。しかし、残った5%が急激な進化を遂げ、生命爆発と言われる多彩な種が生まれることになります。

 

 6500万年前、地球に10km程の小惑星がユカタン半島沖に衝突しました。数百メートルの津波が生じて、塵が地球を多い恐竜が絶滅しました。そして、私たちの祖先、小さなネズミのような哺乳類が進化し、400万年前人類が登場します。

 

 このことを見ていくと、巨大地震も巨大噴火もいつかは必ず起こることが分かります。とくに南海トラフ巨大地震は、2035年を中心に±5年で起こると言われています。2030年代に起こるのが確実視されています。

 

 それではどのような対策すれば、災害から生き残れるのでしょうか。そして、生き続けることが大切です。能登半島地震では災害による直接死よりも災害関連死の方が上回りました。助かった命が失われる。そんなことがあってはいけません。

 

 災害対策には自助と共助と公助があります。能登の地震では公助の限界を感じました。もちろん国も県もその時できる最大の援助は行われました。そして、そう遠くない時期に起こる南海トラフ巨大地震では、公助は期待しない方がいいのではないかと思います。6400万人が被災するとしたら、だれが助けに来るのでしょうか。そして、被災した人がさらに深刻な被災をしたひとを助ける。このようなことになると思います。

 

 そうなれば、コミュニティが家庭がどれだけ食料や水を備蓄しているか。携帯トイレを持ち合わせているか。寝具(シュラフ シュラフカバー マット)があるか。これが生命を維持する決め手になります。特に冬では毛布だけでは生命を維持することはできません。冬に布団で体育館で寝ることができますか。羽毛シュラフに包まれて、しかもカバーに包まれて、さらにマットがないと体育館フロアからの冷気は容赦なく体を蝕んでいきます。

 

 夏はエアコンがないととても過ごせない気候に変化しました。体育館に空調設備が整っている所は残念ながらほとんどありません。発電所が稼働しているのか、稼働していても送電施設がどうなってるのか。電気が来ないと情報伝達はできません。

 

 まず、自分が助かって、生きながらえることができなければ、他の人を助けることはできません。あなたが助かることは、他の人も助けることができる。共に生きていくためには、まず自分が助かることが大切なのです。

 

 巨大地震も巨大噴火もいつかは起こる。これは確実なこと。100%起こります。その時にどう対応するのか。それは、今を備えることに他なりません。鎌田教授は長尺のスパンから災害を見ることを提唱しています。長い時間から見れば、必ず起こる。だから必ず備えなければならないことが分かってきます。