紀伊半島に久しぶりの積雪。今朝は快晴。伊勢三山の白猪山に初冠雪。一面まっ白です。
向こう岸の集落の屋根は銀色に輝いています。奈良と三重県境の高見峠に行ったら、トンネルを越える毎に雪が深くなります。吉野は雪深いって聞くけど、どのくらい積もったのでしょう?
棚田に行ったら、タンポポを踏んでしまいました。そこから花が咲いています。雪の下に春の用意。
この川、凍っています。薄氷を踏むとはこのことなのでしょうか? 凍りついた岩の階段を登って行くと新しい景色が開けました。
雪がかぶった向こうの縁に越冬しているカモの群れ。毎年ここにやってきます。
蓑虫坊やは寒い西風に吹かれて、なかなかカメラの焦点を合わしてくれません。ひたすら蓑の中で、さなぎから成虫になろうとしているのでしょう。静かさの中で蓑虫の体の中に起こっている変化とはどんなのでしょう?
あらゆる植物は氷で捲かれてしまい、そこから氷柱が成長して、小さな滝がそれを揺らしています。その上には2mもある氷柱群があり、日陰は氷の世界です。
絶壁に根を張って、岩を砕く山桜の大樹。中央構造線の大断層から生まれた変成岩マイロナイト。ちょっとやそっとでは砕けるはずがありません。なのに山桜はこの大岩を見事に八つ裂きにしてその上に生えています。いったいどこにそんな力を秘めているのでしょう。
満開の山桜。去年の4月の風景です。岩から養分をとり、今は桜の樹皮に薄桃色を溜めているのでしょう。山眠り、山凍る冬に、冷たい西風の吹く音さえ積もった雪に吸収されて音を立てるものは何一つありません。その静けさの中で蓑虫は大変態を繰り広げ、凍りついた青草も、崖の上の山桜も春のために全身にパワーを蓄えているのでしょう。冬の静けさが生命に力を充満させ、春にそれを爆発させる。萌えいづるとは、そのことを言うのでしょう。