三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台 三重県鳥羽市神島  | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台三重県鳥羽市神島を訪れました。この作品は5回映画化されており、特に吉永小百合さんと山口百恵さん主演の作品は有名です。島全体は周囲4キロで東海自然遊歩道に指定されており約二時間で島を一周できます。今日歩いたルートが赤で記してあります。

 

 鳥羽市を7:40分に鳥羽定期船で出航しました。

 

 操舵室の様子。神島が右遠くに見えてきました。双胴船なので速度も速く揺れにくくなっています。約40分の船旅は快適です。

 

 島に上陸すると獅子舞をしています。街全体がお祭り騒ぎ。お囃子は横笛かと思えば、小学校で使うリコーダーなのが面白い。

 

 三島由紀夫は潮騒で神島に美しいところが2カ所あり、一つは八代神社、もう一つは山頂付近だと書いています。神社の境内では巫女さんか舞を奉納しています。

 

 神社から500mくらいで神島灯台に着きます。東海自然遊歩道に指定されていて歩きやすい道です。対岸は渥美半島。新治が捕れた魚を灯台の台長に持っていくシーンがあります。今は無人です。

 

 監的哨からは知多半島や渥美半島が一望です。潮騒では、暴風の日に初江と新治に扮した山口百恵と三浦友和ががここで会い、新治が燃えさかる火を越えて初江を抱きしめる場面がでてきます。

 

 遙か彼方には日本アルプスの名峰が真っ白に雪をいただいています。渥美半島はすぐそこ。伊良湖ビューホテルも見えています。

 

 監的哨から少し行くとカルスト地形に出ます。これは石灰岩が水で浸食され奇岩になっています。近くには鍾乳洞が多く見られます。

 

 島の全貌は港の突堤から見えます。お年寄りが多いのかと言えば、若い世代の方も見受けられます。子供たちはだれもが元気です。これは島に仕事があって活気があるからなのでしょう。それを支えているのは伊勢湾の海の豊かさなのだと。普段なら港も漁で漁船も行き来しますが、今日は静か。

 

 途中、さざなみという喫茶店で昼食を取りました。看板には軽食・喫茶とありましたが、これは豪華な海鮮定食です。この他に天ぷらもてんこ盛りで1500円でした。神島でとれた海の幸満載です。

 

 始発の船便で来て、最終で帰ります。街は山の斜面にへばりつくように建てられていて港の突堤から見ると本当にきれいです。ここは潮騒の世界がそのまま残っています。

 

 神島の弁天崎は対岸の菅島や答志島につながっているのでしょう。ここは海に隠れた一筋の峰をなしています。

 

 カルスト地形は空から見るとこんな形をしています。石灰岩の絶壁をトラバースしてみましたが、やはり危険です。海岸からはいくつもの鍾乳洞が見えています。太平洋からの打つ波は激しく、長い年月をかけて乳白色の石灰岩を侵食しました。

 

 山頂の上に見えるのは渥美半島です。その先端はここ神島につながり、さらに志摩半島につながっています。ここは人と自然がよく調和しているなと思いました。海が人を豊かにし、人が自然を守っています。神島小中学校では清掃活動をしていたり、中学生が灯油をお年寄りの家に運ぶボランティアをしています。ここに来ると海も山も人も優しく温かい気持ちにさせてくれる所だと思いました。

 

神島の旅必要経費

 駐車場    上之郷 前払い一日      1000円

 定期船運賃 上之郷・神島 730円 往復 1460円  

 昼食      定食                1500円

 合計                         3960円

 

 空撮の動画はここをクリックするとハイビジョンでご覧になれます。

 

 神島は東は茨城県の鹿島灘、西は熊本県の八代まで一つの線でつながっています。鹿島から少し北に上がって諏訪湖へ、諏訪湖から少し南に下って伊那谷、渥美半島、神島、二見浦、紀伊半島の大峰山脈、和泉山脈、四国は讃岐山脈、佐多岬半島、豊後水道を経て九州は佐賀岬半島、そして、終点は熊本県八代で終わります。この一筋の線は中央構造線です。なぜかここは神々の霊験があらたかなところで、鹿島神宮諏訪大社、二見の夫婦岩伊勢神宮大峰山石鎚山の修験などパワースポットが目白押しです。つまりこの中央構造線に沿った一筋の稜線は、神々の海嶺ということもできます。周囲4キロほどの小さな島は、海嶺もつなげると日本列島1000kmもの長い嶺々の一部であることがここから分かります。