天皇賞の結果。。。 | Roll of The Dice ー スパイスのブログ ー

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稀に・・・となるかも、ですが、音楽や演劇、書籍について書きたく思ひます。

まずはレースをご覧ください。

◆第169回天皇賞(京都芝外回り・3,200m・G1)

 

 

1,000m通過が59秒7はまあ平均ペースだが、ラップ構成を見てみると11秒台が3つもあって、次の1ハロン(6ハロン目)も11秒台。

菊花賞も天皇賞も、昨日書いたとおり(↓)

スローで上がり勝負というのがここ30年来の傾向だが、今日の天皇賞は道中も厳しいラップ。これで3,200m を走るには、真のステイヤーでなくてはならない。

1着がテーオーロイヤル、2着ブローザホーン、3着ディープボンドという結果が、まさにこれを表している。

 

菊花賞馬の敗因(15着)は、巷で(性懲りも無く、まだ言ってる)4歳世代のレベルの低さなどではなく、この厳しいペースでコーナー6つの3,200mは無理だったということに他ならない。

菊花賞では前に行き、1回下げてまた前へ、というルメールの騎乗が賞賛された。当時自分は「褒めるほどのことではない。ルメールならごく普通の騎乗」とここに書いたが、いずれにせよ彼がああいう乗り方でうまく誤魔化したのは事実で、ドゥレッツァ自身はステイヤーではなかったということだろう。

 

「4歳世代が」と雑に括るなら、タスティエーラをどう見るか。最後ジリジリ伸びているではないか。

彼こそ全然ステイヤーではなく、大阪杯を使ってここというのは昔は兎も角、今ではキツいローテーション。近年これをやり遂げたのはキタサンブラックのみで、これは紛れも無くステイヤーであり、かつ地元の関西馬。タスティエーラは関東からの長距離輸送を短期間で二度こなし、なおかつ一度目は飼い葉食いが落ちてレースにならなかったというアクシデント。そんな体験を経ての参戦ということを考えれば、この7着は立派である。

さすがは堀厩舎というほかないが、(飼い葉食いの件を克服できたかどうかがわからなかったので予め切ったとはいえ)、大阪杯からさらにマイナス6㎏でこの走りは、決してレベルの問題ではなく、距離適性の問題である。

※ 余談だが、タスティエーラは天皇賞じゃなく、一度立て直して宝塚記念に向かう方が良かったと思う。

 

敗因を分析するといろんなことが見えてくるもので、自分が相手に加えていたサヴォーナ(これも4歳)の敗因は、スタートが遅れたため池添が押して押して位置を取りに行ったこと。そして向こう正面で上がっていったこと。1回目はさておき2回も脚を使ったら、最後の伸びに大きく影響する。

事実、残りあと300mの地点で脚が上がってしまった。あの2度の”脚遣い〝が無ければディープボンドを差していた。

ただし結果的にこうなったもので、前目で競馬し直線であの位置にいた、池添の騎乗自体は正解である。阪神大賞典の反省を活かした形で、無駄に脚を遣わなければ、池添が言うとおり勝ち負けになっていただろう。

スタートが出遅れたのは誤算。向こう正面で押していったのは余計。こう分析できるが、それでも6着だから、決して

 

「4歳世代はレベルが低い」

 

とは言えない。

 

スマートファントム、これも4歳だが、圧勝したテーオーロイヤルの4着。しかもコンマ5秒差だぜ?

どこが〝弱い〝んだよ低脳。

 

斯くして世間は ー 安藤勝己元騎手もだが ー 物事を雑に見過ぎなので、これは政治でも経済でも同じ。丁寧に、良く観察しなければならない。でないと肝心な時に判断を誤る。

今日のレースだって、ちゃんと動画がアップされてるんだから詳細を丁寧に見ればよいものを。。。

 

目くらなのかしらね。

 

わたしの夢は思ったより後ろ。折り合い重視の騎乗で、吉岡厩舎の努力に次ぐ努力と菅原明良(アキラに〝良〝は要らない)のナイスプレー。外から上がり最速で差してきて2着に食いこんだ。

 

ディープボンドもあの位置で正解。和田が乗っていた時はスタミナに頼り、捲ってばかり。ゴールドシップでさえ自分は「なぜあんな危険な乗り方をするんだろう。先行すれば良いのに」と毎回思っていたほどで、同様に、いくらスタミナあろうとも急に捲れば垂れる危険性が大いにある。

その点、今日の幸の騎乗は正解で、最初から前につけてそのまま押し切るというレース・スタイルあってこその3着。淀の下り坂も、確かに合うとは思うが。

 

テーオーロイヤルは予想通りの完勝だった。超強気の陣営と、近走とりわけ阪神大賞典の内容を評価して軸に指名したのだが、騎手・厩舎ともにG1初制覇、さぞ嬉しかろう。

◆菱田騎手カメラ

 

 

馬に〝うぉう、うぉうぉううぉう〝と声をかけてリズムを取り、ゴールしたあとには「本当にありがとう、ロイ君」。

そしてこうも言っている。

 

「次やな、まだやな。ここからやな」

 

ステイヤー軽視の昨今、次に彼らは、どこを目指すのだろうか。国内はジャパンCか有馬記念くらいしかないから、海外か。

どこへ向かうにせよ、真のステイヤーが再び現れたのは慶事である。長距離戦こそ「観察」できて、分析するにも思考するにも適当だから。

 

しかして私、観察・分析・思考の結果、大阪杯から5連勝となりました(マイラーズCを含む)。

 

ーーー

 

長い道のり。したがって音は、

◆ジャクソン・ブラウン ー Long Way Around