受難週聖月曜日 ラザロの復活とナルドの壺 | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 エルサレム近郊にベタニアがあり、イエスは死者の中からよみがえらせたラザロの家に立ち寄りました。夕食のとき、、ラザロの姉妹であるマリアは、イエスの足元に近づき、彼の足にナルドの香油を塗り、自分の髪で彼の足をぬぐいました。当時、香油は、死者の遺体に塗るものであり、このことはキリストがまもなく十字架につくことを暗示しています。ヨハネによる福音書 12章1~11節にはこんな記事があります。

 

 過越祭の六日前に、イエスはベタニアに行かれた。そこには、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロがいた。イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。
 弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。
 イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」
 イエスがそこにおられるのを知って、ユダヤ人の大群衆がやって来た。それはイエスだけが目当てではなく、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロを見るためでもあった。 祭司長たちはラザロをも殺そうと謀った。多くのユダヤ人がラザロのことで離れて行って、イエスを信じるようになったからである。


 群衆は生き返ったというラザロを見に来ていました。ラザロが亡くなってかなり過ぎていたので、墓の中は死臭で大変だったでしょう。どうみても生き返るなんて不可能です。それをよみがえらせたのですから、人々の関心は物珍しさでいっぱいだったでしょう。そして、イエスこそ大預言者でローマからユダヤ民族の国を作ってくれると待望したでしょう。ところが、このことは祭司長たちユダヤ教の指導者にとっては自分たちの立場をゆるがす出来事で、群衆はイエスをキリストと信じるようになります。それは当時ユダヤを統治していたローマにとっても放置しておけない事態となっていきます。群衆がキリストについていってはローマ帝国の一角がゆるぐことになります。人々はローマの圧政から解放する救い主として期待し、イエスはすべての人々の魂を救うキリストになるためのエルサレム入城でした。現実世界と精神世界のこの乖離が月曜日に描かれています。