中央構造線をドローンで行く HUBSAN ZINO MINI PRO | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 紀伊半島の中央部に南北を二分する川が流れています。三重県側は東に櫛田川が伊勢湾に注ぎ、奈良・和歌山県側には西に紀ノ川が大阪湾に流れています。

 

 この二つの川には共通した性質があります。それは中央構造線上にあるということです。櫛田川右岸は緑色片岩でできています。左岸は花崗岩でできています。つまり、北は花崗岩、南は緑色片岩と地質がまったく異なっているのです。そして、画像にある変わった茶色の岩、これがマイロナイトという変成岩です。幅400mのこの帯は茨城県の鹿島灘から愛媛県の佐多岬半島で続いています。中央構造線のボーダーラインと言ってもいいでしょう。

 

 この中央構造線、今でも年間5mmずつ動いています。近くに立梅用水のトンネルがあるのですが、そのトンネルの中を中央構造線が通っており、漆喰で補修しないと水が漏れてしまいます。動く大断層、1000年たてば5mも動くのですから、百万年もたてば川筋さえ今とは全く違ったものになっているでしょう。

 

 この季節、水鳥が川面で羽を休めています。櫛田川、魚の種類も豊富で渡り鳥の休憩場所としては最高の場所です。せっかく遊んでいたのにドローンという邪魔者が飛んできたので逃げていきました。左側に何羽かが飛び立っています。寒さのあまり、川面が凍ってます。

 

 今朝は曇っていてしかも西風が強くて空撮にはいいコンディションではありません。ドローンはZINO MINI PROという機体ですが、三軸ジンバルで風から来る震動は吸収できても、機体の傾きまでは修正できなかったようで画像が少し斜めになっています。それでも風に負けず飛んでくれています。手も寒さのあまりかじかんできました。

 

 中央構造線は日本列島を貫く大断層ですが、紀伊半島は古代の火山地形の宝庫でもあります。奈良県から和歌山県にかけては室生カルデラという世界最大級の噴火が起こりました。今でもカルデラの形跡が奈良県御杖村の屏風岩にあります。三重県側には尾鷲市の楯ヶ崎という巨大柱状節理が、和歌山県には橋杭岩海金剛などの奇岩が各所にあります。紀伊半島には火山がないと言われていますが、1500万年前、巨大カルデラ噴火が起こりました。地殻が超巨大なマグマだまりに沈んでいったのです。その痕跡を求めていつかドローンで空撮したいと思います。YouTubeでも楯ヶ崎と海金剛はフルハイビジョンでアップしましたが、4Kで再度空撮を試みたいと思っています。

 

 最近、小笠原諸島の福徳岡の場の大噴火、トンガ王国のフンガトンガの巨大噴火がニュースに上がっていますが、日本列島も環太平洋火山帯の一角にあり、あのような噴火が起こる可能性があります。7万4千年前にスマトラ島のトバ火山の巨大噴火は人類を3000人程度まで減らし、南アフリカで細々と命をつないでいたといいます。今、人類がここにあるのはその人たちの末裔なのでしょう。7万年前と言っても、地球の歴史45億年、人類誕生から400万年ですが、この出来事はつい最近の出来事と言ってもいいでしょう。私たちはこのような自然災害に想定外を生き抜くにはどうすればよいか、いつも率先的避難者でありたいとおもいます。そして、最善を尽くしたいと思います。

 

 

今朝の空撮をYouTubeにアップしました。よかったらご覧ください。