櫛田川流域には正月にどんど火を焚く行事があります。夜明け前、子供たちは空き缶に縄をつけて道に転がし、大きな音を立てて「どんど火、焼くぞ」と、家々を回ります。午前六時、点火。
漆黒の空を火の粉を立ててどんど火が燃え始めました。手前の大きなどんどは高さが8mあります。
隣の集落のどんどにも火がつきました。真っ暗だった景色は一気にオレンジ色に染められます。
東の空にサソリ座が昇ってきました。星々まで焦がしてしまいそうな勢いで爆発的にパチパチと音を立て燃え始めました。
どんど火の先端に飾られた御幣が一気に燃え尽きると豊作の兆候か。人々は、古い御札や正月飾りをどんどに投げ入れます。これが終われば櫛田川の正月も終わりです。
爆発的に燃えていた火の勢いは下火になり、榾を覆っていた孟宗竹の中に入っていた空気が膨張して「ドカーン パカーン」と音を立てます。その爆発音は櫛田川の狭い谷々にこだまして、そのこだまがまた谷に反射して、しばらくは異空間に。
火が収まって、敷いていた石が熱々になると、人々はお餅を焼きます。どんど火の石で焼いたお餅は甘いです。この焼き餅を食べると一年健康で過ごせるとか。
上の画像をクリックするとどんど火の動画になります。二分程度にまとめてみました。ハイビジョン画質でご覧いただけます。