櫛田川右岸の紅葉 | バイカルアザラシのnicoチャンネル

バイカルアザラシのnicoチャンネル

 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 

画像をクリックすると動画をご覧いただけます

 

 昼間は二十℃を超えることもありますが、晴れた朝は放射冷却により一桁台に冷え込みます。寒暖の差も大きくなり、櫛田川の原生林の広葉樹は黄色く色づき始めました。これから赤も混じり紅葉の季節となります。


 今年の夏は梅雨が早く明けましたが、その後は雨が続き櫛田川は水かさが増して泥水の流れが続きました。洪水が続けば汚れた物が流されてこのように川底まで見えます。これに紅葉した葉っぱが落ちると川底には青や黄色や赤で埋め尽くされます。この地方では川の流れを独特の表現をします。濁流を泥濁りと呼んだり、洪水が収まり濁った青が見え始めた頃を笹濁りと言います。本当に笹の葉っぱのような色なので、このような呼び方をしたのでしょう。


 さて、櫛田川右岸の原生林。なぜ残ったのでしょうか。中流域の右岸にはあまり集落がありません。近くに山が迫っていて日当たりが悪いからです。櫛田川が作った河岸段丘は右岸に狭く、左岸が広くなっています。そして、右岸の狭い川岸は急に浸食されて川岸自体に広葉樹林が残りました。人間が利用価値のない場所だから原生林が残ったのでしょう。もし、河岸段丘に田畑を作らなければ、この美しい原生林は山の裾野まで続いていたはずです。利用価値がない所にこそこの美しい紅葉が残った、いわば奇跡の原生林なのでしょう。


 北を向くと伊勢三山の中央に白猪山が見えます。この中腹には深野の棚田が見えます。雲の上にある棚田の集落。ドローンは雲海を抜けて朝霧の上にそびえる夏明の集落を見せてくれます。ここは松阪牛のふるさとです。天空の棚田、石垣からは薄紅色のベゴニアが咲き誇っていて、その下はまっ白な雲の海が広がっています。秋に行われる棚田まつりは今年も中止。棚田の畦に灯される行灯は今年も見ることはできません。ドローンが西を向くと、後背が光る影が現れました。朝日に照らされたドローンが描いたブロッケン現象です。それは一見観世音菩薩のようにも見えます。今日は久しぶりのフライトでした。この光景は以前フルハイビジョンで撮影してYouTubeにもアップしています。今度は4K画像でお見せしたいと思います。