辰年なので龍神湖に行ってみた! | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 今年の干支は辰なので龍神湖に行ってみました。ここは大滝ダムでできた人工湖です。

 

 奈良県川上村に「森と水の源流館」という博物館があります。

 

 館内にはアマゴが悠々と泳いでいます。

 

 ダム湖に水没した縄文後期の宮ノ平遺跡です。3年間発掘調査で発見された物が展示されています。

 

 山から木を切り出して吉野川に筏を組むまでの様子がジオラマで再現されています。

 

 江戸時代の民家が再現されていて山の暮らしがよく分かります。

 

 杣人の道具です。今では筏に変わってヘリコプターで木を運んでいました。今日も二機稼働していました。林業も最先端の産業になりつつあります。

 

 森と水の源流館の全景です。シアターや図書館も併設されています。丘の上には遷宮された丹生川上神社があります。

 

 今日訪れた場所の地図です。村内全体がダム湖です。博物館や図書館、シアターがあり、インフラがしっかり整備されてあり美しい村です。ホテルや温泉施設もあります。

 

 今日は奈良県の川上村にやってきました。ここには森と水の源流館があります。川上村はほとんどが森林で村内には大滝ダムがあります。このダムでできた人工湖を龍神湖と呼んでいます。今年は辰年なのでここを訪れれば御利益がありかもしれません。

 このダムができるまでは「東の八ッ場、西の大滝」と呼ばれた地元の反対運動がありました。まず、由緒ある平安時代の丹生川上神社、そして、縄文後期の宮ノ平遺跡がダムに沈むこと、何よりも大滝地区の民家がほとんど水没し、村の存亡に係わることとなりました。神社はダムの高台に、遺跡は3年間の発掘調査、村営のホテルやシアター、博物館、図書館を整備すること。そして、水没する地域への手厚い保障により今のダムができました。大滝地区の水没した民家はダム湖の上に立派な集落ができて、交通の便もよくなりました。そして、奈良県や和歌山県の水瓶となり、今では吉野川や紀ノ川流域の水害から守っています。
 森と水の源流館では、清流に住むアマゴや鯉が悠々と泳いでいます。15分の映像展示を見て宮ノ平遺跡や江戸時代の暮らしの展示を見学しました。森を守ることがいかに大切か、源流の水一滴の貴重さ、それを綺麗に保つことは私たち人間が大きく関与していること。
 源流館を訪れた後、大滝ダムを見学しました。冬期は閉鎖されていますが、ここはダムの中に道があり、探検ができます。自分が興味を引いたのは
白屋地区の地滑りです。このダムができたために地滑りが起こり、随分立派な集落全体が移転を余儀なくされました。当時のことを知っている自分にとってはかなりショックなことでした。大滝ダムは完成まで半世紀をかけ、ダム建設としては長い部類に入ります。水利や防災という人間が求める需要と、環境を保全するというバランス、自然と人間との関係をどのように調和させるのか、考えさせられる場所でした。