明日は立春。吉野山にも春が。そして、皆様には春が来ますように! | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 

 今日は立春の前日で節分です。奈良県吉野山金峯山寺採灯護摩が焚かれました。五穀豊穣、家内安全、交通安全はもちろんのこと、世界平和と沢山の願いが護摩木ととにも蔵王権現様の元に届けられました。とりわけ、令和六年能登半島地震で被災された方々への安寧を願う言葉が今年はつけられました。

 

 今朝はよく晴れて放射冷却で吉野山は冷え込んでいました。それでも風がなかったため日差しは春を感じました。蔵王堂の境内には全国から鬼が集められて自由に闊歩しています。子供たちは鬼に悪さをしたり抱っこしてもらったりで、ヒーロー扱いです。いつもは悪いことばかりしている鬼ですが、役行者によって鬼が調服されると鬼達は仏門を守る者として変えられ、鬼達は喜んで踊ります。

 

  境内の一角には甘酒が振る舞われ、冷えた体がポッカポカになりました。家に帰って来て動画を編集していると、管長猊下の元、山伏達がそれぞれの役目を与えられ、祈りの姿は真剣そのもの。護摩木の炎が激しくなると全身は真っ赤に変わり、青空高く人々の願いや祈りが吉野山の大空に舞い上がっていきました。一人ひとりの祈りが蔵王権現様に届けられたことでしょう。ここに来ると鬼が調服される儀式はユーモラスなのですが、祈らずにはいられない雰囲気があります。いつの時代にも平和や復興は祈らずにはいられないのですが、今こそ、今日こそと思った朝でした。

 

 今日は蔵王堂に全国の鬼達が集められ、自由闊歩でやりたい放題。でも、子供たちにとっては鬼はヒーローなのかも知れません。

 

 管長猊下の祈りの言葉。今年は、令和六年能登半島地震の文言が入れられています。集った人々は合唱し、祈りを合わせます。

 

 弓矢が放たれ護摩壇を清めます。金峯山寺の修験本宗では信者さんの男女比は半々です。役柄も女性の起用が多いです。

 

 若い山伏の何ともダイナミックな太刀まわりです。神様へのご挨拶はこれでなくては・・・。

 

 鬼が護摩壇の周りで踊ります。悪さばかりしていた鬼達が役行者に調服されて仏門を守る存在に変えられ、喜びの踊りです。何ともその動きは滑稽。

 

 護摩壇の炎は燃えさかり、般若心経や蔵王権現様の真言が太鼓と音とともに境内にこだまします。

 

 錫杖を振りかざす毎に鈴の音が聞こえ、荘厳さはクライマックスに。

 

 護摩木が焚かれ始めました。ここに修験の中心の祈りがあります。このようにしてカメラでその一瞬を切り取ってみると、肉眼では見えなかった世界が見え隠れします。この空間はやはりスピリチュアルなものを感じずにはいられません。その一瞬一時に山伏のお顔に仏の姿が映ります。確かに人間の動きには違いないのですが、その動作一つひとつに仏性が顕現しているような錯覚に陥ります。

 

 自分のような修行の浅い者がこのような幻覚を見ることを魔境と呼ぶことがありますが、今朝見たものは、金峯山寺や大峰山で長い間修行した方々が、参詣者を祈りに導く誘いであったのでしょう。

 

 こうして採灯護摩は厳かに静かに終わりました。法螺の音が境内に響きます。この法螺貝の音ですが大日如来の説法と言われています。ちなみにこの法螺貝を吹くには資格が必要で年に一回金峯山寺で研修会に合格しないと吹けないそうで。たった一発で合格する人にいれば、研修会終了寸前まで合格できない人もいるようです。ここにいる人は合格者なのでしょう。

 

 最後に福豆が蒔かれました。袋の中には福豆だけでなく当たりくじが入っていて、一等は電動アシスト自転車だそうで、だれが当たりくじを引いたのでしょう。節分からラッキーな人もいるようです。

 

 この動画を見られた方々に、今日蔵王堂に参詣された人々と同じように福が到来しますように。節分会に集えなかった人々に代わり動画をアップしました。