イチジクは花がないのに実をつけるのはどうして? | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 朔日餅をゲット!お伊勢参りで有名な内宮のおかげ横丁に本店がある赤福餅が毎月1日にだしているお餅です。9月はおはぎです。収穫も終わり萩の花が咲き出す頃、収穫を祝い感謝を込めておはぎ餅を作ります。朔日餅を毎月いただくと、お餅を通して季節の移り変わりを感じることができます。

 

 それにしてもこんなに綺麗に作った物だと感心します。和菓子は日本国中いっぱいあるけれど、おはぎ餅は完成されたスイーツなのでしょう。包んであるあんこは赤福餅そのものです。中身は「半殺し」と言われる餅米の形が半分程度残っているもので米の形が完全に残っていない餅ではありません。

 

 子どもの時、おばさんちに遊びに行ったら、「半殺し、食べるか?」と言われて、恐々「要りません。」と答えたら、重箱に入ったおはぎを出してくれました。その美味しかったこと!地方によっては、おはぎのことを「はんごろし」と呼ぶようです。

 

 朝早く畑に行ったらイチジクがたわわに実っています。店頭で買えば一個500円はしそうな大きな物。イチジクは無花果と書きます。花がないかと言えば、実の中に真っ白な花が無数に咲いています。と言っても、種で増えるというよりも、挿し木をして増やします。挿し木をすればどんどん増えるので、イチジク畑はどんどん広がっていきます。

 

 イチジクの俳句は多くの人が詠んでいます。それほど日本人にとっては身近な存在なのでしょう。種田山頭火は、こんな一句を詠んでいます。 

 手がとどくいちじくのうれざま

 イチジクの木をそのままにしておくと3m位の高さになります。葉っぱもいっぱいできて、枝も太くなって、イチジクの実がいっぱい実ります。食べてみれば小さくてまずいのが大量に。ここに出てくる実は手が届くイチジクで、実がはちきれそうに熟れているのでしょう。イチジクの木は低くして要らない実は摘果します。そうすると大きくて甘い実になります。栄養が行き渡って、皮がはち切れて果肉が飛び出して蜜がしたたるようなそんな実なのでしょう。

 

 おばさんが山口誓子先生に師事していたので、家のお茶を贈っていました。先生は、こんな一句を詠んでみえます。

 無花果を 食べて老の いのち延ぶ

 イチジクは「いのちの果実」と言われています。トルコやイランなど乾燥帯でもイチジクは美味しく実ります。乾燥させればドライイチジクになり、携帯に便利です。そこで、中東ではいのちの果実と呼ばれるようになったのでしょう。そのイチジクが年を重ねた命を育む。秋の味覚は寿命さえ延ばしてくれるのでしょう。