今年はコロナの規制もないので近場に出かけてみました。ここは鳥羽市のパールロードにある展望台。伊勢湾が一望です。向こう岸は愛知県の渥美半島も見えています。天気がよければ富士山も見えます。
黒潮ダイニングで海鮮丼をいただきました。てんこもりです。二千円でおつりが来ます。鳥羽市に来たらマストツーイートのお店です。
伊勢神宮の外宮に来ました。右の広々とした空き地は次の遷宮に建てられる場所。二十年に一度、社が遷ります。内宮にも参拝したいのですが、人が多いのと市営駐車場は有料になったので、ここでおしまい。内宮にはおかげ横丁という江戸時代を模した商店街があります。
外宮の祭神は豊受大神で農業の神様です。内宮のまつられている天照大神に食事を捧げる神様です。なので飲食業界だけでなく産業界や芸能界など様々な人がここに参拝します。
ここには不思議な石があります。見るからにパワーがここからみなぎっています。それは伊勢神宮ですからすごいパワースポットに違いありません。ここに立って両手を広げると大神のパワーを直接体全体に受けることができます。もう立っておられないほどの御利益が体中にみなぎります。一人の人がここにこうして両手を広げているとまた一人、もう一人と集まってきて、すごい人数に。
神宮衛士にここはどんなパワースポットなのか訪ねても、「分かりません」と答えます。実はこの石、お祭りをするために位置決めをする目印の石で、パワースポットとは何の関係もありません。それでもだれかが勝手な思い込みで信心をしていると、我も我も集まってくるのがやはりお伊勢さんです。もちろん神宮衛士はそのことは知っています。せっかくの信心なのですから、その気持ちを大切にしたいとのちょっとした粋な配慮なのでしょう。
参拝の後はやはり五十鈴茶屋の赤福氷。夏はこれに限ります。抹茶のシロップと赤福のあんこ、もちろんお餅も入っています。ここの氷はふわとろ。毎日、製氷機の刃を研がないと削れなくなる硬い氷を使っています。なので、いっぱい口に含んでも頭が痛くなりません。参拝とその後のスイーツや食事、お買い物はお伊勢参りと一体のものです。
内宮の赤福本店は今頃、大賑わいでしょう。でも外宮前のお店はのんびりできます。ここでおかげ犬サブレを大量に買ってお土産にしました。
江戸時代にお伊勢参りに行けない村々は代表を仕立てて代参という形でお札を受けに行きました。それでも代参も立てられない東北や四国の村はどうしていたのでしょうか。里犬の首にしめ縄をして村の名前を書いておきます。多少のお金も首にぶら下げて。これでお伊勢参りのおかげ犬になります。人々はこの出で立ちの犬に宿場ごとに餌をあげ、リレー方式でお伊勢さんまで導きました。そうすることが御利益があると考えたのでしょう。おかげ犬は神官からお札をもらい村々まで帰って行きました。何百キロの道のりを犬が巡礼をする。こんな例は世界にもありません。
なぜ人はお伊勢さんに向かうのか。それは神様の御利益はもちろんなのですが、日本国家成立のルーツがここにあり、海の幸山の幸、食材の豊かさには驚かされます。いったん裏通りのお店に入れば、こんなところにというようなお値打ちな食事ができます。それを探すのもお伊勢参りの楽しみなのかもしれません。三重は古代から「美し国 うましくに」と呼ばれていました。自然が美しいだけでなく、美食の国でもあります。